叔父がいよいよ危ないから葬儀に行く心づもりをしておきなさいと親戚から散々言われてから早1年。
東京在住の叔父なので何かあった東京へ行かなきゃならないんだけど、どうにも気が乗らない。だってほぼ行ったことない地方在住者なんだもん。
そしてその日がやってきた。
一緒に行くはずだった市内の叔母が行けなくなり、わたしも香典を送って行かずに済まそうと思ってたが、どうにも後ろ髪を引かれる。
叔父さんはうちの両親のときには何度もお見舞いに来てくれたりお葬式にも夫婦で来てくれたり。よく電話もくれたなぁ。
なんて思い出してたら最後のお見送りに行かなきゃって気持ちになってきた。
しかし東京。一人で行ったことのない大都会東京。
どうにも勇気が出ない。
いろいろ考えた3日間。意を決して職場に有給休暇届けを出した。飛行機も予約した。
でも、葬儀場を聞いてないのでホテルも取れない。市内の叔母の旦那さんに聞いても聞いてないという。
これは本人の家に電話して家族に直接聞くしかないと決心する。
わたし「もしもし〇〇市の〇〇ですけど…」
相手「……」反応が薄い。薄すぎる。
わたし「わかりますか?」
相手「〇〇市の方の親戚はよくわからない」
??こんな反応予想してませんでした。
我が家ってこんな影の薄い親戚だったの?
叔父さんは何も話してなかったのかなぁ?
わたしあなたのいとこなのよ?
遠くに住んでて会ったことはなかったかもしれないけど、話くらい聞いたことなかったのかなぁ。
思いがけない反応で呆れるやら情けないやら。
気を取り直して聞くと、葬式は町内でやることになったので誰も呼ばないことになって、親戚すらも呼ばないことになったらしい。
他の親戚には伝えたらしいがこちらにまでは届かない。
結局、あんなに行け行け言われてたのに向こうにしたら「誰?」ってことになってたかもしれない。
行かなきゃ駄目だよって力説してた叔母さん。そこまでわたしは必要とされてない。
ちょっと気が楽になった。
飛行機に乗る前にわかってよかったよ。有給休暇届けは取り消した。飛行機もキャンセルした。全額は戻らないけれど。
今夜はお通夜だ。家でお線香を上げて祈ろう。お酒でも買って帰るかな?