産婆の気持ち

助産師として活動している中で感じること、日々の生活の中での出来事や思うことを書き綴っていこうと思います。

小さい赤ちゃん

2006-09-29 23:35:21 | お産
またまた南日本新聞の記事の話題です。

今日の記事は低出生体重児(2500g未満)が増えていることについて書かれていました。
1990年の低出生体重児の割合は6.3%、2004年は9.4%だそうです。
年々、低出生体重児が増えている理由に、妊婦の体重増加不良・妊婦のやせからくる胎児の栄養状態の不良をあげていました。

妊娠中に太りすぎると妊娠糖尿病や妊娠中毒症(現在は妊娠高血圧症候群)などになると言って必要以上に体重増加を抑制する傾向がある、と。
さらに低出生体重児は生活習慣病の発症のリスクが高くなる。胎児が胎内の飢餓状態から身を守るために少ない栄養を効率よく利用する体質に変わることで、出生後の飽食で肥満になる。赤ちゃんの体重が少ないと、例えば腎臓の糸球体の数が少なくなり、生まれたあとに糸球体が増えることはないため腎臓に負担がかかり高血圧になりやすい。など不安に思うことが書かれていました。

実際に低出生体重児が増えている状況にあるのでしょうが、その背景や影響しているものに妊婦の体重増加がクローズアップされているのにはちょっと首を傾げたくなりました。
記事でも触れていましたが、医療技術が進歩し未熟児が救命されてきていることや、不妊治療により多胎妊娠もあったり、喫煙者の増加も大いに関係していると思います。
ただ単に低出生体重児とひとくくりにせず、早産、多胎、喫煙、妊婦の体重と分類したデータがあるといいのに思いました。と言ってもそこまでのデータはないのでしょうが・・・。

助産師として妊婦さんに関わる時、体重の自己管理は重要なポイントになります。
妊娠高血圧症候群などの妊娠中の異常を起こさないようにというためでもありますが、お産の時に難産になりやすいということがあります。
必要以上の体重増加は母体の脂肪となるため、産道にも脂肪が付きただでさえ狭い産道をなおさら狭くしてしまいます。
狭い産道は通り抜けにくいため赤ちゃんもゆっくり進もうとします。そのため陣痛を弱くするので(たぶん赤ちゃんが意識的にそうしているんだと思っていますが・・・)時間がかかり、よく言う難産となりやすいです。
妊娠中は非妊時と同じように食べていても体重が増えやすい状態なので、体を動かすことが少ないとさらに体重が増えることになります。
確かに妊娠前の食生活が不十分なことは問題なので、食事に対する意識の改善は大事だと思います。

新生児訪問などで縁のあったお母さん方の母子健康手帳を見ると、体重増加が少なかったという方にはあまりお目にかかりません。逆に増えてしまいましたね、という方はおられます。
「体重を増やさないように」と食事まで制限して・・・というのは違うと思いますが、食事はバランスよく規則正しく摂り、間食も食べるものを選び、体を動かすことで体重をコントロールすると共に、お産に向けての体力づくり、体づくりを心がけてもらえるといいなと思います。

昔のお母さんは粗食の中、田んぼや畑でお産寸前まで体を動かしていたと言います。陣痛が来てからも働いていたとも聞きます。おかげでお産も楽だったということもあるのでは?と思います。

いつも新聞の記事に文句?をつけていていい気持ちはしませんが、正直な気持ちでした

乳幼児の栄養調査結果

2006-09-26 23:34:07 | 育児
先日、南日本新聞に母乳育児率の推移の記事が出ていましたが、
助産雑誌に同じデータで厚生労働省の平成17年度乳幼児栄養調査結果として
記事が出ていました。
新聞では母乳栄養に関しての内容だけでしたが、
助産雑誌には一緒に調査されたデータとして、
離乳食に関しての調査結果も掲載されていました。

こどもの授乳や食事について母親が不安に思う時期は、
「出産直後」がまずピークにあって徐々に減少し、「4~6ヶ月」で再び高くなる傾向がある。
離乳食で困っていることとして
「食べ物の種類が偏っている」「作るのが苦痛・面倒」
という訴えがあるようです。

私はおひさまこどもクリニックで毎月行われている母乳育児サークルに参加していますが、
サークルに参加するお母さん方から聞かれる不安や悩みと同じです。
母乳育児についてもそうですが、“マニュアル”や“正しい方法”にとらわれず、
子供の様子をみて、子供が欲しがる様子をみて、
子供が受け入れられるものを与えていけばいいのではないかと思います。
わざわざ離乳食を特別に作るのではなく、
大人の食事の味付けする前のものをとりわけ、
子供がその時に食べられる硬さにしてあげればいいと思います。

