ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

鉄道博物館

2008-03-24 23:03:48 | ぶろぐのおけいこ

  高崎線の電車が大宮駅を出発してしばらく走ると、進行方向左手にちっちゃい新幹線「はやて」が走っているのが見えます。本物の東北新幹線は、その向こうに高架で走っているのですが、これは鉄道博物館のミニシャトル列車です。さらにしばらく走ると国鉄時代の塗装のキハ11系の気動車が置かれているのが見えます。
  交通博物館。さいたま市大宮区大成町に2007年10月も開館しました。休日に訪れましたが、館内は大変な賑わいです。鉄道好きと子どもばかりに違いないと思っていましたが、これが大きな間違いで、カップルから老人から親子連れ、老若男女ありとあらゆる層の人たちがいる様子です。C57が転車台の上で一回りするのを見て、そんなに面白いか?と思えるほどに人が集まり、HOゲージのジオラマにも、トレインシュミレターにも、ミニ運転列車にも並びが入ります。
  ここの魅力と思われることを整理してみます。

  • 鉄道=人生であると思われること。 展示されているのは以前に活躍した列車ではあるけれど、入場者にとってはその列車に乗った人生があります。鉄道の歴史を振り返ることは、自分の人生を振り返ることにも繋がります。老夫婦がかつて乗ったその車両を静かに見上げているところや、母親が子どもに、「お母さんは昔この電車に乗って…」なんて話しているところも見かけました。人生を振り返り、語れる素材がいっぱいあることが魅力のひとつなのではないかと思います。
  • 学べる仕組みがちゃんとあること。 各階にラーニングホールと呼ばれる部分があって、鉄道業務の体験学習や鉄道車両の動力やブレーキの仕組みを学べたりします。展示だけではなく、学びとしての側面がしっかりとあるのです。そして、喧騒の中でもじっくり腰を据えて、理解しようとする人たちもいました。博物館というところは往々にして学ぶ部分は地味で、素通りしてしまうものですが、ここでも博物館の狙いは的を射ているように思われます。鉄道博物館のロゴデザインは蒸気機関車の動輪に連接棒をつなげたような形ですが、鉄道博物館のwebサイトによると「3つの輪は鉄道博物館の3つのコンセプトである『鉄道』『歴史』『教育』を表」わすと書かれています。
  • 食欲を満たす仕組みがちゃんあること。 館内に何箇所かあるレストラン、駅弁の販売ブース。入館のゲートをくぐったところにある日本食堂は、カレーの匂いが食欲をそそります。かつて「旅のレストラン」として食堂車やあちこちの駅構内にあった日本食堂です。係の女性の制服も懐かしいデザイン。さらに駅弁を売っているコーナーもありますが、これをどこで食べるか。展示されている特急電車や急行電車の車両内で食べることができます。折からの駅弁ブームですが、なにしろこちらはテーマが鉄道、かつて使われていた車両の中で食べるなんて当然といえば当然でしょうが、今までに展示場所で食事ができる博物館などあったでしょうか。車内での食事風景を見ているとここが博物館内であることを忘れてしまうほどのリアルさです(当たり前?)。食べることも博物館の展示のひとつとして楽しめるのです。この訴求力は大きいかも知れません。

  もしかしたら、この国の人々はモノを買うことにも、作り物のテーマパークにもなかば飽きてきたのかも知れません。そしてテーマパークとしての非日常性と自分の歴史が重なるところが鉄道博物館なのかも知れませんね。「JR東日本やりやがったな」というのが素直な感想です。


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2 コメント

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Unknown (ini)
2008-03-29 01:06:40
鉄道マニアって昔から多いですから(私は違いますけど)、間違いなく受けそうですね。
学生時代に同じ下宿にいた友人も鉄道研究会に入っていて交通博物館には行ったようですが、そのころにこんなのがあったら泣いて喜びそうです(笑)

なかなか味な演出のようですが、仕掛けをどこが請け負ったのかちょっと興味がありますね。
行ったことはありませんが、それでも機会があったら寄ってみたくなりました。
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演出はどこが… (きすけぐみ)
2008-03-30 17:16:55
iniさま、いつもありがとうございます。
桜が咲き始めましたね。カメラをもって出かけられましたか。

鉄道博物館。これだけ大きな仕掛けですから、演出もプロが請け負うのでしょうね。素人が知ったかぶりをするのも気が引けますが、よくできている仕掛けだと思います。
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