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TPPを考える

2015-11-09 10:39:39 | Weblog

3年という時間をかけてTPPが妥結したという。この問題は交渉の過程が全く見えないので、どういう交渉をしたのか、何がどう国益に資するのか外から見ては何も分からない。甘利氏が代表という事で、当時黒かった髪の毛が最近白く変わったが、白髪染めだけのせいではないような苦労があったようだが、国民には全く理解ができない。

我々民間人は物事を決める時は、まずお互いの要求を出してこちら側とそちら側の妥協点を探るのだが、12カ国もあるとそれは大変であったろうと思われる。しかしながらこのTPPという協議はとどのつまり、対中国封じ込め作戦の側面もあろう。最初、日本が入っていなかったからアメリカの圧力で入るざるえなかったのだろうが、こんなに時間と金を費やした会議も他ではないだろう。

下種の勘繰りのようで嫌だが、甘利大臣以下の交渉団の出張費用が一体いくらかかったのか、公表をしてほしいものだ。民間の会社であれば利益が出る事が判れば、多少の経費は捻出するかもしれないが、本当に利益が出るのか?この場合国民に大きな利益をもたらすのか、また被害を受ける業界の救援策はちゃんと担保できるのか。全く判らない。

驚くべき事に各国で議会の承認と批准という関門があるというのだ。しかもそれは言いだしっぺなアメリカ議会が賛成しかねるという、つまり保護貿易をしようというのだ。大臣同士が交渉し、決まったらそのまま実行に移されると思っていたら、ひっくり返る可能性があるというこんな貿易協定というものがあるのだろうかと不思議でならない。一般論では身内の確約でこう行こうと決めて交渉に臨むのが外交交渉だと思うのだが、、、、

目立つ農業関係者はおそらく梯子を外された事で怒っているだろうが、自動車関係者は喜んでいるのだろう。この乖離をどう埋めるのか甘利大臣や交渉担当者はどうするのだろうか。政府が決めた事と常套手段で強引を貫くのか。数年後の見直しで無関税の商品や作物が押し寄せた場合、この国の安全保障は大丈夫なのだろうか?

万が一、食糧難になった時いきなりの生産が出来ない食物は、間違いなく輸入に頼らざるを得ないのだが、それさえも戦争の武器として日本が飢えるという現実が起きて来るのである。輸出国の裁量で日本が兵糧攻めにあうのは自明の事だと思うが、その対策はTPP関係者には理解しているのだろうか。

紋切り型の政府のやり方は沖縄問題にしても、原発再稼働にしても、福島原発の問題にしても行き詰まる事は目に見えているのに、自民党が強いというためになんら手を打てない政治をますます国民から遠いものにしていないか。安保法案に関しての逃げ切り策で国会を開かないという暴挙も、もはや国民に政治は諦めてくださいと言っているようなもので、安く牛肉が食べられますよと言っても老人大国の日本でそうは大量に肉は食べないし、品質管理の不明な食料が沢山出回る可能性も出てくるのは覚悟せねばならないだろう。

アメリカの狙いは日本人の個人資産の吐き出しだという事に気がつかねばならないだろう。そして公的年金の巨額の積立金、医療、薬品、保険等々あまり話題に乗らない分野も気をつけなければならないだろう。こうした情報やその過程が見えない条約は勉強しておかなければ対処できなくなるので、警鐘を鳴らしたい。

何よりも国内産を多少高くても安心な食材を購入するか、自身で作るかして対応を考えておくしか防御が出来ないので、多少不自由になっても将来の孫子の時代に、より良いこの国の在り方を残しておきたいと思う。身近な事で言うと宴会での食べ放題や飲み放題はやめる事。ある同窓会に出たが、八千円で飲み放題という会であったが、もうそんな飲み食いができる年でもないし、必ず大量の残り物が出る。今後はそういうような会には出ないように自分ではしている。

このTPPは自分たちの生活に直に効いてくる条約だから、今後とも注視していこうと思う。官房長官の菅氏、TPPの甘利氏ともに神奈川選出の政治家なので彼らの言動や見識をこれからも注視していきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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