いつかおしゃべりできたらな・・・。

保育園に通い始めた頃、つまり年少の頃のコナンの言語力は
かろうじて2語文
と言う感じでした。
「かろうじて」2語文と言うのは、単語の方が多かった、ということです。

だいたい年少さんと言えば、
「聞いて　聞いて」
と、もうあれこれおしゃべりが出来る時期。

明らかに遅れています。
でも、そんなことはたいして気になりませんでした。
ただ・・・
いつかおしゃべりしたいなぁ
と思っていました。
コナンとのやりとりはいつも一方的だったからです。

以前に　『ことば』　と言うタイトルでお話させていただきましたが、
こればっかりは、コナンに他人と自分の想いを分かってもらえる「会話」の楽しさを
知ってもらわないと、無理なんだろうな、と思ったワタクシは、保育園からの帰り道
コナンにいくつか質問するようにしました。

「今日は何してあそんだの？」
「給食は何を食べた？」

でも、コナン、答えられません
言葉の意味の理解以前に、そんな前のことを覚えていないという感じでした
過去にあったことを思い出すのは、当時のコナンにはとても難しいことのようでした。

そこで、ワタクシ、質問を1つに絞りました。
「今日は、おやつ　何を食べたの？」
仕事をしていなかったワタクシは、帰りの会が終わる頃にお迎えに行っていたので、
コナンがその前にやっていたのは、おやつを食べること、でした。
だから、ちょっと前の記憶なら呼び戻せるのでは？と思ったのです。

お迎えに行く前に、その日のおやつが何だったかを、献立表でチェックしてから出かけます。
帰り道、コナンに「今日のおやつは何だったかな～？」と尋ねます。
もちろん、コナン『・・・・・。』　無言です

そこからはワタクシの独壇場（）です。
「おやつは、りんごやったなぁ　美味しかった？
甘かったかな？辛かったかな？　甘かったよね～
皮は、赤いよね～」
と一人でしゃべっていました。
保育園からまでは近かったので、これくらいのやりとりで十分でした。

毎日毎日、この語りかけをしていきました。
全く返事が返って来ないという虚しい毎日でしたが・・・（笑）

どれくらいの月日が経ったでしょう？
ある日、「今日のおやつは何だった？」『・・・・・。』「りんごだったよね～」
と言ういつものやりとりだったのが、コナン、「りんご」ということばを聞いて首を縦に振ったのです
おぉ～　ことばじゃないけど、返事が返ってきた
嬉しかったですね～
「そうだよね　りんごだったよね」
その後の問いかけには相変わらず、無言でした。

そして、それからどれくらいの月日が経ったのでしょう。
「今日のおやつは何だった？」とのワタクシの問いかけにコナンがボソッと
『りんご』
と答えたのです
正直、ビックリしました
でも、めちゃくちゃ嬉しかったのです
「そうだよね　りんごだったよね」
興奮を抑えて、冷静にフツーに答えるように努めていたっけ・・・。

こうして、コナンとその日の出来事を聞くやりとりは続いていきました。

小3の今現在、コナンはおしゃべりできますが、
「て・に・を・は」等の助詞の使い方はめちゃくちゃだし、
能動・受動態の使い方が合っていないし、まず、ことばがめちゃくちゃで
何が言いたいのかよく分からないことが多いです。
そして、やっぱり、過去にあった出来事を話すのがとっても苦手で
未だに一つ一つ聞かないと、答えられません。
「今日は、何して遊んだの？」
という聞き方では答えられません
「お外で遊んだの？教室？　お外で遊んだんだ。」
「じゃあ、ドッジボールして遊んだの？それとも、野球？ケードロ？」
と、選択肢をたくさん用意して聞かないと、答えられないです

それでも・・・。
こうして　ことばでやり取り出来る　
って、ステキなことだと思うのです








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