Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
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政府の横暴

2006-07-03 17:23:30 | 日本
知人が新聞切抜きをスキャンしたものを送ってくれた。

6月30日の日経と7月1日の読売のものだ。両紙とも、日本外務省が英国政府に日本人記者を従軍させないよう要請していたことが明らかになったと報じている。

日本の報道機関からの取材を拒否している自衛隊の撤退活動を取材するには、同じ地域を管轄している英国軍の協力が必要になる。しかし、外務省は「退避勧告がでているイラクに日本人記者がはいるべきではない」と英国側に伝えて記者の活動を阻んでいるということだ。

やっぱりな。。。

先月25日のブログにこのいきさつは書いたが、僕が今回イラクのビザ発給を認められなかったのもこういう日本政府の対応の一環であったことが証明されたわけだ。日本のバグダッド大使館からは「イラク政府に対してそういう要請はしていない」との返答をもらっていたが、やはり疑っていたとおりだった。

ジャーナリストの活動を国ぐるみで制限する。。。これが民主主義国家といえるのだろうか?

こういうことがエスカレートして、戦時中のように国家の都合のいいことだけを報道させるという事態になることが怖い。

日本の報道機関は、こういった政府の横暴に対し断固として抗議すべきだと思う。











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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うちの会社でも (原田浩司)
2006-07-03 21:04:41
二度目の英国軍従軍を計画していましたが、やはり外務省の妨害で断念する羽目になりました。
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現在はビザは? (原田浩司)
2006-07-03 21:10:21
結局、イラク入りに成功されたようですが、ビザは取得できたのですか?
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ビザ (Kuni Takahashi)
2006-07-03 21:57:52
原田さん、この件に関しては私信で返信します。
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お上と報道機関 (bluesnow)
2006-07-03 22:05:54
前回にも書きましたけど、国際ジャーナリストである高橋さんが腹をくくらねばならないのでは。。「日本」にこだわっていたら何もできませんよ。「お上」にへこへこか、しょせんつぶされるだけです。日本の大手報道機関もまったくあてになりません。日本という社会の体質は、結局は戦前とそれほど変わっていないと思います。
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お上と報道機関 (Kuni Takahashi)
2006-07-03 22:34:41
そういう問題ではありません。日本国籍である以上日本政府と決別できるわけではないのです。仮に僕が米国の市民権をとったとしても、僕個人レベルではいいですが、問題の本質を正すことにはならないでしょう。
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仕事の価値 (bluesnow)
2006-07-03 22:54:32
”問題の本質を正すことにはならない”-それも含めて、腹をくくるしかないと恩いますけど。。でもこうなると、ほんとに事件に巻き込まれないようにしてくださいね。万が一があったりすると、バッシングの可能性大ですよ。高橋さんがアメリカの新聞社勤務だということへの嫉妬心も働いて、それもメディアが当事者なんですから、ああ、恐ろしい。。ほんとにくれぐれも気をつけて。。今回は、仕事はあきらめたほうがいいかも。。
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集中して、気を付けて。 (明子)
2006-07-04 06:34:27
報道においては、米国でも色々と政府に不利な報道に関しては圧力が掛かっていると聞いたことがあります。

今回2重の依頼があって責任重大だとお聞きした時、何かひっかかるものがあり、そこが不安で時機を見てはと思ったのが、正直なところです。

同じ志の方々に降り掛かったものも重く受け止めています。

今、すでにイラクにおられるので、そこで、自分が出来ることに、集中してくださることを願います。

一瞬の判断が左右します。

くれぐれもお気を付けて。



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静かに浸透 (**Kom)
2006-07-04 09:43:29
>国ぐるみでジャーナリストの活動を制限



これは凄いことですよね。しかも「そういう要請はしていない」と返答するのはかなり意識的な対応ですよね。



娘の持っている教科書にも「修身(明治頃から始まった道徳教育のようなもの)」に似ている教科書がありまして、静かに静かに浸透させていきたいのだろうな、と思えます。娘が持っている教科書に『義勇』という言葉が出てきます。『義勇軍』の義勇。



表現の自由、言論の自由、知る権利が私たちにはあると思うのだけれど。日本の対応はこの場合法律違反ではないんでしょうか。違うのかしら??
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日本のマスコミ (yana)
2006-07-04 10:41:52
日本のマスコミは、基本的に自分のところの社員を危険だと思われるところへは、派遣しません。契約して個人かプロダクションにいかせるか、取ってきたら採用するという個人同士の約束で行くかです。何かあっても自分の責任で行く、と一筆書かされるという話も聞きました。それが、報道でなく行くようなさして危なくない場所へも、です。自分たちの社員に何かあったら問題になるからです。

そんな日本のマスコミが、政府に抗議は出来ないと思います。残念ですが。
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日本のマスコミ (Kuni Takahshi)
2006-07-04 14:09:47
確かにyanaさんのいうことが現状なのだと思います。政府、民間を問わず、日本は事なかれ主義ですから、あってしかるべき権利の主張より、お上となあなあでうまくやっていければいいや、といったところでしょう。また、誰も責任をとりたがらないから、本人の意思に関わらず自分たちの社員を戦地におくることもできない。しかし、ここで各社が結束して断固抗議にでないとしたら、これはもう日本の報道機関が、政府の宣伝広報機関に成り下がってしまうという危険を大きくはらんでいると思います。

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