戦争を挟んで生きた女性の回顧録

若い方が知らない頃のセピア色に変色した写真とお話をご紹介いたします。

23/05/13 その1 23/05/13 その1 牡丹の精に導かれて極楽へ行った老爺。

2011-05-13 12:22:58 | Weblog
 仏壇に飾った牡丹が散った。下にふたひら落ちている。それをいとおしそうに拾った。はなびらは未だ咲いている時と同じで萎れても枯れてもいない。拾って仏壇を見たら今散ったのか半分くらい落ちていた。私は子供の頃読んだ中国の神話を思い出した。大体仙人が出て来るはなしが多い。ある時代の庭園の世話をするじいやが、牡丹を愛し、愛し抜き牡丹の花びらが散る度に全ての花びらを拾い、大きな甕にしまって大事にしていた。春も終わろうとするある日、庭園に神女とも見紛う程の美しい妙齢の美女が現れ、老爺に花びらの詰まった甕を指指し、「これにお入りなさい」と云った。老爺はそのまま甕に入った。そこは甕ではなく、一面に牡丹の咲き乱れる花園で沢山の美しい仙女がいた。大事に拾われていた花びらは みんな美しい牡丹の精として老爺に恩返しをする日を待っていた。庭番の老爺は其処で仙人となり、牡丹の精と美しい美女に囲まれて暮らしたというお話。

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