AWA@TELL まいにち

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むずかしい。

2017年10月17日 | 日本語教育
留学生に日本語を教える、ということ、

ゼロでやってきた留学生が、日本語だけで最低限の生活が営めるようになるには、

経験的に、400時間前後の集中講習は最低限必要だと思っていて、

アルバイトの必要がないような、国費奨学金をもらっているような留学生であれば、

日本語の勉強に集中させたいもの。





なかなかうまくいかない。



日本に留学してきたのは、日本語の勉強をするためじゃないもんなあ。

専門の研究がしたいのに、日本語の授業ばっかりだと、いやになるよなあ。


と思いつつも、

学期が始まったら、日本語のケアなんて週に2時間程度。

とても、日本語で最低限の日本での生活が出来るとはならないわけで、ここが難しい。



大学も、日本語教員を十分に確保できているとか、日本語教育の時間を十分に確保できているわけじゃないから、

今も、大学院生と学部生の「有志」と私とで日本語の授業を回しています。



「勉強したい」と思ったときに対応できる環境なら、必要性を感じたときに授業をすればいいんだけど、

うちの大学はそんなに日本語教育に潤沢な資金も人材もあるわけではないので、

限られたレベルのクラスしかなくて、一人のためにレベルが設置できるような状況ではないから、

できるだけ、今のような、授業が動いていない時期に支えたいのです。



といいつつ、2週間ちょっとの集中講習も、今週で終わり。

55時間分の授業を計画していたんだけど、なんやかやで35時間程度。

25回分の授業。週2回の初級だと考えれば、12回ちょっと、普段進めている半年分の授業時間にはなるのね。



今回の集中講習もどきの授業の反省点

担当する教員側の問題、つまり、専任教員が一人、非常勤の先生方はゼロ、院生2名、実習経験のない学部生3名がやったという問題。指導案は確認して、学部生は常に院生か、上田かが一緒に授業にいるというスタイルにして、レベルの維持に努めました。


専門分野の指導教員の方は、理解してくださって、非常にやりやすかったです。いつもはここがネックになるので、今回ほどやりやすかった集中講習はありません。


学習者の問題、来日した複数の学生の中で、この講習に参加したのは1名でした。ですから、他の留学生は専門の勉強をスタートしているようで、そのため、非常に不安に思っていたことは否めません。また、半年近くあるコースであれば、文字学習などももっと落ち着いて進められたのですが、そうもいかず、私が進度表で無理をしたために、負担も大きかったと思います。


事務側の問題、常に教員も学生もサポートしてくださるのでありがたいのです。今回、私自身がしくじったと思ったのは、集中講習の日程の最終的な確認を事務とするのを忘れていて、来日後、時間があったにもかかわらず集中講習を開始してから役所回りなどがあって授業時間が丸一日削られてしまったことです。

文字学習を連休前に終える、という予定がだめになり、文字学習は、結果として大きな影響を受けました。私の立案ミスです。


あと3日を残して以上のような反省があります。


後期の授業のためのレベルチェックも、全留学生を対象に、既に2回終えており、補講の予定も建てなければなりません。

集中講習を受けている学習者さんが、入って負担にならないクラスの設定が可能か、非常に不安です。



来年度、やるかどうか。


院生さんと学部生さんの協力がなければ回りませんから、希望者がいるかどうか、が大前提です。

加えて、今年のように、専門の指導教員の方が日本語教育の必要性を認めてくださるかどうか、も大きな前提条件です。

その二つがクリアできれば、今年よりは上手に出来るんじゃないかなあ。


後期は10月下旬に始まります。

留学生は10月上旬にやってきます。

3週間の時間を埋める、学生さんにとっても私にとっても、ボランティア的な授業なのですが、

私自身、今回も、えるものが多い授業でした。
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