旧十一月十八日。二十四節気の【小寒(しょうかん)】です。今日をもって“寒の入り”。節分(2月3日)までのおよそひと月が一年で最も寒いとされる『寒』です。日本列島を挟むように強烈な低気圧が二つ東へ進んでいます。東京は一日中冷たい雨。この低気圧が明日には一つになって三陸沖で台風並みに発達するそうです。暖冬といわれていた今季も、このときばかりは厳しい寒さに見舞われそうですね。暖かくして乗り切りましょう。
明日1月7日は七草です。五節句の一つ【人日(じんじつ)】で行われる伝統的な行事です。詳しくはこのブログで昨年書いた「春はまだかな“寒の入り”小寒です」「七草粥です」「七草粥の追記(北国では)」あたりをぜひご覧下さい。
で、今年も買ってきました、七草粥セット。
お正月の三が日が過ぎるとスーパーマーケットや青果店に並び始めますが、200円くらいから400円くらいまで、ずいぶん値段に幅がありますね。『芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・蘩蔞(はこべら)・仏の座・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)』。この七つが春の七草の代表的なものですが、必ずしも全てが揃わなくてもいいそうで、大切なことは無病息災を願って粥を食べる風習を忘れないようにする、ということなのでしょう。というのも五節句はもともと旧暦の行事です。今年の場合、旧暦での七草は2月24日。梅もほころび日差しも柔らかくなる頃です。野原や畦道には七草が自然に芽吹く頃でしょうね。
地域によってかもしれませんが、七草粥を作るときに“七草囃子”を唄う風習がありました。それは、人日の前の日六日の夕方に七草を摘んできて、歳の神を祀った神棚にお供えします。そして深夜から七日の未明にかけて、その七草を刻むときに包丁でリズムをとりながら唄うのが“七草囃子”で、メロディはなく、歌詞はこうです。
「七草ナズナ、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先に、~セリこらたたきのタラたたき(あるいは)~トントンぱたりトンぱたり・・・(など)」
ここで歌われる「唐土の鳥」は日本に疫病をもたらす象徴。それを追い払おうという想いが込められているのですね。昔では疫病や流感、今で言えばインフルエンザのことなのでしょう。
昔の人の知恵を思い出しながら、今夜は七草囃子を口ずさんで見てはいかがでしょうか。くれぐれもご近所迷惑にならないよう、鳴り物は控えめに。