翻訳屋さんの日記

駆け出し翻訳者の日常です。

I'm sorry はごめんなさい?

2005年08月04日 | 英語のはなし
今日は一日ゆっくりと過ごす予定だったのに、時差を利用した特急の作業が入ってしまいました。くーーーっ。日本時間の夕方にファイルが届き、日本時間の朝までに仕上げる、というものです。日本とは夜と昼が逆転していますから、翻訳会社にとっては便利ですよね。せっかくの予定も、ちょこっとだけお友達と会って、失礼してきてしまいました。残念!

その仕事もとりあえず一通り終わらせたので、しばらく時間を置いてから再度見直しです。

さてさて、今日もちょっと英語のお話。
I'm sorry.といえば、もちろん“ごめんなさい。”・・・・と思っていますよね?

でも、ネイティブの使い方を見ていると、「必ずしも=ではない」と思うようになりました。
例えば、Aさんのお兄さんのお嫁さんのお父さんが亡くなったという話を、AさんがBさんにしている、とします。この場合でも、BさんはAさんに“I'm sorry.”と言うのです。日本語だと、“お気の毒に”といいたい場面です。

そこで、I'm sorryには、ごめんなさい、という意味と、お気の毒に、という意味があるのだと判断したのですが、どうやらそれもちがうようです。ネイティブの人にこの話しをしたら、“よくわからないわ!”との事。私の英語が下手なのかもしれませんが、恐らく、彼らの中では日本語で“ごめんなさい”と“お気の毒に”という場面に感じる感覚が少し違うのだと思い至りました。

sorry なんて簡単な単語をわざわざ辞書で調べたことがある人も少ないと思うのですが、辞書にはこう書いてあります。
"to tell someone that you wish you had not done something that has affected them badly"、"to feel pity or sympathy for someone because something bad has happend to them"
そして、
"feeling ashamed or unhappy about something bad you have done"

その他にもあるのですが、この3番目の意味が一番日本語の“ごめんなさい”に近いと思いますが、その他は“○○という事は起こるべきではなかったと思う”または“○○という事をしなければよかったと反省している”という自分の判断を伝える言葉のようです。

日本語の“ごめんなさい”には、完全降伏のようなニュアンスがあって、追いつめられて(または自分で追いつめて)どうにも出来ない状態でわびるという感じがあります。“ごめんで済めば警察はいらないんだよ!”なんて言う人もいますが、何かの間違いをした場合に、ごめんといったからといって許してもらえる訳ではない、という暗黙の了解があるように思います。それだけ、ごめんなさいは“許しを請う”ために言う言葉なんですね。

ところが、英語でI'm sorryが使われている場面を見ると、どうも違うようです。一種の開き直りのようにも見えます。I'm sorryを言った後にも相手からAccuse されると、逆ギレかのように“I'm sorry っていってるでしょ!”というような言葉を返します。

I'm sorry は、誰がしたことであれ、○○は起こるべきではなかったと思う、という意見の表明のように見えます。私はあなたに同意します、とでも言えるでしょうか。同意している、と言っている以上、責められてもどうしようもない、という事なのかも。

誰かが亡くなった、誰かがひどい目にあった、という場合に、I'm sorryと言うのは、そんな事は起きるべきではなかったと思っています、という意見表明。
自分がしでかした事については、今は自分が○○すべきではなかったと思っています、という宣言。

じゃ、例えばちょっと体がぶつかったとか、そういう場合に言うI'm sorry は?・・・というと、これが、こういう場面で日本語で使われる“ごめんなさい”に一番近い感覚です。あら、ちょっと失礼!ってな感じに使われるsorryです。

よく、アメリカでは訴訟社会だから、車が事故になっても謝ってはいけない、なんて言われますが、こう考えるとよくわかりますね。「ごめん」と言わないのではなく、責任の割合が不明なので、自分に責任があることを宣言しない、というだけなんだと思います。責任は、今後の調査で明らかになるべき事だからです。

アメリカに来る前、こんな話を聞いていましたから、アメリカ人はずいぶん横柄なんじゃなかろうか?って思っていましたが、そんな事はありません。Sorry(おっと失礼!)はごくごく普通によく耳にする言葉です。

ただ、事が大きくなった場合には、ちょいと失礼!ではなく、自分の意思表明の言葉に変わるので、納得した上でないと“使えない”ことばなんだと思います。

英語で“許しを請う”場合には、“I owe you an apology.”が感覚が近いように思います。そして、英語には日本語にはない、Apology accepted.という返す言葉があります。日本語ではあやまっても、うやむやのうちに時間が解決するような所がありますが、英語では“Apology Accepted.”という言葉で完結します。これもおもしろいですよね。

さて、見直し作業に取りかかります。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様です (あきさと)
2005-08-04 21:00:03
お久し振りです。いや毎日読ませていたんですがコメントせずに終わっていました。申し訳ない。最近まとめが「さて仕事に戻ります」的な終わり方ですね。仕事の合間の気分転換にブログ付けているのでしょうか?お仕事頑張って下さい。ではまた。
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そうですねー (kitasan)
2005-08-05 08:48:54
夕方のちょっと時間の空いた時に書いてる事が多いです。



最近、とにかく暑くて、夕方の時間が一番辛いんですよね。今年は特に暑いように思います。冷房が恋しいです。



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I'm sorry について (うじ虫ウジ)
2006-09-30 00:25:27
I'm sorry には三つの意味

ごめんなさい

残念に思う

後悔している

という意味があると思います。



I'm sorry I came home drunk.

酔っ払って帰ってごめん

I'm sorry They're getting a divorce next week.

あいつらが離婚するのは残念だ

I'm sorry I've said too much.

余計なことを言って後悔してる



こんな感じでぜんぜん使えるとおもいます。



なにぶんネット上のやりとりなんで信用できる情報か迷われるかと思いますんで、ネイティブの人に確認

とって使ってみてください。

それでは bye bye

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