原題:THE SOCIAL NETWAORK (PG-12)
2010年・アメリカ(120分)
原作:ベン・メズリック
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:アーロン・ソーキン
音楽:トレント・レズナー
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド 、
ジャスティン・ティンバーレイク、アーミー・ハマー、マックス・ミンゲラ ほか
鑑賞日:2011年1月18日 (新百合ヶ丘)
鑑賞前の期待度:★★★☆
ブログはやっているけど、IT関連の話には疎いです。
プログラミングしたことなど一度もないし、
アルゴリズムよりバイオリズムのほうが耳に馴染んでるし、
SQLだ、ACLだ、SNSだ、NHKだと、なんだかんだ言われても・・・。
クラウド・コンピューティングに至っては、まさに雲を掴むような話。
Facebookの文字はネットで見かけるけれど、
やっぱりピンと来ない。
それなのに、この映画を観たのは、アカデミー賞有力候補だから。
1月16日(アメリカ時間)に発表されたゴールデングローブ賞では、
作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞の4冠を獲得。
俄然、アカデミー賞が匂って来ました。
そんなわけで、作品をチェックしに劇場へ。
はたして、ぼくに分かるのか・・・。
文句なし!アカデミー作品賞、確定!!
・・・と、言っておきましょう。
面白かったぁ!
デヴィッド・フィンチャー、今度こそ監督賞獲得か?
冒頭は、
ハーバード大の学生マーク・ザッカーバーグと、
ガールフレンドのエリカの会話シーン。
論点だけを語るザッカーバーグ。
そこには、恋愛の情緒などない。
まるで高性能のアンドロイドが喋っているようだ。
次第に目が冷たくなっていくエリカ。
そして、当然破局。
19歳の大学生にして未熟な青年は、あっけなくふられてしまう。
この9分間に及ぶ冒頭のシーンで、
主人公がどんな人間かを、観客は否応無く知ると同時に、
Facebook誕生の原動力が何だったのかを後で知ることになる。
(ちなみに、完ぺき主義者の監督は、このシーンに99テイクも費やしたのだとか。)
エリカへの腹いせというネガティブな動機で浮かんだアイディアが「フェースマッシュ」となり、
大学からは警告を受け、学生からは非難が集中。
その汚名返上のためのアイディアがやがて「Facebook」となり、
ハーバード大学からアイビー・リーグへ、さらに世界へと広がりを加速していく。
学生寮の一室から始まったサクセス・ストーリーとしての展開には、
知的興奮を掻き立てられる。
親友エドゥアルド以外、登場人物の多くに共感は持てないが、
それでも、最後まで見入ってしまったのは、
やはり脚本の上手さだろうか。
あるいは効果的に挿入され、無意識のうちに乗せられている音楽のせいだろうか。
もちろん、D・フィンチャー監督の手腕抜きには語れないだろう。
訴訟の話し合いシーンを、フラッシュ・フォワードとして挟むことで、
ザッカーバーグのターニング・ポイントを明確にし、
彼が何をし、何を手に入れ、何を失っていったのかが、はっきりと見えてくる。
ハーバード大学の超エリート意識と階級社会。
ネット社会とプライバシー。
知的財産権。
ITビジネスと投資家。
巨万の富。
この作品でも様々な背景が描かれているが、
結局、語られているのは人間ドラマであり、
監督は、印象的なラストシーンを用意して、この映画の幕を閉じる。
ヴィクトリア・シークレットの逸話に、「ヘェ~」度:★★★★★★★★★★★★
ビル・ゲイツの登場に拍手度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
双子がひとり二役だったことに驚く度:★★★★★★★★★★★★
アカデミー賞獲得するかも度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
2004年1月11日に自分は何をしていただろうかと思う度:★★★★★★★★★★★★
鑑賞後の総合評価:
率直な感想として、完成度の高い作品だと思う。
余談ですが、
FacebookのCEOであり現在26歳のザッカーバーグの資産総額は、
69億ドル(約5720億円)と推定されている。
まだIPO(新規公開株)前なので、本当の総額は分かりませんが、
昨年12月には、ギビング・ブレッジに同意、署名。
資産の過半を慈善団体に寄付することにしたというニュースも。
主役を演じたジェシー・アイゼンバーグは、この作品に出演するまで、
Facebookを知らなかったそうだ。