二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第4節 京都vs長崎

2016-03-21 | 蹴球

京都サンガF.C.△0-0△Vファーレン長崎


[警告・退場]
・京都
60'佐藤健太郎(C5遅延行為)
90+2'有田光希(C4繰り返しの違反)
・長崎
34'田中輝希(C2ラフプレー)
90'田中裕人(C1反スポーツ的行為)


【全体の印象】
前半、ペースを握ったのは風下になった京都だったが、狙いを定めて浴びせかかる長崎のプレスの前に決定機が作れず。ビルドアップや繋ぎでのミスも目立った。後半、長崎は永井龍が基点&仕掛けで躍動し、押し込んだが、シュートミスと菅野のファインセーブでゴールは割れず。最後まで集中力が高かった長崎に比べ、京都は終盤ミスが増え、勢いを盛り返せず。悪くはないが良くもない状態が続く。


【雑感】
■迫力のない攻撃
 以前、守→攻の切り替えが遅い、と書いたことがある。切り替えについては意識して修正をはかっているようで、このゲームの特に前半はボールを奪ってから速く前へボールを動かそうという意識は強かった。がしかし、速く切り替えようとするあまりにミスパス、ミスフィードになることが多く、結局相手にボールを渡してしまい、ボールが両陣を行ったり来たりで落ち着かず。もちろん、長崎のプレスが鋭かったという面もある。イヨンジェに入れても、有田に入れても、果ては石櫃が駆け上がっても長崎のプレスに食いつかれ、それをかいくぐれなかった。京都のストロングポイントの消したのは、戦術ボード芸で名を馳せた安達ヘッドコーチのスカウティングの仕業だろうか。
 そんな訳でこの試合でも「奪ってから速い」攻撃は繰り出せず。なかなかトップギアまで入らない。攻めに迫力が出ない。プレーに迷ってる場面も目に付く。48分、石田からの落としをフリーで受けたアンドレイが出し所に迷って奪われたシーンなどが象徴的。戦術とは、究極的に言ってしまえば無数にあるプレーの選択肢を1つにして共有してしまうこと。少なくとも方向が同じ選択ができなければ、いつまでもトップギアには入らない。そこのところの意識付け、擦り合わせには時間がかかる。そういえばあの大木監督の1年目も、前半戦はまったく噛み合わなかった。
 一足飛びに迫力ある攻撃を繰り出そうと思えば、個人技頼みが手っ取り早い。しかしそれをやってしまえば過去2年と同じ轍を踏むだけ。とはいえ、もう少し緩急を付けたり流れに変化を付けられる手駒を上手く使いたい。そういう意味でもエスクデロの怪我は痛い。

■早くも駒井ロス
 前節「受け身に回っている」と酷評した守備面は、かなり改善し、奪い取りに行く守備の意識は戻ってきた(前述の通り奪ってからがマズいのだが)。気になるのはプレスの強度にバラつきがあること。具体的に言えば、前線から追い込む有田の守備は素晴らしい。ただ、これに周囲が上手く連動せず、有田だけがやたらガムシャラなのだ。去年までは、これに宮吉や駒井が同じテンションで呼応していた。
 後半、長崎に押し込まれ気味になった81分、佐藤健太郎が猛然と前プレスを仕掛けた場面があった。単発プレスに終わったがそのあと山瀬が身体を投げ出すスライディングでボールを収める。おそらく彼らは「もっと積極的に行こうぜ!」というメッセージを送ったはずだが、全体がアグレッシブになることはなかった。ここでも駒井がいれば、と思わずにはいられない。多少空回り気味でも喰らい付く駒井の運動量は欠けたままだ。
 良い部分もある。今年は守備に規律がある。4バックから片方のSBがCB化して3バックに可変したり、上がったSBの留守の所へのスライドするボランチの動きもスムーズ。去年までのバキの強靱さ頼みとは少し違う。染谷が単純にスピード負けしたり、本多の調子が後半急変して左サイドを狙い撃ちにされたのは気になるが、守備のベースは整ってきたか。だからこそプレスの強度を揃え、連動性を高めたい。そしてボール奪取から返す刀でカウンターを繰り出したい。そこらへんも駒井がやってた仕事だ。誰でもよい、誰でもよいゆえ駒井ロスを吹き飛ばしておくれー。