何だろう、不思議発見!

ふだんよく耳にする言葉や使っている物、その謎を解明して見よう。たくさんの知らないことがありそうだ。

有酸素運動をして健康づくり

2015-11-26 | 科学

 スポーツの秋から寒い冬になろうとしています。ぜい肉を落とすには「有酸素運動」が良いと聞いたけど、どんな運動なの?

 ウオーキングやジョギング、サイクリング、水泳など、長い時間、身体を動かし続ける運動のことです。

「有酸素」とは、どういう意味ですか?

人が身体を動かす時には、体内の糖分や脂肪などをエネルギーに変えています。ゆっくりと時間をかけた運動は酸素を使います。それで「有酸素」と呼ぶのです。ただ、100m走など極めて短時間の運動では、酸素をほとんど使わないで体内にあるものでエネルギーを得ているのです。

有酸素運動はどのくらい続けると効果的なのですか?

運動開始後、15分前後は、主に血液中にある糖分が使われます。その後、ぜい肉の正体である脂肪が分解され始めます。スポーツ科学に詳しい東大の石井教授によると、脂肪を効率的に使うなら、運動時間は「20分以上」が一つの目安だといいます。

脂肪はどのくらい減るのですか?

個人差はありますが、ウオーキングだと体重60キログラムの人が、時速4キロメートルで1時間歩く場合には約120キロカロリーのエネルギーが必要です。その半分は糖分の分解で得られるので、残り半分が脂肪の消費分になります。重さにすると、脂肪約9グラムです。1ヶ月続ければ、脂肪270グラムが落ちます。歩く速さが1.5倍の時速6キロになると、消費する脂肪も1.5倍になります。

その分、食べたらどうなるのですか?

これは食生活を変えない場合の計算です。秋はご飯もおいしいけど、食べ過ぎたら効果は十分に出ません。急に運動して、怪我をしても逆効果です。無理は禁物です。

 

                                                                 参考文献:読売新聞

 

 


冬眠するのはどうして?

2015-11-16 | 動物

冬眠する動物たち

 冬に入ると、どうして冬眠する動物がいるんですか?

寒くなると、体温を維持するのにより多くのエネルギーが必要となり、おなかも早く減ります。しかし、冬はエサ探しが大変です。そこで、巣穴などにこもって眠り、エネルギーを節約します。体温を一定に保つ哺乳類だけでも、クマなど約200種類が冬眠するとされます。

 動物の体には、どんな変化が起きるのですか?

シマリスの場合、冬に気温が下がると、脳内に「冬眠ホルモン」と呼ばれるたんぱく質が増えます。このホルモンが出来ないようにすると、冬眠しなくなります。リスの仲間でも、冬眠しない種類がいます。

 気温に合わせて体温が上下する変温動物はどうですか?

ヘビなどの爬虫類やカエルなどの両生類は、気温の低下とともに体温が下がり、体内で生命活動に必要な化学反応が起きにくくなるのです。そこで、温度が安定した地中などにもぐり「仮死状態」で春を待つのです。

 普段の眠りとの違いはどうですか?

クマの研究では、心臓の動く回数が普段の毎分55回から9回に減り、体温も5度ほど低くなったという報告があります。ずっと眠っているわけではなく、毎日1時間位は目を覚ましています。メスは冬眠中でも、こうした時間に出産や授乳もします。

 人間も冬眠できるのですか?

人にはシマリスのような冬眠ホルモンはないようです。でも、米航空宇宙局(NASA)は、人類が将来、火星に行く時に備えて、半年ほどの人工冬眠を可能にする研究を進めています。脳出血などを起こした人の体温を下げて、症状の悪化を食い止める「低音療法」の応用などが鍵になりそうです。

 

                                                                              参考文献:読売新聞


大型加速器というのは何ですか?

2015-11-10 | 宇宙

ヒッグス粒子

 ノーベル物理学賞で「ヒッグス粒子」という言葉が出ていました、どうやって見つけたのですか?

ヒッグス粒子というのは、物に質量(重さ)を与えた粒子です。138億年前に宇宙が生まれた直後に現れました。欧州にある巨大な実験装置が、そのごく初期の宇宙を再現してこの粒子を見つけたのです。

 すごいですね、何と言う装置なんですか?

