ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

色のない世界ーその2-

2017年09月27日 18時33分08秒 | 建築と精神
先回は画像がありませんでしたが、今回は具体的な画像を添えて、色彩と明暗について考えてみましょう。

まずは次の二つの画像を見ていただきましょう。





これ等の写真は田沢湖畔にあるかっての分校の校舎内の画像です。
上の物はごく普通にカラーで、下の物はその同じ画像の彩度を極限まで落とした時の画像です。
彩度を極限まで落とすと画像の色彩は失われて、明暗だけが表示されます。

これ等の画像処理をどのようにして行ったかを簡単に説明します。

元の画像はカメラ側で写すときにRAW形式でデーターを保存しています。
デジタルカメラは感光素子の一点ごとに明暗の度合いとRGBの各色の分布の度合いが記録されています。
一般にコンパクトデジカメと呼ばれているカメラはそれらのデーターをカメラで記録するときに、JPG形式で記録するようになっています。
このJPG形式での記録の仕方は不可逆的な方式で、カメラ側に白黒写真を撮る設定があるとして、その設定で画像を記録しますと、白黒の写真になります。
カメラが保存する白黒の写真は実は元のデーターからRGBに関するデーターを取り除いているために、カラー写真には復元は出来ません。
一方、RAW形式で保存されたデーターには明暗の度合いとRGBの分布の度合いが記録されていますので、このデーターを基にカラーでの出力や白黒での出力が可能になっています。
元の画像が一緒でもカラーにも白黒にも現像が出来てしまうわけです。

さてここで、私たちは白黒に変換する前のカラー画像をあらかじめ見ている訳です。

この画像をトリミングをしてみました。
次のものです。



廊下の天井の照明部分だけを切り取ったものです。

私たちは天井の照明が、他の物より明るさを多く持っている事を経験的に知っていますので、画像の中心で光る物体が天井に付いている電灯である事を、自然に認識できます。

この実験から言えることは写真の表現に関して言えば、カラー写真の方が情報の量は白黒写真に比べれば圧倒的に多いのです。
ですが、ここで処理したように天井の電灯だけを切り取った時の画像でもこの物体が照明の器具であるのは容易に判別できます。
ですから、私たちはフルカラーで物を見ることに慣れてしまっていますが、見るもの全てがフルカラーでなければその物体を認識できないというわけではない事に、気がつかれると思います。

対象によっては白黒での認識でも充分な場合があるという事なのでしょう。

と言うようなことを思いつきましたので、しばらくは白黒の写真を撮ってみたいと考えているところです。












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