こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

頭文字[イニシャル]D THE MOVIE (2005)

2005年09月07日 | むむむMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境 

★★

試写会 

上映時間 109分
製作国 香港/中国
公開情報 劇場公開 (ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2005/09/17
ジャンル アクション

藤原とうふ店”を営む父・文太(アンソニー・ウォン)と2人暮らしをする、藤原拓海(ジェイ・チョウ)。友人の樹(チャップマン・トウ)と一緒にガソリンスタンドでアルバイトをし、自分の車を買うことを夢みる普通の高校生である彼だが、毎日水に浸された豆腐を、父のハチロク(AE86)に乗せ、それを迅速に、そして正確に配達することで、完璧なドライビング・テクニックをモノにしていた。それもそのはず。父・文太は過去に、秋名最速の走り屋と言われた伝説の男。つまり、拓海は知らぬ間に父の英才教育を受けていたのだ。ある日、チーム「妙義山ナイトキッズ」のリーダー、中里毅(ショーン・ユー)が拓海と樹が働く、スタンドにやってきた。中里の挑戦を威勢良く受けた樹は、拓海を助手席に乗せてバトルに挑むが、あえなく惨敗。だが、その晩、中里は峠で信じられないドライビング・テクニックを見せるハチロクに遭遇する。(作品資料より抜粋)

 

おいおい!親父、酒呑みすぎだろっ!原作でも綺麗とは言えなかったが、このデフォルメはひどすぎる。これではもはや廃人寸前。熱狂的なファンを持つこの『漫画版走り屋物語』が、ついに実写化されてしまった。しかも香港で。何故だ!何故、日本で作らなかったのだぁ~っ!この作品を観て、つくづくそう思っいました。残念でならないのです。・・・グスン。

この物語の中に出てくる『ハチロク』という車は、天下のトヨタ社が1983年5月から生産を始めたスプリンター・トレノという車の型名【AE-86】のことです。同型のカローラ・レビンも『ハチロク』と呼ばれますが、この2車種の一番の違いはヘッドライトの形状です。トレノはリトラクタブル(開閉式)で、レビンは固定式という点です。走りに関して突き詰めていけば、不利なのはリトラクタブル式のトレノの方。この形状のライトは重量がかさみ、尚且つ開いた時に若干の空気抵抗が生まれるからです。(かなり微妙な点ですが)ですから、走りにこだわる人はレビンを好んで購入していたように思います。実際にはそんな違いなど出るほどの走りはしないくせにネ。

トヨタ スプリンタートレノ 外観

でも、こっちゃんはこの不利なトレノ・モデルの方が好きです。特にこの映画にも出てくるカラーリングの白黒ツートンカラーのトレノが一番好きです。原作にも出てきますが、このトレノは白黒なので『パンダ・トレノ』なんて呼ばれちゃってて、どことなく愛嬌も感じるのデスよ。

もう一つ言わせてもらえば、この同じトレノの中にも、クーペタイプ(後ろにトランクがあるのネ)と、リフトバック(今で言うワゴンタイプみたいにガバッ!て後ろのドアが開くのネ)タイプがあって、この『頭文字D』で巧海が操るハチロクは後者のリフトババック・タイプです。これは親父の職業豆腐屋の営業車として使うため、豆腐を運びやすい形であるためなんですね。う~ん、実に理にかなってる。

トヨタ スプリンタートレノ 外観←リフトバック・タイプね

これが『ハチロク』というクルマなのですが、クルマに興味のない人にとっては「はぁ?」ってなモンでしょ?れっきとした名車なんですよ。一般大衆車ですが。この型のレビン・トレノ以降も、新型のレビン・トレノは作られてたんですけど、このモデル以降はFF(前輪が駆動して走るタイプね)になっちゃったので、一気に人気が無くなってしまっちゃったんですヨ。このハチロクはFR(後輪が駆動するのネ)なのと、チューニング(速くする為にあちっこっちイジくる事ネ)し甲斐があるヤツってコトで、絶版から20年経つ今日でも、その筋の方から絶大な支持を誇る車なんです。まだまだ走ってるの見ますもんね。これってスゴイことだと思いませんか?トヨタ嫌いのこっちゃんも、この車は大好きですモン。

