グッド・トイ キャラバンと木育キャラバン 館長・曽我部KOWの旅ログ

グッド・トイ キャラバン・木育キャラバン館長KOWが、日本全国津々浦々での出会いと発見を綴ります。

[沖縄 今帰仁・結家]台風幽閉、もっと遊んだ場所。

2011-08-26 16:24:02 | あそびックリ!
強風域に入る前日の沖縄・今帰仁の夕暮れどき。

今帰仁の結家はゲストハウス。

ゲストハウスとはかんたんに言えば、旅人が集まる気軽な宿屋のこと。
一人旅なら気軽な2段ベッドで、家族やカップルなら個室もある。
でもここいちばんの人気スペースは大広間だ・・・
読書をしたり、ミサンガを編んだり、ウクレレを弾いたり、誰もが思い思いに過ごしている。
もちろん会話に花を咲かせる人もいる。
その風通しの良さ、気ままさがとても心地よい。

これは台風の対策を施しているところ。

今年の台風9号はとてもゆっくりと沖縄を通過した。
暴風域に1日、強風域に2日、計3日僕らは室内に閉じ込められた。
外に出るのは危険だし、海にいくなんて考えの持ち主は誰もいない。
そうこうするうちに大広間の人口密度が高まってきた。
そこで僕らは手づくりお面のワークショップをすることにしたのだった。

この日、誰もが自分だけのアートを完成させた。

その晩は停電になった。


すぐそこで風速45メートルの凶暴な風がゴウゴウとうなっている。
DSやプレステのバッテリーもついに使い果たしてしまった・・・
こんなときこそ物語りだとお話会がはじまった。
子どもの目が、いつしか不思議な輝きを帯びてくる。

彼はこの晩のことを、いつしか台風とともに思い出すかもね。

3日が過ぎて、台風がようやく去った。

虫やヤドカリが一斉にわっと出てくる。

彼らもじっと耐え忍んでいたと思うと、健気だ。

20歳のころにヨーロッパでバッグパッカーをしていた僕の宿は、
ユースホステルやゲストハウスだった。
あらゆる国の若者たち、白人黒人黄色人種キリストイスラムユダヤに多神教。
だれもがすぐに打ち解け、一緒にご飯をシェアしたり、オンガクしたり、議論したり・・・
モラトリアムな空気に満ちていたのは、だれもが旅人だったからだろう。
今日いる人々は、はやくて明日、長くても数ヶ月以内に次の未来へと旅立ってゆく。
そしてそこを唯一動かない、そのゲストハウスを作り、日々つないでいる人がいる。


台風で閉じ込められて、もっと遊んだ、なんて言える場所はそうそうないと思う。
僕ならホテルだったら退屈できっとイヤになっちゃってた。
大きな自然、そして気持ちのよい人々。遊びの原点はそこにあるにちがいない。


今帰仁の結家はゲストハウス。
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[宮城・気仙沼/本吉町]あそび支援隊で木育キャラバン!(後半)

2011-08-22 09:42:55 | グッド・トイ キャラバン
木育キャラバン in 気仙沼の2日目は、ご覧のとおりとても賑やかなものに。

遊びのライブステージでは「歌子さんと仲間たち」が登場。
子どももお母さんもみんな一緒に歌って踊って元気炸裂!気仙沼のみなさん、本当にノリがいい!
一方で、手づくり絵本とやさしい歌声のときには、子どもたちは静かに耳を傾けていました。

シンガー・あらたにようこさん、古川はじめさん、上村純さんは、
第二次あそび支援隊でもご一緒した仲間たち。イケメンギタリスト・前田智之さん初参加です。

お待ちかね「てんたん人形劇場」は2作品を上演。
宮城県を拠点にする人形劇の主催者・土屋さんはおもちゃコンサルタントでもあり、
311以降、個人的にあるいはおもちゃ支援隊のメンバーとして被災地支援を行ってきました。

現地でも問い合わせが多かった今回の公演、
はじまってみれば子どもたちの大爆笑とツッコミで、40分間があっという間!

東京おもちゃ美術館の学芸員も黙ってはいません!
高田昌樹さんは場所を変えて「虹のうたのおくりもの」でみんなに楽しく語りかけました。
「さあ、好きな楽器をもって、いっしょに演奏をしよう」

すぐに子どもたちは手にとって楽器の音を確かめ、リズムを刻みはじめて・・・
やはり気仙沼のみなさん、本当にノリがいい!

そして館長KOWはキャラバンのテーマソング「遊ぶよろこび、歌うたのしさ」と
被災地支援と地域活性の絆をテーマにした新曲「タネを植える」の2曲を歌いました。


移動おもちゃ美術館は、通常は開催地域の方々が中心となって準備・開催・運営をするもの。
しかし今回は東京をはじめ各地域から集まったおもちゃコンサルタント、
美術館学芸員、有志のみなさんが中心となりました。

被災地の現状を直接肌で感じ、そこに暮らす人々と直接触れ合うことで、はじめてわかること。
参加しただれもがそのことを心に受け止め、これからの糧にするにちがいない、と感じた今回のキャラバン。
もちろん僕自身にとっても、大きな糧となりました。

子どもたちが無心になれる2日間、そこにすこしでも近づけたかな。


追伸:懐の深いコーディネイトをしてくださった本吉図書館館長の千田さん、心よりありがとうございました。

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[宮城・気仙沼/本吉町]あそび支援隊で木育キャラバン!(前半)

2011-08-21 14:36:31 | グッド・トイ キャラバン
この広い空間は?

