2016明治安田生命J2リーグ第3節 岡山vs京都
ファジアーノ岡山△2-2△京都サンガF.C.
50'イヨンジェ
(↑こぼれ)
66'伊藤大介
(↑竹田忠嗣)
78'豊川雄太
(↑矢島慎也)
90'+2石櫃洋祐
(↑こぼれ←ダニエルロビーニョ)
[警告・退場]
・岡山
63'押谷祐樹(C2ラフプレー)
81'岩政大樹(C1反スポーツ的行為)
88'片山瑛一(C1反スポーツ的行為)
・京都
23'本多勇喜(C2ラフプレー)
68'イヨンジェ(C2ラフプレー)
81'菅沼駿哉(C1反スポーツ的行為)
81'菅沼駿哉(S2乱暴な行為)
86'エスクデロ競飛王(C2ラフプレー)
【全体の印象】
岡山の布陣に合わせ3-4-3で臨んだ京都。ところがマッチアップで常に後手を踏む形となり、前半から窒息状態。後半からは守備にも積極性が生まれ、右を上がった石櫃のクロスから先制点。流れを掴んだかに見えたが、2列目から飛び出した伊藤に裏を取られて失点。さらに中途半端に最終ラインを上げた裏を矢島豊川の五輪コンビに衝かれて逆転を喫したのち、菅沼退場で万事休す。…と思われたが、数的不利でも斬り込んだダニエルロビーニョのシュートのこぼれを詰めていた石櫃が蹴り込んで同点。敗戦必至から起死回生の勝ち点1を得た。
【雑感】
■悪循環
相手と同じ布陣にして鏡合わせのマッチアップを狙ったのだろうが、しっくりこない3バック→怖いので安全運転→下がり目で対応→受け身に回る→間延びして中盤手薄→岡山のプレーメーカー・矢島を自由にしてしまう…という悪循環に。間延び=近くに味方がいないという状態は、プレッシングサッカーを標榜するチームとしては致命的。たとえボールを保持できても、連携できる味方とは分断されており、岡山の素早いプレスの餌食になるだけだった。前線では3トップの有田・イヨンジェ・エスクデロが流動的にポジションを変えたが、逆に収めどころが無く、攻守ともに活力を失った。敵陣にボールを運べず、守備は受け身で何とも息苦しい前半だった。3バックの布陣での数少ない収穫としては、前目に置くと石櫃の攻撃面が生きる、という点くらいだっただろうか。
■理知的・力業
両者2ゴールを奪ったが、その内容は対称的。岡山の得点は2つとも京都が「掴まえきれなかった」もの。1つめは押し込まれて5バックになった状態で本多が中に絞りすぎており、その外側から遊撃兵・伊藤大介に走り込まれた。最終ラインに5人もいるのに、中に集中しすぎる余り外をおろそかにしたのは京都のエラーだが、中、中と叩いて、一旦下げて大外から走らせるという岡山の攻めは、意図的であり、理知的。組織で崩す攻撃のお手本のようだった。
2つ目は石櫃からの攻めが失敗に終わり、岡山が保持したボールを奪うでもなく、守備モードに切り替えるでもなく、中途半端なライン取りをしていたその裏に抜け出した豊川雄太に走り込まれたもの。これもよく見ていた矢島と、狙っていた豊川の連携を褒めるしかないが、スイッチが「守」に切り替わらない時点でのラインの高さ+GKの位置取りは果たしてあれで良かったのかどうか。この日染谷が終始不安定だったのもあるが、戦術面の未成熟ぶりを露呈しているように思えてならない。
京都も2つのゴールを奪ったが、組織的にボールを動かし、人を走らせて崩した岡山に比べれると、固めたところを力業で叩き壊したような得点。それはそれで個の能力の高さの証明なのかもしれないが、目指しているのはそんなサッカーだっけ?