くららエクストラ

~140文字でつぶやききれなかったことプラスアルファ~

【バブルとゆとりのはざまで・9】最終選考で絶叫

2017-02-23 12:38:04 | バブルとゆとりのはざまで
内容や結果はどうあれ、きちんと答えられたことに満足したグループ面接。
その数週間後に、最終選考が行われました。

会場はやっぱり、家から遠い都心でした。
交通費をかけている分、結果を出さねば!と、意味不明なプレッシャーを感じたものでした。

面接の前に健康診断が行われるというので、
そこまでやるってことは採用されるんだよね!?と浮つく中、指定の病院に到着。

身長・体重・レントゲン・問診など、内容は学校などでやるのとほぼ一緒でした。
そしてラストが、私が当時最も苦手なことの一つだった「採血」。

今でも苦手だけど、当時は本当に、何が何でもどうしてもダメでした。
身体に針を刺し、血を抜き取る。その間、体内に針があるなんて…。
この文章を打つ今ですら、力が抜けそうです。

逃げるわけにも行かず、かといって堂々と腕を差し出すこともできず、
苦肉の策として、苦手であることをものすごく下手に出て正直にカミングアウトし、
横になって採血してもらえれば助かると提案。

しかし、看護師のおばちゃんは「そんな弱気になってどうするの!!」と一喝。
通常どおり、座って採血は行われたのですが、血管がうまく見つからず手こずるおばちゃん。

片方の腕で3回くらい失敗され、もう片方でも2回目くらいにようやく血が採れたという有様。
「あれ?あれ?」というおばちゃんの言葉に、募る不安。
精神的に気持ち悪いし、腕は痛いしで、まさに拷問でした。

何時間にも感じられた採血がようやく終わり、立ち上がった瞬間、
目の前が真っ白になり砂嵐が到来。

そんな中、必死に発した一言が
「だから(採血が苦手だって)言ったじゃないですかぁぁぁぁぁ!!!」

気づいたら膝から崩れ落ち、両脇を看護師さんに抱えられていました。
申し訳ないという思いと、やっちまった…という思い。
そして、倒れる時って本当に砂嵐みたいなのが見えるんだ…という密かな驚き。

お昼を挟み、重役との面接でした。
3~4人の学生が招集されたものの、私以外の全員が体育会系の部活出身。
何かの大会で入賞したとか、世界大会に出たとか、そんな別世界のアピールがなされていました。

なんで私、こんな所に呼ばれたんだろう…。
それでも、呼ばれるくらいだから見込みはあるんだろうと謎のプラス思考に切り替え、
平常心を装って面接に挑みました。
面接時の質問が、無難すぎて不安だった記憶があります。

そして、合否の結果到着の日。
いつもは午前中に来る速達が、今回は午後でした。

バイトの休憩を抜け出して確認しに行ったものの、結果は不採用。
ショックだったけど、それ以上に、また就活しなきゃいけないことが憂鬱でなりませんでした。
季節はもう、大学4年の夏でした。

勝手に敗因を分析し、
きっと、もともと体育会系を採用するつもりだったんだろうということと、
採血で絶叫して倒れたのがいけなかったのだろうという結論に至りました。

<余談>
この病院がどこにあるか、ずっと思い出せないままでした。
こんなに強烈な経験だったのに、場所がどうしても思い出せず、
気づけば10年くらい経っていました。
しかし先日、外出先を歩いていたら、偶然発見しました。
ああここなんだー!!と分かってほっとしたけど、そもそもどこだか全く覚えていなかったので、
感動も何もありませんでした。

つづく。










【バブルとゆとりのはざまで・8】オチ要員の面接と悟り

2017-02-22 08:18:31 | バブルとゆとりのはざまで
「どうせ落ちるだろう」から、「採用されなければ」な面接に挑んだその日。
まさに「負けられない戦いがここにある」でした。

広い会場には、いくつものテーブルとイスが並べられ、
そこでグループ面接が行われていました。初めて挑む、グループ面接。

5~6人の学生がずらっと横に並び、少し先で向かい合う、2~3名の面接官。
番号順に座ったら、私ははじっこでした。
横にいる人たちは、味方でもあるし敵でもある、不思議な存在でした。

どいつもこいつも、髪は不自然に黒く、スーツを着ているというよりは着られているかのよう。
女子学生は、斜めに流した前髪ばかりで、ロングヘアの人は後ろでひとつに結んでいたけど、
普段みんな、こんな髪形なんて絶対しないよなーと余計なことばかり考えていました。

自己紹介や志望動機の発表など、無難な質問が何問か続くものの、
座る位置のせいで、いつも答えるのは私が最後。

面接官も、みんなおんなじことばっかり言ってるよーとか思っているんだろうなー。
私の番まで聞くのだるいだろうなー。
なんて、緊張の合間にふと考えていたら、この場を楽しんでやろうという気持ちにだんだんとなってきたのでした。

どんなに頑張ったって、ダメな時はダメ。
頑張らなくても頑張っても、OKな時はOK。
縁があるならきっとうまくいくし、そうじゃなければそれまで。
じゃあいいじゃん!!!
必要以上に良く見せようとして、言いたいことが言えなかったらもったいないじゃん!!!

