小関順二公式ブログ

プロ野球、アマチュア野球、野球史

逆転負けした国学院大の待球作戦

2016-05-20 19:31:51 | 2016年大学野球

 勝てば国学院大の優勝が決まる東都大学1部リーグ、東洋大対国学院大は既に優勝の望みがない東洋大が勝利への執念を失わず65で競り勝ちました。前日同様、私には国学院大打線の“ストライクの見すぎ”が気になりました。全投球に占めるストライクの見逃しの割合「見逃し率」は昨日が21.5%、今日が21.1%と高め。東洋大も昨日が15.4%、今日が24.2%と高めですが、1回の田中将也(3年)の3ランは初球打ち、2回の西川元気(3年)の2ランは1ボールからの2球目。国学院大も1番の山崎剛(3年)が、4打席中3打席が初球打ちで、第3打席の右前打、第4打席の中前打は得点に結びついています。7安打中、初球打ちは3本、1ボールからの2球目打ちは2本ですから、好球必打が結果を出していることは一目瞭然。しかし、全体としては見すぎです。

 私が国学院大のアグレッシブな攻撃に感銘を受けた534の中央大戦の見逃し率は16%、16.1%なので、この東洋大戦の金縛り状態は明らかです。現在2位の亜細亜大が52425の日本大戦に21敗でも勝ち点を挙げれば、勝率で東洋大を上回り逆転優勝です。国学院大は厳しくなりました。


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1試合タイムクリア5人以上を記録した14チーム

2016-05-19 08:39:40 | 2016年大学野球

今シーズンのタイムクリア

※打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」を1試合5人以上クリアしたチーム

 

312 JX-ENEOS(スポニチ大会)56

(若林晃弘、渡邉貴美男、糸原健斗2回、谷田成吾、松本大希)

323 大阪桐蔭(選抜大会)57

(永廣知紀2回、中山遥斗、三井健右2回、松山心、福井章吾)

324 いなべ総合(選抜大会)58

(宮崎悠斗3回、守田良真2回、神田将嗣、清水英樹、藤田涼雅)

327 創志学園(選抜大会)510

(北川大貴、草加稔3回、難波侑平3回、藤瀬幹英、湯井飛鳥2回)

327 海星(選抜大会)68

(服部貫大、小川大夢、島原勇樹3回、小畑翔大、田川賢汰、坂田航)

412 日本大(東都大学)510

(上川畑大悟2回、住田玄太3回、京田陽太3回、山田健斗、千葉翔太)

416 上武大(関甲新大学)58

(島田海吏、鳥巣誉議2回、我如古剛瑠、小豆澤誠、山脇竜二3回)

419 立教大(東京六大学)56

(佐藤拓也、佐藤竜彦、田中和基、飯迫恵士、松崎健造2回)

420 日本大(東都大学)711

(上川畑大悟2回、長沢吉貴2回、住田玄太2回、京田陽太、山田健斗2回、北阪真規、中山拓哉)

54 中央大(東都大学)710

(新城拓2回、国吉竜也、山田直、松田進、堀内寛人2回、土谷恵介、飯嶌幹太2回)

5 4 日本大(東都大学)611

(住田玄太、成田塁、長沢吉貴、京田陽太3回、山田健斗2回、上川畑大悟3回)

5 5 青山学院大(東都大学2部)79

(鈴木拓夢、吉澤岳志、佐藤将2回、西村大樹、長野勇斗、丹治光生、徳本健太朗2回)

510 中央大(東都大学)58

(国吉竜也、堀内寛人、土谷恵介2回、飯嶌幹太3回、河合泰聖)

514 城西大(首都大学)57

(足達凌太郎、見目雅哉、長谷川将樹、飯塚竜登2回、森田完理2回)

 

 以上、94試合188チーム中、タイムクリア1試合5人以上達成したのは14チーム。中央大や城西大のようにタイムクリアしても下位に低迷したチームはあるが、チームの方向性を示す好材料として取り上げた。


