こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

フォーラム「こころの過労にご用心」をおさらい④~誤解

2006年10月25日 | 仏教
おさらいの最後は、メンタルヘルスに満ちあふれる大きな誤解について。
多くの人たちが思いこんでしまっている大きな間違い。
それが、病気の発生要因にもなっているし、
病を悪化させてしまう原因にもなる。

 いわく、「健康な精神は健康な肉体に宿る」。
これは、一局面としては正しいこともあるかも知れませんが、
よく考えてみれば、とんでもない誤解。
心だって、身体だって、病気になる時はなるんです。

 いわく、「こころの病になるのは性格に問題がある」。

 いわく、「心の病は血の病」。

 いわく、「気持ちを強く持てば落ち込むことはない」。

 いわく、「弱った心には気合いを入れろ、気合いだ~っ!!」

などなど、他にもいろんな誤解や偏見が溢れています。

とんでもない話です。

心を病むことは、誰にとってもすぐそこにある危機なはずです。

私たちは、知らず知らずのうちに、このような偏見と誤解で

心病む人に接しています。これは大きな罪です。

御釈迦様は、「三毒」という人間を迷わせる根本原因を示されました。

その三つめが、痴(ち)です。

 本能、欲望、野心の言うがままの奴隷になっていることを
 気づかずに生きている煩悩という毒です。(無明)

 知らないという毒です。

 今回学んだことで、少しでも誤解と偏見をなくし、

私たちの迷いの原因と、心病む中にいる方々の苦しみが、

少しでも軽減されてれいくことを強く願います。

                    
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする