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水生生物雑記帳・男鹿半島幻想・接写と拡大写真

男鹿半島幻想:男鹿に棲む竜(2)

2014-10-26 11:14:20 | 男鹿半島幻想


 西暦915年、十和田火山爆発。




 七座山(ななくらやま)周辺地図

 


 きみまち阪から眺めた七座山(ななくらやま)
 米代川は左から右へと流れている。


 西暦915年8月17日、十和田火山が大爆発した。
過去2000年間で、日本で最大の噴火である。

 莫大な量の火山灰は、花輪盆地の幅の狭い出口、
土筆森で米代川の流れをとめ、ダムができはじめたが、
まもなく崩壊し、火山灰は米代川沿いにふたたび流れ、
二ツ井の七座山(ななくらやま)の狭窄部で、巨大なダムが造られた。

 鷹巣の集落は、流されてきた火山灰の泥流に埋没した。
のちに、米代川増水で崩れた川岸から、埋没家屋が出てきたことを、
菅江真澄が「にえのしらがみ」に記載し、描いている。

 水量が増え続け、やがて、このダムも崩壊し、濁流が川を下った。
米代川の河口に達するとそこを埋めつくした。
行き場を失った流れは、 八郎潟へと流入し、津波となった。

 そのころ、雄物川は八郎潟へ流れ込み、米代川河口から海へ出ていたのだが、
津波が運んできた土砂によって流れは堰き止められ、秋田から海に流れ出るようになった。
また、現在の天王あたりで、雄物川にかかっていた橋も壊され流された。

 八郎太郎・夫殿の岩屋・姥御前神社・田沢湖も含めた
三湖伝説・船越水道の「板田の橋」・雄物川の流れ、など、
すべてがこの短い文章のなかに含まれている。もちろん私の幻想が含まれている。
(雄物川の部分が幻想)

 ただ、この時代に橋があったというのは、かなり無理があるだろう。
 十和田の噴火と伝説は、研究発表もされているが、私はまだ読んでいない。


【八郎太郎伝説】
 八郎太郎は、山でイワナを捕まえて食べたあと、喉が渇き、
川の水を飲むと、大蛇に変身してしまった。
 そこで、流れを堰き止めて、十和田湖を造り、そこに棲んでいたのだが、
南祖坊に追い出されてしまう。
 八郎太郎は川を下り、花輪の土筆森のところで、
米代川を堰き止めて棲み家を造り始めたが、古来からの土地の神々に、
また追われてしまう。
 八郎太郎はさらに下流へ進み、二ツ井の七座山で川を塞ぎ、
大きなダムができあがったけれど、それを天神様がネズミに壊させてしまう。
 最後に八郎潟にたどりついて、夫殿の岩屋・姥御前神社の話になる。
その後、田沢湖の辰子姫に恋をする。


参考:
・火山,43巻,5号,403-407頁,1998年
  日本海をはさんで10世紀に相次いで起こった
  二つの大噴火の年月日 --十和田湖と白頭山--
  早川由紀夫・小山真人
・菅江真澄の旅と日記、ほか
  内田武志
・米代川 川村公一
  東北地方建設局
  森吉山ダム工事事務所

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・カシミール



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3 コメント

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田沢湖の (風信子)
2014-10-26 18:56:32
辰子姫の話いいですね~
十和田湖のゴールドの像は輝いてました^^
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ごめん! (風信子)
2014-10-26 18:57:42
田沢湖のゴールドの像でした^^;
返信する
風信子 (kmitoh)
2014-10-27 06:20:38
 私は金色や銀色が好きではありません。
 辰子姫の像も、ガラスで作られていたほうが似合うと思います。
 辰子姫をイメージしたガラス細工をつくられてはどうですか。

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