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日高川町と桃山学院大が包括提携へ 〈2017年9月15日〉

2017年09月15日 08時30分00秒 | 記事

玉置さん(右)のハウスでミニトマト栽培を学ぶ
桃山学院大の学生


 昨年から日高川町と連携し、同町内で学外研修を実施している桃山学院大学=大阪府和泉市=の学生14人が、15日まで5日間の日程で民泊などで滞在し、町内の農家を視察するなどして地域農業を中心に学んでいる。大学側は日高川町との包括提携を結びたい意向で、同行した大学側の職員は「社会経験が出来る貴重な体験。いまは年に1度の研修だが、包括提携を結んで年に複数回、町を訪れ、繁忙期に学生が作業を手伝えるような関係が築ければ」と期待を寄せた。

 日高川町と友好都市の大阪府泉大津市は、桃山学院大と包括連携を提携しており、同市の橋渡しで日高川町との連携がスタート。同大学では、農林業などの産業をはじめ、現場を知らない学生たちが知識を深めるための学外学習に積極的に取り組んでおり、昨年9月、第1弾の学外研修として学生12人が滞在し、農業体験や企業見学、学童クラブで保育にも参加し、地域を知る学習を行った。
 昨年の学外研修に合わせて、大学では初めてとなる企業の森にも参画し、同町愛川地内の「桃山学院大学の森」で活動を始めたほか、大学の学園祭で町の特産品を販売。温州ミカンや柿などの果物を中心に販売したところ、研修に参加した学生が積極的にPRするなどして連携を深めている。
 昨年に続いて2度目の学外研修となった今回は、「農業と食について学ぶ」をテーマに、11日から15日までの日程で学生14人が来町し、4件の農家で民泊を体験。13日には、美山特産の「ごんちゃん漬け」の材料となるゴンパチ(イタドリ)の増産に取り組む農地でほ場整備を手伝ったあと、川辺、中津、美山3地区の農家を訪ね、地域ごとの農業形態の違いを感じながらそれぞれの現場で栽培方法などの知識を深めた。
 川辺地区では、中津川地内でミニトマトを栽培する玉置孝治さん(67)のハウスを訪問。長男・貴之さん(45)と親子で栽培する施設の説明を受け、学生らは「水はどこから引いているのか」「収穫時期はどれくらい続くのか」「種から育てているのか」「繁忙期は何人ぐらいが働いているのか」など、栽培から出荷までの工程について質問し、玉置さんが「夏は施設内の温度が非常に高くなって大変」「繁忙期は7人で収穫している」などと話すと、学生らが熱心にメモを取る姿が見られた。
 同大学の教育プログラムの開発に携わる教育支援課の高良要多さんは「昨年からの活動を通じて、町の皆さんとの信頼関係が深まっているのを感じる。このような学外研修の場を与えて頂けてうれしく、学生にとって真の社会活動が経験できる貴重な機会なっている。継続することが大切で、近いうちに町と包括提携し、年間に1度とかではなく、何度も町を訪れ、農産物の繁忙期に学生たちが支援できるような関係が築ければうれしい」と話した。
 14日には、佐井地内で稲刈りとナルかけ作業を体験したあと、午後からイタドリ栽培農家らと、15日には関係者と懇談会で意見交換した。


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