大人の食事が偏れば当然子供の食事も偏ってしまいます。
母乳育児を始めたお母さん方が母乳の質について考えた時、
母親の食事を見直すきっかけになるように、
離乳食でも大人の食事を見直す良い機会になるのではないでしょうか。

母乳育児サークルではお母さん方の間で
実体験に基づいた情報交換や気持ちの支えあいがなされています。
雑誌の記事には、今回の調査結果を踏まえ
「授乳・離乳食の支援ガイド(仮名)」の作成に取り組むことにしている
と書いてありました。

母乳育児サークルに参加していると、
ホッとしたり自信がついていっているお母さん方の姿を目にして
こちらも嬉しく、そんなママさんたちが頼もしくもあります。
このような育児の真っ只中にあるお母さん同士や先輩ママとの交流の場が
充実していくことも大切だと感じます。

赤ちゃんが増えている

2006-09-24 23:46:08 | 育児
今年2月以来の出生数が、去年と比べて毎月増えているそうです。
このままいくと、ずっと減り続けていた合計特殊出生率が
増加するだろうと言われていました。

なぜ出生数が増えているのか?
その理由として言われていたのが「景気が上向きになった」でした。
去年の4月から景気は回復傾向にあるらしく
2月に出産した人が妊娠した時期とピタリと合っているのだそうです。
でも、本当にそこまで考えて妊娠するだろうか?と思ってしまいます。

もう一つの理由に「有名人女性(女優・タレント)の出産・子育て」でした。
子育てというと、“なりふり構わず、縛られて”というイメージだったのが
有名人の“きれいにかっこいい姿”を見てイメージが変わって・・・
ということではないか、とも言っていました。

子供が増えることはいいことです。
でも、こういう理由であって欲しくないなと思ってしまいます。

理想と現実にはギャップがあるものです。
それこそ「有名人にあこがれて」だとそういうギャップを
過大に感じてしまうのではないでしょうか。

もし妊娠したきっかけがそうだったとしても
実際に出産・子育てを体験して、本当の意味で出産し子供を育てたいという
気持ちが芽生えてくればいいなと思います。
そのためには、「よい妊娠・出産体験をしたか」ということは
大きなポイントになると思います。
悪い出産体験は、その後の子育てにも大いに影響することなので
是非よい体験として出産を迎えられる女性が増えることを願います。

今日も、大人の勝手な気持ちのせいで幼い子供の命が奪われた
というニュースが流れていました。
少子化が進む中、子供の命が犠牲になる事件も絶えません。
とても悲しいことです。

いつまで飲むの?

2006-09-22 23:31:46 | おっぱい
「おっぱい大好きっ!」のこどもは
ご飯をしっかり食べるようになっても、いろんな遊びが楽しくなっても
おっぱいも変わらず大好き!です。
1歳過ぎて・・・歩くようになって・・・
そういうこどもの様子を見ると
「いつまでおっぱい飲むの?」「もうやめたら?」
と、周りから言われることは多いようです。

“自然卒乳”という言葉はかなり聞かれるようになってきていますが、
世間ではまだまだ
「1歳過ぎてもおっぱいを飲むのは恥ずかしい」とか
「1歳頃のおっぱいはもう栄養がない」とか
「おっぱいをいつまでも飲んでいると甘えん坊になる」とか言われ
そういう言葉がおっぱい親子の気持ちを揺るがしています

1歳過ぎておっぱいを飲むことは恥ずかしいことではありません。
おっぱいの栄養が薄まることはないということは明らかになっています。
おっぱいで甘えん坊になるどころか、自立したこどもになると言われます。

自立する心は、自分を丸ごと受け入れてもらえるという安心感・信頼感が
育まれてこそ芽生えてくるものだと思います。
その安心感・信頼感を育むのに一役買っているのがおっぱい

ユニセフ・WHOは
「生後6カ月間の完全母乳育児を続けた後、適切な補完食(離乳食)を食べさせながら、
母乳育児を2年以上続けることが、子どもの成長にとって最も適切な方法です。」
と言っています。
日本では厚生労働省が以前は“断乳”という言葉を使っていましたが、
「1歳半頃までに乳離れをすることが望ましい。」というところまできています。

自然卒乳を待つことが理想的だとは思いますが、
それぞれの事情によって、自然卒乳を待てないことはあると思います。
ただ、“事情の許す範囲”で“お母さんが納得できるように”
その時を迎えることができることが大事だと思います。

おっぱいの時期はこどもにとっても母親にとっても
貴重な体験大切な思い出になると思います。
後悔することのないように
周りの意見に左右されることがないように
“自分たち親子の母乳育児”が納得してできるようになれるといいなと思います。

