●ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版（１２６）

いやぁ、長かった・・・





’８９　イタリア・フランス　１７５分
監督・・・ジョゼッペ・トトルナトーレ
出演・・・フィリップ・ノワレ　ジャック・ベラン　アニェーゼ・ナーノ


シチリアの小さな村にある映画館パラダイス座。そこで青春時代を過ごした映画監督サルヴァトーレが、当時、慕っていた映写技師アルフレードの訃報を聞き、故郷に帰ってくる。そして、少年時代、青年時代の思い出に浸っていたサルヴァトーレが受け取ったアルフレードの形見には、映画への愛とアルフレードの想いがぎっしり詰まっていた・・・



映画好きならきっと見ているだろう、この作品。
なんとなく手が伸びずに早何年・・・
だから、今更感想を書くのも、ちと恥かしい・・・


いろんなレビューを見ると、この完全版になった事で、良くなった悪くなったと意見も分かれるみたいですね。
今となってはこの完全版しか見ることが出来ないので、比較が出来ないのが残念なんですけれど。

とにかく子供時代のトト（サルヴァトーレ）が愛らしい。
小生意気な子供ではあるんだけれど、映画が好きで好きでたまらない。
何度出入りを禁止されても、めげずに映画館へ通う日々。
この子の表情が全てを物語っているといって過言ではないと思います。
映画館にいるときの表情がとってもいい。目がキラキラしてるんですよ
自分にもこんなに夢中になれるものがあったらな～なんて思ってしまいました。


そして成長して、叶わない恋愛をし、それに破れて一人旅立つ・・・。
３０年も故郷に帰らずにいたが、大好きだった人の訃報を聞き、帰ることを決心する・・・
この時、この恋の破局が実はアルフレードの嘘が原因だった事が判明します。
だけど、それはもう過ぎてしまった事・・・。
アルフレードは決してイジワルでそんな事をしたのではなく、
トトの将来を考えてやった事で、事実、トトは成功して今や立派な映画監督。
それでも元恋人に再開してしまうと、今まで心にしまっていた思いが溢れてきます・・・
でももうすでに二人とも。別々の家庭を持ち違った人生を歩んでいる。
昔を断ち切ろうとする彼女と、まだ未練があるトト。過ぎた時間はもう元には戻らない・・・


実はこういう淡々とした映画はちょっと苦手・・・
本当に淡々とトトの日常を綴っています。だからと言って、退屈・・・ではないんですよね。
そこらへんをどう表現したら良いのか、よくわからないのですが・・・。
町の人達は魅力タップリだし、トトとアルフレードの関係も本当の親子のようだし、
そういうところがいいのかもしれません。

それでも、トトが故郷に帰って久しぶりに訪れた映画館は今や廃業していて、
そこに入れてもらって、数々の思い出の品を見る場面や、映画館の取り壊しの場面、
そして、ラストのアルフレードの形見のフィルムを見たときには、やはり泣いてしまいました。
レビューを見ると、「ラストで号泣」というのが必ずといっていいほど入っていますが、
実際見るまで、どうやったら号泣するようなシーンになるのかわからなかったんですが、
見ると涙が止まりませんでした。
このフィルムにアルフレードのトトへの想いが全部詰まってるんですよね。
どんなにトトを愛していたか・・・。
ちょっと・・・いやかなり長いですが、このラストシーンのための１７５分だったと思います。
（それでもやっぱり長いな・・・）