熊野本宮大社つづき。
旧社地大斎原(おおゆのはら)。
本宮大社を出ると、道路の向かいに大斎原への道があります。
本宮大社の大鳥居から、大斎原の大鳥居までは、
ゆーっくり歩いても10分かからない。
通りから田んぼ方面へ歩いていきます。
二又に分かれる道を左へ行くと、末社の産田社(御祭神:伊邪那美命の荒魂)です。
大斎原の後でお邪魔しようと考えていたのに、
すっっかり忘れてしまい参拝できずに終わってしまいました。(泣)
道の先に大斎原の大鳥居。圧巻です。
なだらかな山の稜線を背にして立つ大鳥居の姿を目にした瞬間、
とてつもない清浄感と解放感に包まれました。
あの場所は凄い。と素直に感じました。
撮った画像を確認していたとき、
この写真↑だけ、画面を斜めに横切る赤っぽいラインが入っているのに気付く。
レンズのいたずらだろうけど、どーいう現象なのかしら。
まだ桜が残る光景を眺めながら、
田んぼの中の一本道をのんびり歩きます。
大斎原で検索すると、この大鳥居の画像がよく出てきますよね。
大斎原とは、熊野川・音無川・岩田川の合流点にある中洲のことで、
明治まではここに本宮大社が鎮座していました。
本宮大社の現在の社殿は1802年にこの地に建立されましたが、
明治22年の大水害によって社殿の多くが流出したため、
水害を免れた上四社(3棟)を、現在の場所へ遷座・修造しました。
旧境内は約1万1千坪もあり、現在の数倍の規模を誇る神社だったそうです。
“川沿いの神社”で思い出すのは、
昨年参拝した長良川沿いの洲原神社かなー。
旧本宮大社もきっとあんな感じだったんだよね。
江戸期まで、町から中洲への橋は架けられておらず、
参詣者はみな川を歩いて渡ったとのこと。
川を渡ることで、自然と禊をするかたちになったわけです。
大鳥居に八咫烏さん。
鳥居の高さ約34メートル、幅約42メートル。
でかいですー。(*゚ロ゚)
あー、長居したいーーー(>∀<)
めちゃくちゃ好きだわここ。
桜は終わってしまったけど、
かわりに鮮やかな鯉のぼりが鳥居を彩っています。
鯉のぼりも結構大きいんだけどね、鳥居がデカすぎて小さく見えるのよ。
青空にはためく鯉たち。
空も山も風も、ここに有るすべてのものが心身を癒してくれる。
この言葉は使いたくないけど、いわゆる“パワスポ”ですねー。
霊感とか関係なく、
誰もが心地よくなれる素敵な場所だと思います。
住めるものなら住んでしまいたい所が、
またひとつ増えました。
なんか丸いのがある。
魂(タマ)と刻まれた丸い玉でした。
なんだか、頭に注連縄を巻いた顔に見えてきて、可愛くって仕方がない。
あんまり居心地がいいもんだから、大鳥居付近でゆっくりし過ぎましたが、
目指す旧社地は、この参道の先です。
参道を振り返ったところ。
木々を抜けると広場のような場所に出ました。
かつて、本宮大社の社殿があった場所です。
(なお、ここ大斎原も原則撮影禁止につき、
先に社務所で撮影許可を得る必要があります。)
旧社地に建てられた石祠ふたつ。
(左)水害で流失した中四社・下四社をまつる石祠
●中四社
(第五殿:忍穂耳命/第六殿:瓊々杵命/
第七殿:彦穂々出命/第八殿:鸕鶿草葺不合命)
●下四社
(第九殿:軻遇突智命/第十殿:埴山姫命/
第十一殿:弥都波能売命/第十二殿:稚産霊命)
(右)かつての境内摂末社をまつる石祠
●八咫烏神社、音無天神社、高倉下神社、海神社など
のどかな公園のような場所。
130年ほど前までは、ここに社殿があったんだなあ。
お社は別の場所に移ったけれど、
神さんたちはまだここに居らっしゃるような気がします。
大きく流れる空気と光が、この場所でゆらゆら踊ってるような感じで、
境内全体をやさしく包んでいる。
それは地面にも木にも空にも留まらず、ふんわり空間に浮いてて、
人が来るたびにほわほわーっと寄ってくる感じ。
こういう感覚は珍しい。
もっと境内で遊んでいたかったのだけれど、
バスの時間も迫ってきたので、帰る前に河原へ。
境内のそばを流れる新宮川。
ここも、清らかな風が吹く素敵な場所です。
川側から境内を振り返ったところ。
2~3時間ここでのんびりしていたいな。
はー。いいわあ。
ほんとに名残惜しいけど、そろそろ時間。
帰りたくないよー
またいつか来るからねと、手水の玉ちゃん(勝手に命名)に告げ、
大斎原をあとにしました。
熊野を訪れる予定のある方、
那智の飛瀧神社と、この大斎原にもぜひ足を延ばしてみてくださいね。
右手の建物のところにバス停があります。
15:20発のバスに乗車。
本宮大社と大斎原、あわせて1時間40分の滞在時間は、
自分的にはあっという間のひとときでした。
帰りも最後部に座る。
というか、日帰り参拝でバスに乗る時は、必ずと言っていいほど最後部座席。
背後の窓ガラスから外を眺めながら、去っていく風景を目に焼きつけました。
大斎原、ほんとに心地よい場所だった。
癒しや心身の浄化には最適な場所ではないかと。
あと新しい出会いやスタートを求める時にも、
いいかもしんないですよ。
この日、熊野を訪れた直後から、縁が縁を呼ぶといった感じで
さまざまな出会いや良い流れに遭遇する機会が急増し、
まさにこの参詣を起点として新しい世界が広がったので・・。
ま、たまたまですけどね。ええ。(笑)
では、ラストは新宮市の阿須賀神社へ。
つづく・・。