ちょっといいこと

2006-09-20 20:49:02 | 日々のできごと
今日、車の列の中に悠々と歩く馬の姿を目にしました。
それで「あ~もう流鏑馬の季節なんだ!」と気付きました。
流鏑馬祭りは肝付町の伝統的なお祭りで、高山町の頃からず~っと毎年10月に行われています。

祭りの1ヶ月程前になると射手に選ばれた男の子(中学二年生)が練習を始めます。
今日見かけた馬は、きっと練習の帰りだったのでしょう。
夕方で車も多かったのですが、興奮することもなくゆったりと歩いていて、
右折する時は乗っている人がちゃんと手で方向指示を出してました。
自転車と同じなんですね
堂々とした馬の姿は見ていてとても気持ちがよく、かっこよく
ちょっと得した気分で感動してしまいました

今年のお祭りは10月15日の日曜日のようです。
カンパチのつかみ取りなどもあって、朝早くから並ぶ人もいるみたいです。
先着○○名だそうなので・・・。

豊作占いの流鏑馬ですが、
今年は何本の矢が的を捉えるのでしょうか。
射手の少年くん、大勢の視線を浴びての大仕事。
ものすごい緊張感でしょうが、頑張ってくださいっ

赤ちゃんの手袋

2006-09-18 22:58:44 | 育児
手袋をしている赤ちゃんを時々みかけます。
冬場は「寒いから」と言われることもありますが、
「爪で顔をひっかいてしまうから」という理由で手袋をつけているお母さんも多いようです。

赤ちゃんの手を触るとわかりますが、しっとりとしていることが多いです。
赤ちゃんは反射的に手をギュッと握っていることも多いですし、
まだ体温調節が未熟で、手のひらや足の裏から熱を放散しています。
だから、手袋や靴下を着けてしてしまうと、蒸れたり体温調節の妨げになってしまいます。
そして何よりも、せっかくの手から感じることのできるいろんな体験の機会を奪ってしまいます。

生まれたばかりの赤ちゃんはまだ“自分の手”という認識はなく、
反射的に指しゃぶりやゲンコツしゃぶりしています。
“自分の手”とわかるようになるのはだいたい3ヶ月頃。
じーっと自分の手を見つめるようになれば「これは自分の手なんだ!」とわかってきたしるし。
そうすると両手を合わせて遊んでみたりしはじめます。

手足で空気のあったかさや冷たさも感じるし、
おっぱいを飲むときも、お母さんのおっぱいを手のひらで触って、
お母さんのおっぱいの感触の気持ちよさや体温を感じたりしています

また、赤ちゃんはあらゆるものを口で感じようとし、口の感覚も優れています。
口で手足などをなめるという行為は、赤ちゃんにとってとても大切な良い刺激になっています。

これが手袋をつけていると、いろんなことを感じる機会が激減してしまいます。
赤ちゃんは自分の体を使っていろんなことを学んでいきます。
「顔に傷」は爪を切ってあげれば、それほど気にならないと思いますし、
目に指をつっこんでギュッと握ってしまうこともあるかもしれませんが、
その時には「痛い痛いだよー」とそっと手をはずしてあげればいいですし、
それが赤ちゃんとのコミュニケーションになると思います。

赤ちゃんの手袋や靴下は小さくてかわいいですよね。
ついつい買ってしまいたくなるかもしれませんが、
赤ちゃんのためにいろんな刺激を体験させてあげてください。

「家庭に笑い声が聞こえますか」

2006-09-15 23:09:30 | 
先日、セラピストの志々目真理子先生の講演を聴きに行きました。
志々目先生のことは今回の講演で初めて知ったのですが、多くの方が県外からも足を運んで講演を聴きに来られていました。

日常の生活や人との関係を築く上で行く先に明かりを照らしてくださるような話で、今も志々目先生の書かれた本を読んでいる最中ですが、その本を読んでさらに物事の捉え方や生き方を教えてもらっている感じです。
自分に起きてくる事、自分の家族に起きている事には、そうなる原因がある、と。

幸せなことや楽しいことには「なんでこんなことが起こるのだろう」とは考えないと思いますが、不幸と思えるようなことや辛いことが起こると、「~のせい」と他人や自分以外のもののせいにしたりしがちです。
志々目先生は「何が起きたか」ではなく「なぜ起きたか」を考えて、そうすることで相手のこと周りの人の気持ちを考えることができると言われています。

確かに、起こっている悪い状況だけをみてしまうと、怒りや憎しみを感じたりするだけにとどまってしまいますが、「なぜ起きたか」を考えることで冷静にみることができ、相手のことを考えると同時に自分を振り返ることができます。
こういうものの見方ができると、気持ちにも余裕ができて人間関係も滑らかになるのだろうと思いました。