スイスとフランスの田園地帯にある円形の大型加速器「LHC」という装置です。地下100mに掘られた1周が27キロメートルもあるドーナツ形のトンネルの中にあります。東京都心を回るJR山手線の約8割の長さです。日本アイソトープ協会によると、日本には大小1500以上の加速器がありますが、LHCは世界最大です。

 どうやって再現するのですか?

LHCは、「陽子」という小さな粒に強い電圧をかけて、光の速さ近くまで加速して、互いに逆方向に走らせます。そして、最後に正面衝突させるのです。陽子は、原子の中心にある「原子核」を形作っている粒です。小さいけど光速でぶつかった時の衝撃はすごいものです。宇宙のごく初期の高エネルギー状態が生まれるのです。

 それにしても大きいですね。

陽子を光速近くまで加速するには、円の形を大きくする必要があるのです。例えば、猛スピードの車は急カーブは曲がり切れずにガードレールにぶつかってしまいます。円が大きいほどカーブが緩くなるから、光速近くを保てるのです。

 これからも新しい成果が生まれますかね?

世界の科学者は、新しい直線型の加速器を作ろうとしています。宇宙を満たす謎の「暗黒物質」を調べる計画だそうです。今後の成果を期待しましょう。

 

                                                                   参考文献:読売新聞


世界結晶年という世界

2015-10-27 | 科学

マックス・フォン・ラウエ氏

 「世界結晶年」の年があるそうですね。2014年がそうでしたが、これは何ですか?

物質の結晶の構造を調べるには、「エックス線回析」という現象を利用するのですが、この現象を発見したのがマックス・フォン・ラウエ氏というドイツ人です。1914年にノーベル物理学賞を受賞しました。それから100年たつのを記念して、国連が「結晶年」と定めたのです。

X線回析とはどういうものですか?

身の回りの物質はすべて多数の原子から出来ています。固体の物質では、原子が規則正しく並んだ「結晶」が多いのです。X線を結晶に当てると、大半は通り抜けて行きますが、一部は原子に当たって進路が大きく曲げられます。これがX線回析という現象なのです。曲げられて結晶から出て来たX線を分析すると、原子がどんな並び方をしているのかが分かるのです。

どんな物質を調べるのですか?

世界初の抗生物質であるペニシリンの構造も、DNAの二重らせん構造も、X線回析を基に突き止められました。最近では産業への応用が盛んになっています。理化学研究所と民間会社が兵庫県佐用町にある「SPring-8」(スプリング8)という装置を使って頭髪の細胞を調べて髪のつやを保つシャンプーを作ったり、虫歯の表面を分析して虫歯予防のガムを開発したりしています。

X線というのは病院のレントゲン検査でも使いますね。

そうです、レントゲン検査では照射装置から出たX線が、身体を通り抜けて反対側へ出て来るのを検知します。肺炎を起こした場所や骨などは、X線を通しにくいので周囲の臓器や組織と区別できるのです。ミクロの世界を調べる回析とは別の仕組みを使っているのです。

 

                                                             参考文献:読売新聞

 

 

 

 

 

 


原始重力波とは何だろう

2015-10-08 | 宇宙

日本科学未来館サイトより

宇宙が急膨張した証拠を見つけたと思ったら、実は間違いでしたというニュースがありました。

宇宙は138億年前に誕生した時に、目に見えない小さな点から急激に膨れ上がって火の玉状態(ビッグバン)になったと言われています。これを「インフレーション理論(急膨張理論)」といい、宇宙物理学者の佐藤勝彦・自然科学研究機構長たちが考えました。

どんな証拠があれば急膨張したといえるのですか?

原始重力波です。

それはどんなものなのですか?

重い星が激しく動くと空間がゆがみ、目に見えないうねりが宇宙を伝わります。これが「重力波」で、天才物理学者のアインシュタインが約100年前にその存在を予言しました。重力波は宇宙が急膨張した時も発生したと考えられていて、これを原始重力波と呼んでいるのです。

どうやって見つけるのですか?

直接は捉えることが難しく、原始重力波が宇宙に残した痕跡を探すのです。昨年3月に、米国の研究チームが「宇宙が誕生して38万年後の光から痕跡を見つけた」と発表し、「ノーベル賞級の発見だ」と話題になりました。でも、詳しく調べたら、宇宙を漂うチリを見誤ったということでした。

残念でしたね。

研究が進めば、本当に発見されるかも知れません。

 

                                                                参考文献:読売新聞