ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

バイクエンジンの気筒数(その1)

2016年01月06日 22時54分45秒 | バイク
内燃機関を動力とする乗り物であるバイクのエンジンの気筒数にはどんな種類があるのでしょうか。
過去に作られたか販売されたバイクについて思いつくままに挙げてみます。
また、そのエンジンのレイアウトの方式も挙げてみましょう。

バイクのエンジンは大きく分けて単気筒と多気筒のものとに分類できます。
気筒数の少ない順から行きましょうかね。
単気筒は文字通り気筒の数が一つで、多気筒は複数のシリンダーを持つものである。
単気筒エンジンを持つバイクは原付から中大型バイクまで様々なものが作られている。
排気量の少ないものではスーパーカブや原付スクーターがある。
単気筒の排気量の上限は600から650CCぐらいまでが普通であるが、中には800CC近いエンジンを作ってしまったメーカーがあった。ススキがそれである。
スズキのDR800Sのエンジンは量産車では世界最大排気量の単気筒なのである。
その排気量は779CCで、ボア・ストロークは105X90mmとなっている。
10センチもの直径のピストンが9センチも上下するのですからそのエンジンの鼓動感はどんなものなのでしょうかね。
  
上記画像がDR800Sである。DR800Sは既に販売が終了してしまっていますが、それとよく似たバイクが現在海外メーカーから販売されている。
次のものである。

これはBMWのF800GSという車種であるがそのエンジンは2気筒の800CCである。上の二つの画像を見ると前輪を覆うフェンダーの上に突き出しているカウル状の物の形状が極めて似ていることに気が付かれると思います。DR800Sは巷では「ファラオの怪鳥」と呼ばれているそうです。フロントのカウルらしきものの先端が突き出ている様は鳥のくちばしそのものですね。
私事で恐縮ですがF800GSは親元を離れている小生の息子が所有しています。彼が帰省の折に乗ってきたことがあり見せてもらったが、800CCの排気量に見合った風格を備えたバイクであった。

さて、単気筒エンジンのレイアウトはシリンダーを横置きにしたものと縦置きにしたものとがあります。
横置きの代表的なものにはホンダのカブ系列のエンジンがあります。次の物です。

また縦置きエンジンには同じくホンダの物ですが次の物があります。

シリンダーの配置がクランクケースに対して横か縦かによって横型とか縦型と言っているようです。
レイアウトの違いによるエンジンの性格の差異は少ないように思われます。あえて言えば縦型エンジンはスポーツ車に、そして横型エンジンはスーパーカブなどの実用車に使われることが多かったように思われます。

次は2気筒エンジンに行ってみましょうか。
今でこそ高性能バイクのエンジンの主流は4気筒などのマルチエンジンですが、ホンダによって4気筒車が発売されるまで、2気筒はバイクエンジンの主流の座におりました。
2気筒エンジンの排気量は市販車では90CCが最小の物であったと記憶しています。
メーカはスズキで車名はウルフT90と言いました。画像がありましたので載せてみます。

ウルフT90のエンジンは2ストロークでした。
当時のウルフは、「90ccクラスと125ccクラスとのふたつの排気量設定があった。 ウルフT90は10.5馬力を発生させる、当時としても珍しい89cc空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブのエンジンを前傾横置きに搭載したモデルである」と巨大辞書に載っていました。
このバイクには高校生の時、知り合いが乗っていましたので後部シートにのせてもらい秋田市から男鹿半島まで行ったことがあります。
市販車ではありませんが、ホンダはかって国際レースの50CCクラスに2気筒車で参戦していたことがありました。 ホンダRC115というのがそのレーサーの車名です。画像がありましたので載せておきます。


さて、2気筒エンジンには数種類のレイアウトがあります。

まず一番目はクランクケースの上に縦にシリンダーが載っている配置のもの。
このレイアウトはバーチカルツイン又はパラレルツインと呼ばれ2気筒エンジンでは伝統的なレイアウトです。

二番目はクランクケースの左右に水平にシリンダーを配したもの。俗にいうフラットツインと言われるものです。このレイアウトのオリジナルはBMWですが、これを模した国産車もかっては存在してました。バイク収集マニアのお医者さんが所有して走っているのを秋田市内で見たことがあります。そのバイクのメーカーは確かDSKと言っていたように記憶しています。

三番目は一番と二番の中間に位置するレイアウトのものがあります。垂直(バーチカル)と水平(フラット)の中間ですので傾斜(スラント)と言うのかと思いきや、そうは言われなくて、Vツインと一般に言われています。代表的なバイクはイタリアのモト・グッツィです。国産車にもこのレイアウトのものがありました。ホンダのGL400とGL500です。このバイクのエンジンはクランク軸に対してシリンダーが22度ひねられた状態で配置されるという特異なレイアウトをしていました。メーカーのホンダの販売コピーでは「ツイステッドV型エンジン」と言うのを売り物にしていた記憶があります。ホンダの試乗会で一度GL400に乗ったことがありました。重量のあるバイクにも関わらず、割合に取り回しも軽やかで運転しやすいバイクでした。一番の長所は弁形式がOHVにも関わらず高回転まで良く回る音の静かなエンジンでした。

「V型エンジン」が出たついでに「V型}の話題をもうすこし。
一口にV型と言っても大きく分けると2種類になります。車体の進行方向に対してシリンダーを左右に配置したものとシリンダーを前後に配したものがあるのです。
左右配置の代表は先に述べたモト・グッツィなどで、前後配置の代表にはアメリカのハーレーがあります。イタリアのドゥカティのL型2気筒もVツインの一種とみることができます。

ここで余談ですが、かなり変則な2気筒車がかってはあったことを思い出しました。それはカワサキのKR250というレーサーレプリカです。
一般的なバイクのエンジンは複数のシリンダーを持つエンジンであってもクランクケース内のクランク軸は一本であるのが普通ですが、KR250はクランクケース上に二つのシリンダーを前後に配置して、しかもクランク軸は各シリンダーごとに各一本づつ持つという変則さであった。当時カワサキではこのレイアウトを「タンデムツイン」と称していました。

2気筒車の最小排気量は先に述べたスズキウルフT90ですが、大排気量車にはどんなものがあるのでしょうか。国内メーカーではカワサキVN2000が2000ccを超える排気量でV型2気筒の雄であろう。それに次ぐ排気量ではヤマハのXV1900CUがある。そのエンジンレイアウトもVツインである。海外メーカーではハーレーの80キュービックインチの排気量が長らく大排気量2気筒車の王座を誇っていました。
しかし近年は先に挙げたカワサキとヤマハに排気量の面ではトップの座を明け渡した感があります。

史上最も美しい2気筒バイクは何か、と尋ねられれば小生はイギリスのBrough Superior(ブラフ・シューペリア)社のSS100を挙げてみたい。アラビアのロレンスが実生活で乗っていたオートバイです。
思いつくままに単気筒と2気筒エンジンのことを記してきましたが、種も尽きてきましたので次回は2気筒より大きいものを挙げてみたいと思います。
次に続く


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