何かが吹っ切れました。

そして最後の質問。
「今まで、頑張ってもだめだったことや、うまくいかなかったことはありますか?」

みんな、揃いも揃って、「あっても諦めずに頑張りますっ!」
と、ちゃんと聞いていなかったから覚えていないけど、そんなようなことを答えていました。

ってことは、最後は違うこと言わないとまずいよね…!?
そんな、求められてもいないのに、変な使命感のようなものが湧いてきて私の番。

私「頑張ってもだめだったことはあります。」

面接官「そんな時はどうしましたか?」

私「頑張れない時はどうしても頑張れないので、頑張れる時が来たらまた頑張ります(心の声:なんか早口言葉みたい…)。」

面接官「実際にそういうことがあったのですか?」

私「(心の声:そこまで聞いてくるかー)はい。ありました。」

この質問、実はまさにタイムリーなのでした。

ちょうどこの面接の前くらいに、当時付き合っていた彼氏と別れ、
悲しみや怒り、やるせなさなどに押しつぶされそうな、涙涙の日々を過ごしていました。
おかげで、履歴書の写真は、泣きすぎて目が腫れて別人のようでした。

どんなに努力をしても、気持ちが離れた人に対しては響かないし、かえってむなしいだけ。
そもそも、何をどう努力すればいいのやら。
分かってはいても、悪あがきをしては打ちのめされていたのでした。

そんな状況と質問がリンクして、反射的に「オチ」を担当することができました。
きっと、就活をしっかりやっている人にとっては何でもない当然のことなのだろうけど、
初めて自信を持って答えることができたのでした。

そしてその直後、
「恋愛と就活って似てるじゃん!!!
いくらこっちが好きでも、相手がNOと言えばそれまでだし、逆もしかりじゃん!!!」
と、勝手に悟って会場を後にしました。

内容はどうあれ、きちんとオチを務め、悟りも開くことができた!?面接。
数日後の午前中、やっぱり寝ていたらドアポストに何かが投函され、開封したら最終面接の招集でした。

つづく。

【バブルとゆとりのはざまで・7】一日一善

2017-02-18 13:10:05 | twitterの続き
「余暇が多い」「身近」ということで、
自分の所属する大学の職員になることを決めた、大学4年の春。

ある日のお昼前、一人暮らしのアパートで寝ていたら、
ドアのポストに何かが投函されました。

急いで開けてみたら、大学からの速達で、一次面接の招集がかかりました。
まさに赤紙。

数日後、紺色ではなくグレーの夏物スーツを着て、
普段の通学じゃ絶対に使わないような黒いカバンとパンプスで出かけました。
通勤時間帯だったので、将来はこうなるのか…と思うも気にしないふり。

指定の時間よりも早く着いてしまい、近くのカフェで時間をつぶすことに。
自分のバイト先と同じカフェに入り、志望動機や自己PRを復習し、
お店を出ようとしたら店員さんが困っていました。

どうやら、調理器具がうまく使えないもよう。
他の店員さんは接客中で気づいていなかったので、自分も同じチェーン店で働いているのをいいことに、
カウンター越しにこっそりお伝えしました。

おせっかいかもしれないけど、勝手に小さな親切。
よかったー!という気持ちになり、面接にも快く臨めるというもの。

会場は、普段の学び舎ではなく、初めて訪れる場所。
大きなホールに足を踏み入れると、数えきれないほどの学生がうじゃうじゃ。
朝の満員電車の何両分???

