小関順二公式ブログ

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どうした作新学院!元気がないぞ

2012-05-22 13:39:30 | 2012年観戦記・高校野球

◇5月20日(日曜日)晴れ
関東大会/大宮公園球場
作新学院4-2南稜

 作新学院が選抜大会から元気がない。私にとって作新学院のベストゲームは昨秋の関東大会、花咲徳栄戦である。二塁打のとき揃って二塁ベース前で足を緩め、二塁到達9秒台が4本あったのは噴飯ものだが、1番を打っていた石井一成などは守っているのが楽しくて仕方がないという軽快なフィールディングをたびたび演じ、見ている者を楽しくさせた。
 しかし、選抜大会からこっち、そういうプレーが目に見えて減った。4番を打っていた篠原優太が故障欠場しているのは痛いが、それだけでこんなに精彩がなくなるのかな、というくらい元気がない。この南稜戦は、打者走者の各塁到達で、全力疾走の基準タイムをクリアした選手が1人もいなかった。
 たとえば「一塁到達4.3秒未満」が私にとって全力疾走の目安になるが、4.3秒未満どころか、4.4秒台でさえ2人しかいなかった。どういう走りをしていたのか紹介する。
◇4.4秒台……2人 ◇4.5秒台……2人 ◇4.6秒台……5人 ◇4.7秒台……2人
◇4.8秒台……4人 ◇4.9秒台……6人 ◇5秒以上……1人
 4.9秒台6人のうち3人はヒットのときの走塁だから目をつぶるとして、残り3人はバント、投手ゴロ、二塁ゴロで4.9秒台だから弁護の余地がない。
 南稜も4.3秒未満が1人(2回)と少ないが、南稜は県立高校で、野球部を強くするために好素材の選手を広域から集めてはいない。それに対して、作新学院は県内の硬式経験者が6人(選抜ベンチ入りメンバー)もいる。こういう高校にはそれなりに高度な野球をやってもらいたいし、甲子園の春・夏連覇を最初に達成し、昨年夏の選手権では4強に進出している名門・作新学院だから、よけいにそう思う。
 好材料は、エース大谷樹弘(3年・右投左打・180/83)が春にくらべて良化していることだ。どう変わったのかというと、スリークォーターの投球フォームがオーバースローに変わった。その結果、球筋がきれいになり、抜け球が少なくなった。
 スライダーに関しては大きい横変化がなくなった代わりに、チェンジアップと見紛うような縦変化が鋭くなった。依然としてコントロールに安定感はないものの、右打者の内角に腕を振ってストレートを投げ込めるようになり、投球に広がりが出てきた。こういう変化が可能なんだなと、ちょっと嬉しくなった。
 厳しいことを書いてきたが、21日の準々決勝では神奈川の強豪、横浜に5対1で完勝し、昨年夏のベスト4がダテではないことを証明した。私はこの試合を見ていないので、どういう変化があったのかわからない。明日に持ち越された関東一戦を見て、そのあたりを確認したいと思っている。

[註]5/19の前橋商対下妻二、5/21の健大高崎対東海大甲府の観戦記は<ホームページ>に掲載しました。

http://kosekijunjihomepage.com/


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