システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

2010.8.20 (学習支援,Webサービス展開という)次世代OPAC関係のとある研究会

2010-08-20 23:08:31 | 次世代OPAC
次世代OPACとは銘打っていましたが、図書館システム上で新しいサービスを展開するための課題などを意見交換する場でした。

クローズドな場所のようでしたが、縁あってお誘いいただき参加することができました。ごく簡単にメモしておきます。

○内容
・書評を活用した授業支援(など)の報告
・OSSを使った次世代OPACの事例報告
・意見交換

○参加者
17名(約6社、約5大学)

○趣旨
・一つ目の報告の元になった事業と成果について、システムベンダーさんへの報告と意見交換

○個人的な要点(意見交換の中で重要と思ったことも含む)
・書評(ユーザコメント)を使ったサービスが実験的システムと言いながら、実際に活用されていることに驚いた。
 授業支援、学習支援、書評も活用した検索サポート。
 学習支援に図書館システムが活用される事例

・Webの世界で標準的な技術/やり方を、図書館員が/ベンダーさんが学ぶ方法は何か。

・◆今回の事業、研究会を次にどうつなげるか。今回の「共通仕様」「学習支援のための図書館システム」などについて、小規模でも勉強会を続けていきたいとの提案。
(2010年度中は自らが事務局をすると仰るところあり)

 #私も会場提供などで協力できることはありそう。
 #1年前に仕様の共通化とか言っていて、その後の評価もしていないが、
 #こんな風に、数社のベンダーさんが集まって意見交換する場ができるとは。

・データ連携などの仕様の「共通化」ができれば、新しいサービスも生み出しやすくなるのではないか。

・図書館員も(ベンダーさんに期待をするだけでなく)要求を言語化/提案することも必要ではないか。

・ラーニングコモンズなど、図書館業界でも学習支援が主要なトピックになっているが、それと関連して広がることも期待できると感じた。
 図書館員も実例を見ないとなかなか理解/納得できないこともあるので、今回の一つ目の報告も他の場面でも大きくされることを期待します。

・NACSIS-CAT もカード目録をオンライン化したという域を出ていないのではないか。 <8.22.追記>

-----印象に残ったこと(システム関連以外)------
○平置き書架は効果が高い。
・立ち読みする利用者が多い。すると他の利用者も気になる様子。
 (行列が行列を呼ぶ効果??)

・見学中に実際の担当者の方も説明いただいた。
 "共同図書"の数も多くないので、"選択"や回転の苦労もあるが、例えば表紙の色という切り口で並べても、ユーザの目を引いて、借りてもらえることもある。
 朝に置いた本がその後、書架から消えていたら"やった!"と思うとのこと。素敵。

○"学習科学の知見から"とこんな話もありましたが、システム開発/サービス展開/職場 でも当てはまると感じました。

 状況的認知 (situated cognition)
 (周辺環境や他者との協調して、知識の構成や再吟味)
  +
 分散認知 (distributed cognition)
(知識は自分だけでなく、周辺の環境や他者に分かち持たれている)
  ↓
 協調学習 (Collaborative Learning)
(コミュニケーションを取りながら協調的に行う学習方法)

・協調学習のキーワード
 "外化" (externalization) →書評の投稿
 "共有" (sharing) →書評の読み合い
 "再吟味" (reflection) →自分の読解と他者のそれとの比較、再吟味

○某社でインターンシップ中の会場校学生の発言
 "*** も使っていない、学生自身も図書館へのニーズを考えていない。
 図書館にも伝えていない。
 私たちができることを考えて、求めていくこともと切実に思いました" と。

 "ユーザのニーズの把握"も意見交換のキーワードの一つだったのですが、それを受けての発言でした。ぜひ友人同士で協力して、どんなものでもいいので要望を出してほしいと思いました。
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