この中のほとんどが落とされちゃうんだ…と圧倒され、
さっきの店員さんのお礼の笑顔もどこへやら。
みんなライバルなんだな…と痛感したのでした。


【バブルとゆとりのはざまで・6】ついにターゲットをしぼる

2017-02-17 20:49:13 | バブルとゆとりのはざまで
こんなんじゃ内定なんて取れないよねーと、自分でもうすうす気づいていた当時。

「やりたいこと」ではなく、「これならできそう」という業界や会社を見つけてみようと、
授業中にふと思いつきました。
すでに、大学4年生の4月頃でした。

当時は仕事についての知識は全くなく、かつ、知ろうという気持ちもなく、
営業は大変そうだから嫌。
販売は休みが不規則だから嫌。
それくらいのことしか知らなかったので、必然的に事務職を志望していました。

自分なりに「これならできそう」の優先順位をつけたところ、
第一位は「余暇が多い」でした。

となると大学だ!!
春夏冬と長期休暇があるし、帰れなくて追われるほどの残業もきっとないはず。
そして何より、ほぼカレンダー通りに休める!!
大学なら、自分も今いるから、志望動機もなんとなく書けそうだ!!

早速、ネットで大学職員の募集を見つけ、エントリー開始。

「大学生活がとても充実したものになったのは大学のおかげ。
だからこそ、学生たちが快適で充実した学生生活を送れる手助けをしたい」
というような志望動機でした。
我ながら説得力がある!と思ったものでした。

2~3校の採用試験を受けに行くも、自分の大学ではないので志望動機もあいまいで、
せいぜい一次面接どまり。
「この大学じゃなきゃいけない」という理由が弱かったので、当然と言えば当然なのですが。

それでも、調子に乗って、「やっと志望業界を絞れた!」と、
採用が決まりつつある面々に高らかに宣言する私…。

そんな中、ついに自分の大学の採用試験が行われ、
幸いにも書類選考は通過し一次面接へと招集されました。

やっと、私の就活がスタートした瞬間でした。





【バブルとゆとりのはざまで・5】疑問と覚悟と今になって思うこと

2017-02-15 22:36:48 | バブルとゆとりのはざまで
相変わらず内定の出なかった、大学4年生の頃。

志望業界も志望企業も定まらず、
「とりあえず有名で良さそう」
「福利厚生がしっかりしている」
「カレンダー通りに休める」
「残業が少ない」
「今の家から無理なく通勤できる」
そんな条件の会社を探し、エントリーしては落ち続ける日々でした。

自分なりに本気は出しているものの、そんなのでは伝わるわけもなく、
本当に就職できるのかしら!?とさすがに不安になったものでした。

反面、「どうせいい大学の人しか採らないんでしょ」と
自分のやる気のなさを他者のせいにしてみたり。

周りでは、内定を獲得する人も出始めて、焦りもあったりなかったり。
なんだかんだで、みんなちゃんとやってるんだなーと感心しました。
(そこで、「自分も頑張ろう!とは思わず、「なんでそんなに頑張れるんだろう?」
と思うところが私なのです…)。

当時は、カフェのアルバイトがおもしろくて仕方ありませんでした。
同世代の人たちや年上のフリーターや主婦の人たちなど、
いい人たちに囲まれ、笑いの絶えない職場でした。

こんなに楽しいのにお金までもらっていいなんて…と思っていたら、
別に就職しないで、ここでフルタイムで働いてもいいんじゃない!?と気づいたのです。

それでも、せっかくだから就職もしてみようと思い、活動は続けました。
でもなんか納得できない。

なんで就職するの?なんで働くの?
なんで新卒じゃなきゃいけないの?
なんでバイトじゃいけないの?
なんでみんなおんなじ格好して、髪を黒くして、ポジティブなリーダーにならなきゃいけないの?
顔の見えないエントリーシートで、私の何が分かるの?
コミュ力とか個性とか言われても、たかだか数十分の面接で分かるわけないでしょ…!??

怒りにも似た気持ちでいっぱいになり、ますます就活アレルギー炸裂なのでした
(今思うと、ほんと子供だよな…と我ながら恥ずかしくなります)。

そんなある日、バイト先の社員さんに質問しました。
「何のために働いているんですか?」と。

ひとりは、「生活のため」。
もうひとりは、「おいしいごはんを食べたいから」
でした。

ますます理解できず、働くのは楽しいかと続けて質問しました。

2人も悩み、「まあ仕事だからね。楽しいとかそういうものではないよ」
というようなことを話していました。

1日の3分の1以上を仕事して過ごすのに、そんなだなんて!!!
大人って大変だな。生きるのって辛いな。と思ったものでした。

ただ単に、仕事をすることや、そのための準備に抵抗があり、
新しいものを受け入れたくない気持ちもあったのかもしれません。

そして、それらや将来への覚悟もありませんでした。
さらに、物事や世界を知らなさすぎな上、「どうせ私なんて」と自己肯定感や自信もなかった。

そりゃあこんな人、採用したくないよねと今なら思います…。