そんな20年も前のクルマが、比較的新しいスカイラインGT-R(以下GTR)や、ランサーエボリューションⅣ(ランエボ・ふぉ~っ!って言います by HG)なんかをブッちぎっちゃうなんていうのは、これはもうたまんない感覚なワケでありますよ。

もちろん、ハチロクは峠の下りバトル専門。エンジンにターボもなけりゃ、排気量がデカいわけでもないので、登りは勝ち目がないんです。でも、この下りのバトルって怖いですよぉ~。度胸試しみたいなもんです。スピードはノルし、いざっていう時に中々止まりませんからっ!正に腕の勝負なんですよね~。

さてさて、映画の方ですが、当然のコトながら注目点は三つ。

①実車を使用してのバトル感
②キャスティング
③ストーリー展開、そして演出

この3点だけは、何としてもシッカリと押さえなければなりません。

この中で一番良かったのは撮影でしたね~。あのガードレール スレスレのとこでテールを振ってドリフトしていくハチロクなんかはさすがに「おおおおっ!ウメ~っ!」っと喜んでしまいます。クライマックスのハチロクvsFC(サバンナRX-7のことネ)vsランエボⅢのコーナーでのバトルシーンはさすがに迫力満点!クラッシュシーンが凄くて、正直ココは鳥肌が立ちました!

藤原拓海 茂木なつき 高橋涼介 中里 毅

キャスティングですが・・・・冒頭でも書きましたが、「コレはないだろ?」という点も多々アリ。一人一人行ってたらキリが無いほど。外観だけなら高橋涼介役のエディソン・チャンはアリかな。「インファナル・アフェアⅡ 無間序曲」でもそうだったけど、彼はカッコいい!鼻が好きですね、こっちゃんは。逆に中里毅ショーン・ユーはカッコ良過ぎて失敗って感じ。どーせなら彼には高橋啓介(涼介の弟ね)をやって欲しかったな。この映画には設定が無かったのが残念。

藤原文太 チャップマン・トウ ジョーダン・チャン ケニー・ビー

最後のストーリーと演出に関して言えば、これはもう別物です!設定や題材はそのまま使って、美味しいエピソードを加工して使用したみたいな映画ですね。まず高橋涼介と中里毅がフレンドリー過ぎるし、涼介に至っては同じバトルに臨む拓海の後押しまでしちゃってる。まるで「走リ屋ミナ ナカヨシ アルネ」みたいなノリ。しかも、全てのキャストの演技がハイテンション。キャラを超えちゃってる!(笑)香港の俳優が日本人の名を語り、日本の生活を演技しているのですが、やっぱり違和感が出てしまうモンですね。この映画の場面は日本じゃない。まさにコレは香港のノリなのです。

あのボヘラ~とした拓海のキャラが変わっちゃってるし、(いつき)もデカい。一番気になったのは須藤京一ランエボⅢの登場シーン。デコトラ・トラックで運搬はないだろっ!あんな高い荷台から、車高を落としたマシン、どーやって降ろすんだ?!そのシーンを見せてくれっ!そんな長~い橋げたでも積んであったというのか?いずれにせよ相当苦労するだろ、あれは・・・・・・。

クルマの走行シーンは良かったケド、アニメや原作と違い、バトルを行っている最中の心のセリフなどが皆無に等しく、バトルの駆け引き感が非常に乏しかったのも残念でした。あと、音楽が良くない。やっぱ、アニメのようにユーロビートでビンビンっていう方がこの映画には合ってる。あの「ワイルドスピード」的なズンドコ節はイヤだったな。

この映画に関して、原作者のしげの秀一先生のコメントがオフィシャルHPに載っていました。「原作と違う部分もありますが、映画自体がとても良く出来ていますので、原作と比べてどう、という見方はして欲しくないですね。原作を忘れて一度頭をフラットにして劇場へ行ってください。僕もそうやって楽しみました。」との事。

無理だヨォ~、それは。だってみんな原作に惚れこんでるんだもの。そういう人が多く足を運ぶ映画だと思うよ。これは「あちゃ~!やっちゃった!」って思ったしげの先生の社交辞令的コメントなんだろうか?こう思わなければ納得出来ない部分が、この映画には多すぎます。

