くろちゃんの甲府城つづりⅡ

やまなしの甲府城跡や文化財のようすや活動を、
くろちゃんと仲間たちがなんとなく紹介するため再登場!

日記。~吉保さんパート③

2016年08月14日 | 甲府城日記
こんにちは
お盆ですね。帰省されている方も多いのでしょうか
ゆうべ迎え火を焚いたおうちもあると思いますが、御先祖さまもきっと帰省中ですね。

さて先日、荻生徂徠の記した甲斐紀行『風流使者記』をちょこっとご紹介しましたが、9月に旅をしているので次回以降に回しまして
本日は同じく柳沢吉保関係の『松蔭(まつかげ)日記』をご紹介します
これは、(たくさんいる)吉保の奥さんの一人で、正親町(おうぎまち)町子の書いたものです。
先日の写真で紹介した『甲斐叢書』第三巻にも所収されています。)
ぱっと見、平安時代の古典文学でも読んでいる印象の文章なのですが、それもそのハズ、
なんとダンナさんを『源氏物語』の主人公・光源氏に見立てて書いているんです。(吉保さん、コノっ幸せモノ~
彼女は、10代後半ころに20歳近くも離れた吉保に嫁いだのですが、ラブラブ夫婦だったみたいですね
ちょうど8月15日に吉保さんと長男の吉里が詠んだ歌が載っていましたのでその頁を掲載します。(233頁の下段)

この年は、宝永元年(1704)。
12月には晴れて吉保は甲斐国主に任じられ、甲府城主となる記念すべき年です
また、吉保が隠居した後は、吉里が江戸時代唯一の甲府城に在城した藩主となり、また名君として甲斐国を治めます
父親に似て和歌に秀で、生涯で2万首も詠んだそうですよ
この記事の時は18歳でしたが、「歳がまだお若いのにたいへん好んで、常に良いお歌を多く詠まれます」と町子さんに評されています。
後に歌集も編んでいますし、絵も得意なお殿さまでした

※『松蔭日記』:『松家気(まつかげ)』。正親町町子著。夫・柳沢吉保の半生を書き記した日記。
          『源氏物語』や『栄花物語』を踏まえ、さまざまな古典の典拠が散りばめられた女流文学作品でもあります。
          吉保:風わたる浦半の霧の海はれて 月をみ舟の波の遠かた
          吉里:深草やあれにし床に伏す鶉 なく声さびし露の月影
コメント
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