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城西大のアグレッシブ野球を指導する元プロ

2016-05-17 10:52:19 | 2016年大学野球

 514日の首都大学リーグ、城西大対帝京大で注目したのが城西大の攻撃だ。小原沢重頼監督は元巨人、ロッテの投手、代田建紀コーチは元近鉄、ヤクルト、ロッテの外野手としてプレーしたことのある元プロ。そういう指導者が教えるとこういう野球になるのかと思った。

 12回裏の無死一塁の場面では強攻策で1回裏に1点を挙げ、3回裏の無死一、二塁では3番のバント失敗などで2死になったあと5番が二塁打を放ち2得点という得点経過。指揮官の思いが選手にうまく伝わっていないように見える場面もあるが、代田コーチは以前「ノーアウト一塁で判を押したようにバントはしたくない」と言い、「ノーアウト一、二塁でバントをして1死二、三塁にする。そういう攻める姿勢を強く出して相手にプレッシャーをかけたい」と言っていた。この帝京大戦の攻撃がまさにその言葉通りだった。

 盗塁にも積極的で、2回はノーアウトで出塁した選手が二盗に失敗しているが、4回は相手エラーで出塁した選手が二盗したあと1番打者のタイムリーで生還。5回に1個、8回にも2個成功させ、8回は得点に結びついている。

「盗塁は失敗しても走る姿勢を出し続けることによって相手バッテリーが動揺するし、味方打線の萎縮しがちな気持ちも奮い立たせる」という代田コーチの発言は、盗塁を硬直した試合展開を打ち破る突破口にしてきたWBCでも証明されている。

 相手の失策を見逃さないのもプロっぽい。4回は相手の三塁手がファールフライを落球したあとにタイムリー、78回はピッチャーの暴投で進塁した走者が生還という具合だ。相手のエラーと自軍の盗塁を絡ませてチャンスを拡大し、確実に得点に結びつけていることがわかる。

 ストライクの見逃しが少ないのも特徴で、この試合での見逃し率(全投球に占めるストライクの見逃しの割合)は帝京大の18パーセント超えに対して13パーセント弱。さらに私が俊足の目安にしている打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、、三塁到達12秒未満」をクリアしたのは57回で、これも帝京大の23回にくらべれば遥かに多い。城西大の攻撃がどの分野でも「積極的、攻撃的」であろうとしていることが一目瞭然でわかる。

 選手として注目しているのは4番の長谷川将樹(3年・三塁手・右右・18084)。第1打席は初球ストレートをおっつけて右中間に運ぶ三塁打を放ち、このときの三塁到達が俊足と言っていい11.94秒。7回には42に迫ってきた帝京大を突き放すタイムリーをセンター前に弾き返している。右の強打者タイプはプロ・アマを含めた日本の野球界では希少価値なので、今後注目度はさらにアップしていきそうだ。

 春のリーグ戦は5位が決まっているが、チームの方向性は間違っていない。投手陣が整備されればいずれ侮れない存在になっていくだろう。


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関甲新大学リーグで見たとんでもない二盗記録

2016-05-12 09:55:01 | 2016年大学野球

 ドラフト候補ではないが、超一級の記録というかタイムがあった。57日の関甲新大学リーグ、関東学園大対平成国際大戦でのこと。8回表、四球の5番打者の代走に起用された平成国際大・城田一哉(4年)が二盗したときのタイムが2.86秒だった。今年測定した中での最速が選抜で高松商・安西翼が記録した3.15秒。それを約0.3秒短縮しているのだからとんでもない記録である。3.1秒未満でさえ私は見たことがない。リードが異様に大きいのにバッテリーが無警戒だったことが原因だが、城田はその直後にも三盗を決め俊足を強く印象づけた。

