棋書評「万波姉妹のぐんぐん強くなる囲碁Q&A」

「万波姉妹のぐんぐん強くなる囲碁Q&A」
（MYCOM：万波佳奈・万波奈穂共著）

人気プロ棋士万波姉妹の本。

先に紹介した「万波佳奈の囲碁上達ハンドブック」の
アップグレート版といってよく、コンセプトは一緒。
ファンからの囲碁に関する質問に、
万波佳奈・奈穂両プロが答えていくという形だ。
構成は伊瀬英介。

質問は全140。

リンク先の「目次」をみていただくとわかると思うが、
「ハンドブック」と比べてもと
更にムチャブリな質問が増えている。
しかしそれにもうろたえず、
姉妹がテキパキと仕分けていく様は読んでいて気持ちいい。

両者の掛け合いはとても楽しく、
ちょっとした漫才のようだ。
どちらかというと姉の佳奈プロが「ボケ」で
奈穂プロが「ツッコミ」という感じかな？

いくつか例を挙げよう。

「どこに打っていいかわからないときは？」
佳奈「迷ったら、何も考えずに本能のままに打つのが一番かと」
奈穂「意味わかんないよ（苦笑）」

「戦わないで勝つ方法はありますか？」
佳奈「けど…戦わないと碁がつまらなくない？」

「お二人の勉強法は？」
奈穂「私はネット碁と棋譜並べかな。最近の碁はすべて並べます」
佳奈「私の碁も並べるの？」
奈穂「並べない（笑）」

etc…
ニヤニヤしてしまうので私のように電車の中で読んではいけない（笑）。

棋風も「攻めが好き」な佳奈プロ、
「地を稼ぐのが好き」「難解定石が好き」な奈穂プロと違いがあり、
お互いの得意不得意な分野をよく補完しあっている。

これで中身のイラストが、
グラビアだったら迷わず買っただろう（笑）。
一応、モノクロながらスナップショットが10枚ぐらいあるが、
小さいし可愛くない！

私のイメージはコチラの麻雀の本。

真面目な囲碁ファンはかえってそういうのは嫌がるのかなぁ？
確かに囲碁は実力があってナンボだけれど、
見た目で推していけるのはわずかな時間だし、
そういう時期をもっと活用しないのは筋が悪いと思うのだけれど、どうだろう？
【18：35追記】発売時に同じこと力説してますね。
本当にしつこい（滝汗）。

ちなみに本日（6/19）20時から、
両者はネット棋戦大和証券杯準決勝で対戦する。

本書のP.54に
「どっちのほうが強いですか？」
という質問があるが、その中で
「大きな舞台で二人で打ってみたいですね」
という回答が早くも実現したことになり、感慨深い。
「私の方が強い」
と両者答えているが、果たしてどちらに軍配が上がるのだろうか？

【参考】新刊棋書情報「万波姉妹のぐんぐん強くなる囲碁Q&A」