"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

七草粥の追記(北国では)

2006年01月13日 15時27分29秒 | インポート

 旧十二月十四日。寒の真っ只中。まだまだ寒い日続く日本列島です。明日は十五夜ですが、久しぶりに暖かい空気に包まれ、雨模様になるところが多いようですね。
 さて、前回、前々回は『七草粥』のご紹介をしました。「雪に覆われて七草が芽生えていない寒いところでは、どんな七草粥を食べていたのでしょうか」と疑問が沸いてきたのですが、こんな記述が本にありましたので、参考までにご紹介します。場所は岩手県中部、盛岡の少し南に位置する紫波町周辺の模様です。

正月七日に食べる七草がゆは、この地方ではかゆの中に七草を入れるのではなく、白米でつくった白いかゆと、別に数種類の野菜を入れた醤油汁をつくって、お歳神さまに供えてたべる。野菜は、にんじん、ごぼう、干し大根、いもがら(里芋の茎)、それにせりと高菜を入れる。せりや高菜は雪の下で凍っているものを掘って使う。冬に野菜を食べると、心なしか精がつくように思われるものである。「日本の食生活全書3『聞書 岩手の食事』」(農文協刊)

 この本は12/22にアップした「ひときわ寒い“冬至”ですね」でも引用させていただきました。1980年頃に土地土地に暮らす明治・大正時代生まれの方から取材してまとめられています。今となっては貴重になりつつある、郷土食に関する知恵がぎっしり詰まっています。全国各都道府県版がありますので、ご自分の出身地や、お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんが暮らしていた土地を調べてみると興味深いと思います。自分の味覚のルーツが見えて来たりします。大きな本屋さんや図書館などにありますよ。