 この試合では平成国際大の3番・狩野寿(4年)もよかった。脱力して打席に立つ姿がロッテの伊志嶺翔大に非常によく似ていて、それだけで胸に訴えてくるものがある。滞空の長い一本足打法から慎重にタイミングを取るゆったりとしたステップに特徴があり、第2打席では3ボール1ストライクからレフトへホームランを放っている。

 緩急に対応できる打ち方で、2年前の春の作新学院大戦では3本塁打、9打点のリーグ記録を樹立。第4打席では三塁ゴロのときの一塁到達タイムが4.10秒と俊足と評価できる脚力を証明、さらに遊撃手としての動きもよく、強烈なプロ志向の持ち主と聞いている。

 こういう選手が関甲新大学リーグにはたくさんいて、私にとっては遠方の栃木、群馬に行くこともそれほど苦にはならない。


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ゴールデンウイーク中に見たドラフト候補1

2016-05-10 00:33:39 | アマチュア野球観戦記

 ゴールデンウイークの429日以降、関東の高校、大学野球を見て回った。今後12年間のドラフト候補はこんな選手たちではないだろうか(学年が明記されていないのは高校3年、大学4年ということ)。

 429 五十幡亮汰(佐野日大・遊撃手)、山本拳輝(作新学院・遊撃手)

 5 3 島孝明(東海大市原望洋・投手)、倉石匠己(東海大市原望洋・中堅手)

     川口廉(千葉黎明・投手)、山崎剛(国学院大3年・二塁手)

 5 4 堀誠(立正大・投手)、松尾雄亮(国士舘大・投手)、笹川晃平(東洋大・中堅手)

     京田陽太(日本大・遊撃手)、弓削隼人(日本大・投手)

 5 5 岡野祐一郎(青山学院大・投手)、神戸文也(立正大・投手)

 5 7 水石英佑(新潟医療福祉大2年・左翼手)、漆原大晟(新潟医療福祉大2年・投手)

     狩野行寿(平成国際大・遊撃手)

 5 8 中塚駿太(白鷗大・投手)、竹石智弥(新潟医療福祉大・投手)

     大山悠輔(白鴎大・遊撃手)

 五十幡は中学3年のときに見てその俊足に驚かされた選手。429の試合では二塁走者としてごく普通のセンターフライでタッチアップして三進。作新学院のセンターは三塁に投げることすらしなかった。島が評判の東海大市原望洋では1番を打つ倉石に目が釘付けになった。脱力に特徴のある強打者で、第45打席では千葉経大付の2投手から左右にホームランを打ち分けた。

 川口は投手として脱力を実践、リリースのときだけ力が入る“手抜き時代”の江川卓(元巨人)をいい意味で思い出させた。ストレートの最速は140キロ台中盤と伝えられるが、手元でピュッと伸びる球質のよさに特徴があり、縦変化のカーブ、スライダーのキレも一級品だった。

 東都大学リーグでは黒木優太(立正大)が1位候補として名前が挙がっているが、堀、松尾、弓削、岡野、神戸が実践的なピッチングスタイルで今後、名前が挙がってくると思う。堀はカーブ、スライダーなど変化球をコーナー低めに丁寧に集める技巧的ピッチング、松尾はカーブ、スライダーにチェンジアップ、ツーシームを交えた横の揺さぶりに特徴がり、私が見た試合ではストレートが最速145キロを計測しているように速さもある。

 岡野は技巧と本格が程よくミックスして伊東昭光(元ヤクルト)を思い起こさせた。ストレートは145キロと一定の速さがあり、ツーシーム、チェンジアップ、フォークボールなど落ちる変化球も腕を振って操り、7回を一失点に抑えた。神戸は最速149キロのストレートを前面に押し立てるパワーピッチング、白鴎大の中塚は今春に157キロを計測し、私が見た試合では153キロを数多くのスカウトの前で披露。色々課題はあるが、埋蔵量の多さではアマチュア球界のトップクラスと言っていいだろう。


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