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ダウン・イン・ザ・バレー

2006-04-19 23:16:17 | 映画2006
 ここにも時代から取り残されたカウボーイがいた!

 春なのに海水浴ができる町サンフェルドナンド・バレー。12車線もあるハイウェイ、都会的な建造物と西部劇に出てくるような牧歌的な風景も混在する独特の雰囲気を持った町。17歳の少女トーブ(エヴァン・レイチェル・ウッド)がガソリンスタンドでカウボーイ気取りの風変わりな青年ハーレン(エドワード・ノートン)と出会い、恋に落ちる。彼女には厳格で封建的な父親(デヴィッド・モース)がいて、娘とGSをクビになった男とが付き合うことに猛反対。2人はこっそり会うようになるのだった・・・

 などと書いてみると、平凡な家族ドラマのように思えてきますが、さすがのエドワード・ノートンはそんな役柄を演ずるはずがありません。自宅に戻ると『タクシードライバー』のデ・ニーロのように鏡に向かって早撃ちの練習をしたり、西部劇の台詞を口走ったりする男。しかし、社会に対して不満があるようでもなく、GSをくびにされたことと彼女の父親に反対されたことに憤りを感じているだけだったのかもしれません。元々故郷では牧場の仕事しかしたことがなかったのですが、牧場を経験していれば何でもできると思い込んでいて、人んちの馬はいつでも貸してもらえるという妄想癖もあるのです。

 もしかするとトーブにもらったドラッグが精神異常に拍車をかけたのかもしれませんが、世間からの疎外感と「車は嫌いだけど馬は好き」という性格が彼をますます西部劇の男に仕立てあげていったように感じました。事件は起こるべくして起きてしまい、彼の拳銃さばきの上手さがさらに悲惨な結果に・・・

 銃社会への警鐘といったメッセージもあったのかもしれませんが、描いているのは単純に時代に取り残された男。一瞬、『BTTF3』のような展開になったと思わせる映像も面白かったし、とにかく町の風景がとても気持ちよかった。ただ、わからなかったのは、いつの時代の話だったのかということでしょうか・・・携帯電話が出てこなかったし、デヴィッド・モースが戦争経験者だということを考慮すると、1980年代だったのかなぁ・・・

★★★・・

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さすがエド! (かえる)
2006-04-20 01:25:04
こばはー。

ポスターのイメージからラブストーリー系かと思って観に行きビックリ。

でも、その予想外の展開がかなり面白かったですー。

今年はカウボーイものが多いんですがメルキアデスがサイコーです♪

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メルキアデス (kossy)
2006-04-20 08:31:49
>かえる様

エドワード・ノートンの演技、最初はもごもご喋ってて、普通の主人公にしては変だな~と思っていたら、徐々に発揮してきましたね!彼の演技に大納得です。

メルキアデスってアルキメデスに似てますね・・・

こちらでは6月に公開です。楽しみ♪
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ここまで (zooquie)
2006-04-21 23:34:57
さすが、kossyさんです。

この作品を観ている人はなかなかいません(笑)



さすがエドです。

並みの作品には出ませんね。



あのラブストーリーかのようなチラシはいただけませんが、

作品としてはかなり気に入ってます。
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エド (kossy)
2006-04-22 10:19:21
>zooquie様

どうもです。

カンヌに出品されたのにね~

人気はイマイチ。



エドワード・ノートンて、ほんとに独特の雰囲気持ってます。この映画を観てるときはショーン・ペンに似てるなぁ~なんて思ったのですが、いかがでしょうか。



どんな映画か全く知らずに観たもので、あれこれ想像しながらストーリーにのめり込めました。
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