ここは気仙沼/本吉町にある「はまなすホール」の舞台です。
そして約2時間後、ここに東北・三陸での初の移動おもちゃ美術館が完成!


「はまなすホール」から三陸海岸までは約2キロの距離。
すこしクルマで走るだけで、そこかしこに311の爪痕を見ることになります。
被災地支援のボランティアスタッフが行き交うなか、
8月16日、木育キャラバン in 気仙沼の第一日目がはじまりました。


東京、静岡、札幌、横浜、仙台、江差から
10名のおもちゃコンサルタントもしくは東京おもちゃ美術館学芸員が参加しました。
みんなで目指したのは「子どもたちが無心になれる夏休みの2日間」。


受付でお客さんを暖かく迎え入れたり、子どもはもちろん大人も楽しませるあそびを提供したり・・・
誰もが日頃磨いたあそびのワザやホスピタリティを発揮しました。


あそぶ子どもたちの笑顔や笑い声は、家族を元気する。
今回ほどそのことをストレートに感じたことはありません。


さて、2日目は・・・
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[沖縄・那覇大学]木育キャラバンで木育コラボ!(後半)

2011-08-10 11:34:23 | グッド・トイ キャラバン
「木育キャラバン」って、なんでしょうか?
それはグッド・トイ キャラバンの木育部分をさらに広げたもの。
「木育おもちゃ」のバリエーションを増やし、
「木育に携わる人材の活躍と交流」を計り、
「地域の木育を活性化する」という役目をあわせ持っているのです。

その木育キャラバンで、今回は沖縄の地元・木工作家たちとの木育コラボが実現しました。

木工手づくり広場と名づけたスペースの中に、
さまざまな木工ワークショップがひらかれ、多くの子どもを集めたのです。


こちらはコマ造りのワークショップ。

そしてジグソーを使ったおもちゃ造りワークショップ。

まだまだ多くのワークショップが目白押し!

地元の木工作家さんは、まさに木育の師というべき人材。
そうした方々と同じ場を共有することで
木育キャラバンのステップアップを実感しました。

また、沖縄グッド・トイ委員会によるワークショップも、
草木をつかった手づくりおもちゃ、という木育感溢れるもの。


さらに、オキナワン・トラッドおもちゃの工房、
オキナワン・アートおもちゃの工房、沖縄の木工作家による木工作品の展示販売、
木育推進ショップによる育児雑貨の販売などが、あちらこちらでブースを構えました。

すでに沖縄大学の広い会場は一大フェスティバルの様相に。
初回の開催で、よくぞここまでの参加者をまとめてくださった、と、
沖縄グッド・トイ委員会、そして沖縄大学の諸先生方には頭の下がる思いです。
また、沖縄県の情熱溢れるバックアップ、学童保育支援センターのみなさんの手厚いサポート、
そして沖縄大学の学生サポーターたちのうれしいヘルプ・・・いずれが欠けてもこうはならなかったでしょう。

2日目の来場者は閉会時の時点で約2100人!
両日合わせて、約3700人という大記録を達成!


こうして初の沖縄キャラバン<木育キャラバン in ユッカヌヒー>は、大きな手応えとともに終了しました。
次回はさらによいものに・・・みなさんの熱い思いを受け止めつつ、再会の日を楽しみにしたいと思うのです。


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[沖縄・那覇大学]木育キャラバンで木育コラボ!(前半)

2011-08-10 10:30:51 | グッド・トイ キャラバン
7月30日と31日の2日間、沖縄大学は子どもたちに占領されました!
そうです、待ちに待った「木育キャラバン in ユッカヌヒー」なのです。


ユッカヌヒーとは、ウチナーグチ(沖縄言葉)で「4日」のこと。
その昔、沖縄では旧暦5月4日におもちゃ市がたち、
子どもたちはみなその日をとても楽しみにしていたそうです。
この子どもが主人公になれるユッカヌヒーにあやかり、
沖縄に初上陸した木育キャラバン(移動おもちゃ美術館の木育バージョン)は、
開館するやなんと十数分で、満員状態になってしまったのでした。


これは子ども専用の入り口。みんな目を輝かして入ってきます。


すると子どもたちにはこんな風に会場が見えてきて・・・


次の瞬間にはハマっちゃうんです。


今回は地元の琉球松の積木が登場し、こちらも大きな人気をあつめました。

ざっくりとした質感とカタチが独特な雰囲気を湛えています。
こちらの男の子は自分の家を作り、そこの台所の𥧄をまえに「夕食なににしようか」と思案中・・・

ここまでご紹介したのがA会場。こちらは「遊びのライブステージ」前のB会場。


沖縄グッド・トイ委員会のみなさんとおこなった設営作業はこんな具合に。


初日は約1600人の来場者がありました。

滞在時間の長いお客さまが多く、会場は常時満員状態。
それでもオトナも子どもも和やかな雰囲気を漂わせている。
「沖縄の人はなんとエレガントなのだろう」と思わず僕は心の中で呟きました。

さて、木育コラボとはなにか?それは後半で!
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