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妄想「デルス・ウザーラ」:kipple

2010-12-28 00:13:00 | kipple小説

妄想「デルス・ウザーラ」(撮影現場にて)


ロシア語:翻訳kippe

ソ連スタッフ“ヤー ムノーガ スルィーシャル ア ヴァス クロサワ”(訳:お噂はかねがねうかがっておりました黒澤さん)

黒澤“うん?そう?いいよ、そんな事は、ハラショー君!そうそう。君の国の「戦争と平和」、あれ観た?あれはダメだね。あのセルゲイ・ボンダルチュクって監督、平凡なんだよ。つまんない写真だったねぇ。いくら金かけたってさ、あんな才能の無い凡俗なセルゲイ・ボンダルチュクみたいな監督に作らせちゃ何にもなんないよ。なんなら、今度、僕が作ってあげるよ「戦争と平和」。100億円くらいで出来ると思うよ”

ソ連スタッフ“ヴィ ナヴェールナヤ シュチーチェ”(訳:お・おたわむれを・・・)

黒澤“え?冗談じゃないよ。僕は本気だよ。5年で作るよ。君たち、ユーリー・サローミン君、キャスト・スタッフ、5年間拘束させてもらうよ。僕の映画以外の事はしちゃダメ。僕の映画以外の事は考えるな、それだけ守ってくれれば作ってやるよ。”

ソ連スタッフ“プラーウダ リー エータ? ムニェ ブィ エータヴァ ニ ハチェーラシ”(訳:マジすか?あ、いや、こ・困ります。勘弁して下さい)

黒澤“え?やる気ないの?だからダメなんだよ、ソ連の映画は。そうそう、「ソラリス」って面白かったね。これからはタルコフスキーに撮らせればいいよ。やっぱり才能のある人間に映画撮らせないとダメだね。 ん? あ、それ、虎? 虎、連れてきたの?”

ソ連スタッフ“ダー エータ ターク”(訳:はい、連れてきました!)

黒澤“何だよ、この虎。目が生きてないよ。どこから連れてきたの?え?動物園?動物園にしかいないの?”

ソ連スタッフ“ダーダー エータ ターク ウォートゥ イーミェエンナ”(訳:へぇ、そうなんす。やっと許可貰って連れてきたんです)

黒澤“・・・・・・バカヤロウ!こ・このぉ!でこすけ!お前の目はどこについてんだ!こんな飼い虎!目が死んでるじゃないか!お前、分からないのか!バカ!このコサックでこすけ野郎!今すぐに、そこの密林の奥に行って野性の虎を捕まえてこい!この、でこすけ!”

ソ連スタッフ“ハラショー ヤー サグラースィン!”(訳:はい!すぐに捕まえてきます!)

黒澤“そうだよ!ほら、早く行って捕まえて来い!何でオレが言わないと分かんないんだよ!でこすけが! ・・・・うん? お? ウォッカ買ってきたの?”

ソ連スタッフ“イズビニーチェ シトー ザヂェルジャール ヴァース”(訳:はい、お待たせしましたぁ)

黒澤“うん?何?これ。箱詰め?一箱?何本入ってるの?20本くらい?・・・・・・・でこすけ!お前、何やってんだ!こんな20本程度のウォッカ一箱買ってきて!この、でこすけ!でこすけ野郎!オレはトラック10台分買って来いって言ってんだ!どーして、そんな簡単な事ができないんだ!20本程度で足りると思ってんのか!帰れ!今すぐ、帰ってトラック10台分のウォッカ買って持って来い!最低でも1000本飲むんだよ!分かってんのか!このコサック野郎!オレの自腹なんだ!金の心配なんかするな!後で全員にウォッカ浴びるほど飲ませてコサック・ダンスを徹夜で踊ってもらうからな!行け!トラック10台分、持って来い!”

ソ連スタッフ“プラスチーチェ パジャールスタ パジャールスタ ニ セルヂーチェシ イズビニーチェ ヤー アシープスヤ プラスチーチェ パジャールスタ イズヴィニーチェ パジャールス!”(訳:ひぇぇえ~!すんまへん!どうぞ、お気を悪くなさらずに、すんまへん!すんまへん!)

黒澤“謝らなくていい!いいから早く持って来い!ついでにモスクワ行ってブレジネフ連れて来い!オレがソ連の野郎どもを鍛えなおすように言ってやる!まったく、どいつもこいつも、でこすけ野郎!今日の撮影、やめっ!”



「デルス・ウザーラ」(1975)
監督:黒澤明 出演:虎、他

                   


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)



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