まだまだ未熟者の自分なので、常にそういう考え方・気持ちでいることは難しいと思いますが、こういうことを知っておくことで少し楽に(前向きに)生きることができるのではないかと思います。

私もうまく表現できませんし、まだ充分にわかっていないところもあると思います。興味のある方は本を読んでみられるとよいと思います。
本:「家庭に笑い声が聞こえますか」

先生はかなりお忙しい方で日本はもちろん、海外にも出かけておられるようですので、遠くまで行かなければ講演を聴くことは難しいかもしれませんが・・・

子どものパワー

2006-09-13 16:21:23 | 育児
二人目が生まれると上のお兄ちゃんお姉ちゃんは新しい家族の一員に興味津々で
抱っこしたり触りたくてたまりません。
周りの大人は危なくないかヒヤヒヤしています

でも子ども同士、兄弟同士ってよ~くわかってますよね。
赤ちゃんは、子どもにはとっても興味を示すし、
泣いている赤ちゃんでもお兄ちゃんやお姉ちゃんが近づくと、
泣き止んで顔をじーっと見ていたり、
にこにこ、ケタケタ笑ったり

泣いているところに上の子に触りまくられて
さらに泣き叫ぶのでは・・・と思っていると
逆に泣き止んでいつの間にか寝てしまってた・・・
という話も聞いたりします。
不思議だなーと思います。
子どもは大人にはない意思疎通のパワーを持っているのでしょうね。

でもたまに赤ちゃんを泣かせてしまうこともあるかもしれません。
我が妹、弟の手やほっぺたを噛んでみたり舐めてみたり。
「どうしてそんなことするのっ!」と叱ると
「だってかわいいんだもん・・・」
いろんな愛情表現があるんですよね

二人目が生まれるとどうしても赤ちゃんのことが優先されたり
上の子は我慢させられることもありがちです。
初めてお母さんを独り占めできなくなったライバルですが、
この世で初めてできたきょうだいです。
少し大目にみて我が子たちのパワーを見守ってみてみるのもいいかもしれませんね。
意外な発見があるかも。。。



ショック!

2006-09-11 22:57:19 | 日々のできごと
コンタクトレンズを流してしまった~~~
小さい頃から目が悪くて、高校以来のコンタクトレンズ愛用者。
今までレンズを割ったことも失くしたこともなかったのが自慢だったのに・・・

仕方なくメガネで過ごしたのですが、
仕事モードの時や外出する時は目障りと言うか、なんだか気になって
今日さっそく新調しました。

私の眼球は普通の人よりちょっとつぶれた感じでラグビーボールのようなのだそうで、
今までもレンズはいつもお取り寄せでした。
今回もまたレンズが届くのをしばらく待つんだろうな~と思っていたのですが、
調べてもらうと丸くなっていて、レンズも在庫ありのものをお持ち帰りできました
なぜ丸くなったのか・・・は不明ですが、
不便さが早く解消できてよかったです。

眼球にもちょっと傷ができていたようで、目薬をもらいました。
コンタクトレンズで目が痛んでいる人は多いらしく、
眼科で働いている知り合いも
「コンタクトで目が大変なことになってる人がたくさんいる。コンタクトは怖い!」
と言っていました。
レンズで角膜に傷ができて潰瘍になったり、
無理な長時間装着で角膜が酸欠状態になるためか、
あるはずもない血管が結膜から角膜に伸びてきたりすることがあるそうです。
こういうトラブルで失明の危険も十分にあるそうです。

私も普段のお手入れは自慢できるものではありません
コンタクトレンズ愛用者の皆様、気をつけましょうね。

発見?

2006-09-08 23:26:52 | 日々のできごと
今日はたぶん満月・・・のはず。
ですが、あいにくの雨でお月様を眺めることはできません。
せっかくの“中秋の名月”なのに・・・と思っていたのですが、
中秋の名月って9月の満月ではないのですねぇ。
知りませんでしたー

“中秋の名月”は旧暦の8月15日なんだそうです。(もしかして常識でしょうか・・・
今年はどうやら10月6日のようです。
カレンダーにも「十五夜」と書いてありました。
でも10月は時期はずれのような感じがしてしまいます。
田舎では「十五夜の相撲大会!」っていうものがありますが、
小さい頃から9月に行われるものだったし・・・。
相撲をとってノートとか筆箱とかもらってました。
中休みのおにぎりもおいしかったしっ!
懐かしい・・・

で、“中秋の名月”の日が満月かっていうとそれも違うようで、
年によっては少しずれたりするみたいです。
今年はどうなのか?

仕事柄、“月の満ち欠け”や“潮の満ち干き”は気にしているのですが、
今日は遅ればせながらの発見?でした