原作は3,900万部を売り上げた人気コミック。その内の一ファンの心情としては、心にモヤモヤが残ってしまいました。たぶんこの映画はもう観ないでしょう。観るならアニメを選びます。それくらいモトモトは楽しい話なのよぉ~。ぜひ、日本の感覚で作り直してもらいたい。

会場を後にしながら、「楽しかったネ~♪」と言ってたオバちゃん達。
お目当ては分かります。

「あなた若いオトコしか見てなかったでしょ?」

《2006.07.22記事一部改訂》

 

【作品関連グッズ】頭文字[イニシャル]D THE MOVIE



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40 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おもしろすぎ! (やっぱり邦画好き…)
2005-09-07 15:28:11
映画より、こっちゃんのコメントの方が”絶対”面白いです!

私は試写会場に行って、なんでズンドコって音楽なってるんだ???と疑問に思っていました。変だよね~

外国からみた、日本のオヤジをイメージする音楽って、ズンドコかよーーっ!!

TBさせていただきます。
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こっちゃんは・・・ (m52387177)
2005-09-07 17:14:31
こっちゃんは走り屋さんか?

詳しすぎる(笑)



おいらは環境重視でマニュアルの車が好きです。

オートマは眠くなるとです。

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車は (はんな)
2005-09-07 18:03:19
オートマしか乗れません。

免許取った時はマニュアルだったんですけどね、

ヨーロッパでトヨタのセダンはオートマしかありませんでしたから。



☆二つに安心。観なくていいや。
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おや、まぁ (kaz.)
2005-09-07 19:12:22
実際、なんで香港映画に映画化権を与えたのかなぁ~

原作者の人も少しは考えるべきだ!



ほんとにもぉ~~。

って、マンガは読んだことないけどね。



こっちゃんはトヨタ車嫌いなのかい~。
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サバンナ・涼介好き (くまたん)
2005-09-07 19:36:57
アニメ観て解説聞いて観たのでくまたん結構面白かったよ。車詳しくないから・・・拓海のイメージはね~~~車と「イニシャルD」に思いいれのあるこっちゃんには妥協出来ないとこだらけなんでしょうね。

何故の説明なかったからね。

あ!くまたんの前に並んでた男の子が「藤原とうふ店」のキャップかぶってたのがかわいかった。拓海好きなんだろうな~~~



こっちゃんはトヨタ車面白くないと言っておられました。やばいやつです。
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詳しい! (km_achin)
2005-09-07 19:57:46
こっちゃん、漫画読み込んでますねぇー。

私は読んだことないです。

ズンドコなんですか。

予告編じゃ、わからなかったです。

でも、予告編でも使われてるのかなぁ
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いやや。 (【やっぱり邦画好き・・・さんへ】こっちゃん)
2005-09-07 21:24:30
そんな~。

でも、この映画チョットがっかりでした。

好きな原作は期待しすぎてダメですね。

だって、この映画に原作者は編集ですら絡んでないですもんね。

まるっきりお任せ状態ですもんね。

まさかこの程度の出来とは・・・・・。

でも、試写会帰りの走りはチョット熱くなりました(笑)

ははは~。



   こっちゃん
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走り屋ではないよ。 (【mさんへ】こっちゃん)
2005-09-07 21:27:34
タダの車好き。

こっちゃんの車もパワーがないので

登りは全然ダメです。

ハチロクよりパワーないもんなぁ。

冬、雪が降ったら全開で走ってます(笑)



   こっちゃん
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う~ん (【はんなさんへ】こっちゃん)
2005-09-07 21:30:08
はんなさんにはオススメできないなぁ~。

これは。

車大好きなこっちゃんでもこんな感じデス。

★2個。

う~ん。

そうなの?

ヨーロッパ・TOYOTAはオートマのみですか?

あら~つまんない。

やっぱマニュアルですよ。



   こっちゃん
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こっちゃんはホンダ党。 (【かずろぐさんへ】こっちゃん)
2005-09-07 21:32:42
だからTOYOTAはあんまり好きじゃないの。

でも、このハチロクはいい車です。

たまにTOYOTAもいい車を作るので侮れません。

高級車ばかりじゃつまんないのよね~。



なんで日本で作らなかったんだろ、ホント。

普通渡すか?香港に。

ねぇ~。



   こっちゃん
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