産婆の気持ち

助産師として活動している中で感じること、日々の生活の中での出来事や思うことを書き綴っていこうと思います。

骨盤ベルト

2010-07-23 23:39:26 | お産
妊娠中から産後3か月の頃までは、体の関節を緩ませるホルモンが出ているため、骨盤が緩むことでの腰痛や恥骨の痛みが出てくることがあります。
そういう時に、恥骨の周りを締めることのできる骨盤ベルトを着けることで症状が楽になることもあります。

以前は、産後の子宮の戻りをよくするためにとかお腹を引き締めるためにと、ウエストニッパーやさらしの腹帯でお腹周りを締めていました。
でも、ウエストを締めることが、逆に緩んでいる骨盤を中から押し広げてしまうことにつながるため、ウエストを締めるのはよくないと言われるようになりました。

骨盤ベルトなどを使わなくても、本来は、母乳を飲ませることや普通に育児をすることで子宮も戻り、お腹も元に戻っていくのでしょうが、体が戻るまでの間に腰痛や恥骨の痛みを感じる人にとって、骨盤ベルトは役立つと思います。

でも、現代の妊娠中や産後の腰痛や恥骨の痛み、骨盤のゆがみは、ホルモンによる骨盤の緩みのためだけではないように思います。
昔は日常の生活の中で、自然に出産に適した体づくりができていたのでしょうが、生活習慣や様式が変化したことでそれができなくなって、その結果、いろんな体の症状が出てくるようになったのではないかと思います。
体の痛みや不調は便利な道具を使って解消することができても、そもそもの原因はそのままでいいのだろうかと考えたりもします。

昔の日本の生活習慣や生活様式を振り返ると、和式トイレや掃除洗濯といった家事の動きなど、そのヒントがたくさん見つかるような気がします。

気持ちいい景色

2010-07-13 23:29:21 | 日々のできごと
新生児訪問や出張での相談であちこちを回っていると、地元なのに初めて行く場所で、思わず車を降りてみたくなる風景に遭遇することがあります





梅雨真っ只中
ジメジメとうっとおしい時に、ひんやりと清々しい気分になりました

奥入瀬渓流・・・とまでは言い過ぎかもしれませんが、思わずカーステレオの音を消して、車の窓を全開にして、川の水音を聞きながら、マイナスイオンたっぷりな感じの束の間のドライブを楽しみました
訪問の仕事はこんな発見や驚きもあって楽しい仕事です




O-157と母乳

2010-07-13 23:10:49 | おっぱい
梅雨は食中毒の季節。
食中毒を起こす菌のひとつにO-157(腸管出血性大腸菌)という菌があります。
一時期、集団発生して話題になった菌ですが、このO-157と母乳の関係について書かれていた興味深い記事がありました。

O-157が集団発生した時の患者さんの普段の排便回数を聞いてみたところ、毎日、しかも1日2回排便していた子の多くは症状が軽く、2~3日に1回しか排便しない子の6~7割は血便が出るなど重症化していたそうです。
そして、この子どもたちが母乳で育てられたかを聞いたところ、O-157に感染しているのに無症状だった子どもの9割が母乳育児だったそうです。

母乳にはビフィズス菌を増やす成分がたくさん含まれているため、母乳で育った人の腸内環境はとても整っています。
O-157のような菌の力も抑えてしまうとは。。。母乳のすごさがここにもありました。