ジェネリック薬品とは3割~8割の低価格で
薬が使えて、成分はかわらないのもの。
詳しくは…
先発医薬品と成分や規格が同じとして承認された医薬品(後発医薬品)のこと。
先発医薬品はその効果や安全性を臨床試験で証明し
「新薬」として販売されるまで多くの時間とコストが
必要となるため、開発費や特許費用、ライセンス費用が
価格に上乗せされ、おのずと値段が上がってしまう。
が、先発品の特許等が切れた後に発売されるジェネリック薬品には
開発コストがほぼかからないため、先発品に比べて大幅に値段を
下げることができる。
先発品とジェネリック薬品を上手く使い分けることで、
患者の医療負担を軽減し、国の医療費自体も抑制することが
できるのではと期待されている。
wisdom↓より
http://www.blwisdom.com/word/key/100175.html
このジェネリック薬品は患者の医療費の負担が軽減される
のでよいとされているが、特許との兼ね合いが問題である。
International Herald Tribuneの記事に
AIDS薬の特許に関しての話が出ていた。
AIDS drug provokes patent battle in India ↓
http://www.iht.com/articles/2006/05/10/news/aids.php
ここでは特許を認めてしまうと薬が高額なため
命の危機に瀕する人々が多くでてくるということである。
薬で命が救えるとわかっていても高額なため使えない。
費用をみると、
Gilead's tenofovir costs $5,718 per patient per year.
対して、
Cipla, one of the largest generics companies in India, is already marketing a generic version of tenofovir, called tenvir, at a cost of $700 per person per year in India
ってことでジェネリック薬品にすると費用が八分の一に抑えられるのである。
WHOも推奨する薬も欧米では広く使われているが、アフリカ等エイズの被害が
ひどい国々ではまだまだ使われていないという状況であるようだ。
薬が手に入ると命の危機から脱出できる。
こういう状況であっても、WTOは欧米のコピー(ジェネリック薬品のようなもの)
をインドで製造することを規制しようとしている。
もちろん特許を認めるというのは大事なことでもある。
中国で使われている、PCにインストールされているWindowsは
ほとんどが海賊版といわれているが、特許のあるこの製品に
対してそれがコピーによって侵害されている。ここでMSはかなりの
損失を被っているらしい。
グローバル化が進む中で、WTOなどが法整備をすることはこういう
ことを抑制する意味でも重要なことである。
また、特許を認めることでR&Dのインセンティブも沸くし、インドに
おいて世界レベルの医薬品を作り出し、インドにおいて製薬会社が
利益を上げていくことにも寄与していくことも十分に考えれらる。
しかし、人の命が懸かっている。
この記事の最後に、
知的財産や特許に対して反対をするのではなく、
独占されることには反対であって、みんなが必要と
しているような薬は自由に利用できるべきだと
Ciplaの社長であるYusuf Hamiedはいっている。
特許をどこまで守って、R&Dのインセンティブを損なわせないようにするか。
対して、価格を抑えて広くエイズのような病気で苦しむ人々を救うか。
ジェネリック薬品の需要はこれからさらにましてくると思う。
それでも、製薬会社などが人々の病気を治す薬を開発するために
その開発コストや時間に報いるような報酬も必要である。
エイズは悪だ!という国際世論ができて、製薬会社がエイズ撲滅に
貢献するような活動をしていくという手段もあるが難しいと感じる。
WHOが世界規模で蔓延している病気に対しての薬の特許を
買い取るといった手段もあるが、それだけの資金も望めない。
そうするとR&Dのインセンティブを損なわないように
また、開発に見合うだけの報酬を得られて、かつエイズのような
病気で苦しむ人々を救えるように薬品を手に入れるためには
どうしたらよいのだろう?エイズ薬のような薬を公共財のように
扱えるようにはなるのだろうか・・・。
特許がどのように認められるかわかないけれど、
特許がどこまで認められて、それによって損失や利益を得る人が
どれだけいるといったことなど基準をしっかりと設けていかないと
いけないのかなと思う。
なんでもかんでも特許を認めていいものでもないと思う。
例えば地域の住民が薬草として使っていたものの成分を取り出して
それを特許とすることで、住民がそれを使えなくなるといった
ことは正しい特許とは思いたくない。
特許の兼ね合いというのはとても難しいもんだいだと思う。
法律がどのように決まるかということにも関連してくるのだろうか。
経済合理性?正義?
私個人的には、エイズのように広く世界で問題になっているような
薬に関しては廉価版も認めていくべきだと思うが、それに対して
製薬会社などの社会的行動を認める動きも必要だと思う。
社会的な責任ということを期待するというのも手段として考えれるが
利益をあげることが企業の目的である。
なので、なんの利益もなしにただ協力しろというのは難しいと思う。
製薬会社にとって、エイズなどに貢献することが特許全体を
侵害するものではなく、社会益となり、企業の持続的な発展の
ために寄与することが示されるようなことが必要だと考える。