東京スカイツリーに唐長サルヤマサロンから羽ばたいた唐紙がおさまりました。
世界一高いところにおさめられた世界一の唐紙ということです。
江戸時代の絵師、鍬形恵斎によって描かれた「江戸一目図屏風」に携わらせていただいたのですが、この展望台から見る風景と同じようなものが江戸時代に描かれていたというなんともすごい話なんですけど、この六曲屏風の反対が唐紙です。屏風越しには日本一の富士山が望めます。そう、つまり、富士山と対峙している唐紙になるわけなのです。
あるこだわりから感覚的に生まれた微妙な銀色が陰影とゆらぎを生み出す唐紙が生まれたのです、そう、読者の皆さん曰く、ご存知のトト銀です。
このスカイツリー開業の日は、感慨深くも、そこに思いを馳せつつ…
雨音のなか、ひたすらに唐紙をつくりつづけました。
バッハの無伴奏チェロ組曲をききながら、雨音を感じ、庭に訪れる鳥たちのさえずりとともに、淡々と神妙につくり続けました…
このチェロは交流あるお客さんからいただいたものです。
その方の唐紙をつくるときに、その方が普段きいている音楽とともに唐紙を手がけましょうと提案したことから送られてきた音楽なのです。
その方からのメッセージに一部です
…
この二つの曲は、古典中の古典です
でも、楽譜に書かれている音符は一緒なのに、
アーティスト、楽器、時期などによって、まさに無数のバリエーションが存在します
それは、いにしえから伝わる文様のもと
先人の心、今ここでの想い、これからへの祈念を
うけいれ、かみしめ、ときはなつ
そんなトトさんの在りようにも重なって見えるのです
…
唐長の唐紙も、色や感覚は時代時代において変われども、文様は先祖代々変わらない板木から生まれることからこういうメッセージをくれたのでしょう。
お客さんの求めに応じることは、天の意、先祖の意である。
と、ぼくは思うようにしています。
脈々と受け継がれた唐長の世界の今の時代のバトンランナーの一人として、ぼくが担う役割があるがゆえに、ご先祖さんや神さまは、唐長の唐紙が大好きだという人々との出会いを授け続けてくれるのだと思うのです、そしてそんな人々の思いをくんだ唐紙をつくる機会を与えてくれていることに、素直に感謝し、ただひたすらにつくり続けることが、いろいろな新しいステージをつくることにつながってゆくのだと。
つくりたいものがあって、つくりたいクオリティがあって、行きたい場所がある。
だから、そこを目指して、一歩一歩、進んでいく。
自分に素直で忠実でありたいと思う。
5月24日
唐紙師 トトアキヒコ





















