原子力エネルギー問題に関する情報

杜撰で不経済極まりない原子力政策が、生存権を脅かし環境を汚染し続けていても、原発推進派の議員を選挙で選びますか?

河野太郎議員の「日本の誤った原子力政策」論

2010年09月06日 | 国会・議員情報
河野太郎衆議院議員は、自民党政権時代から、日本の原子力政策に異議を唱えてきた。
朝日新聞の論壇で、同じ自民党の原発推進派議員と対立していたことさえある。
今は野党とはいえ、Twitterで6万5千人以上からフォローされているほど(民主党の政治家に何人いるだろう?)の河野太郎議員が、政権与党に長年いながら孤軍奮闘して何も変えられなかった原子力政策という国策。
同議員がブログなどに書いている日本の原子力政策の決定システムの問題を、血税を無駄な原子力政策に湯水のように使われているすべての納税者は知る必要がある。

そして、その問題を解決し脱原発を進める政治家を選ばなければ、日本のエネルギー政策に未来はない。

個人的には、河野議員は今の国会議員の中で支持できる数少ない政治家の一人だ。メルマガやブログを読む限り、政治家としての説明責任、弁論力、語学力は、第4の権力として有権者のために政治を厳しく監視するメディアから、徹底的に鍛えられているドイツの政治家にひけをとらない。

また、以下の河野議員のTwitter@konotarogomameのつぶやきに、賛成だ。
参議院は都道府県や道州制の代表で委員じゃないかなと思っています。 #twidan_taro_fujisue http://bit.ly/bB1AIq (ドイツの上院のイメージ)

ドイツの上院(連邦参議院)は、16の連邦州の州政府の代表から構成され、州の人口の比率によって議席が決まっている。
私はかねてより衆議院となんら変わらぬ日本の参議院もドイツ型にしてほしいと思っていた。
州政府の代表といっても、環境関連法案を審議するときは州の環境相、教育関連法案のときは教育相などと、出席するメンバーは固定されなくてよいのだ。

ただ問題は、旧い利権政治を引きずる政治家(屋)たちがまだ居残っている自民党を支持したくないことだ。
いっそのこと、河野議員が民主党の脱原発派と社民党と合体してくれれば、脱原発を願う有権者にとっては非常に助かるのだが・・・。
それも、取り返しのつかない原発震災が起きないうちに!!!

前置きはこのくらいにして、河野議員の「日本の誤った原子力政策」論の紹介にうつる。

なにしろ情報量が多いため、新聞記事でネットから削除されたものなど一部だけ転載するので、あとは最後にリンクを貼った河野議員のHPをお読みいただきたい。

まずは2007年2月23日のブログより抜粋する。
長年審議会の委員たち自身からも多くの問題視する声がありながら、一向に改革されない審議会。
与党の議員が質問しても答えてもらえないようなこんな審議会で、兆単位の国民負担が決められていくなど、決してゆるされることではない。
民主党政権が、このような審議会に早急にメスをいれられるかどうか、しっかり監視しなければならない。

【以下、一部を抜粋】
審議会でいろいろと意見を言うと、あっという間に予定時間をオー バーする。意見を言うだけ言って、そのまま流す人もいるが、僕は おかしいものはおかしいと突っ張る。どうも審議会は河野太郎が突っ張るから長くなるといわれているようだが、じゃあ、審議しなく ても良いのか。突っ張るだけ突っ張って最終的な判断は政調会長あ るいは代理の采配に従うことになるが、サービサー法の改正のように部会に差し戻しということになったりもする。
一部の法案のように、族議員の集団が裏で作ってから部会に出てくるものもあり、部会では役所の都合で書かれたA4一、二枚の紙で の説明で終わりだし、これで与党の責任を果たしているのだろうか といつも疑問に思う。野党はゆっくりと委員会で難癖をつけられる が、関係者が法案を見て問題点に気がつく頃には与党審査が終わっていて野党だけが問題点を指摘するということになる。 なんかちがうぞ。

で、エネルギー基本計画の改定なるものが審議会にかかる。
プルサーマルにいくらかかるかも国民に説明がなく、兆の単位で国 民負担が増えるのに、節約できるのがウラン燃料の一割だけではな いかという指摘をするが、それに対する答は返ってこないのだよ。
ワンススルーよりも再処理した方が、つまり使用済み核燃料よりも 高レベル放射性廃棄物にしたほうが量が少ないなどという説明があるが、そこで言う高レベル放射性廃棄物にはプルトニウムを燃やしたときのものは入っていないではないか、という問いにも答はかえってこない。
ウラン価格が高くなっているのだからリサイクルしなければいけないのだというが、それならばなおのこと、今のうちにウランを長期 に買い付けたらどうなのか、あるいは新エネルギーに投資したらど うなのか、あるいは高速増殖炉を前倒しする投資をしたらどうなのかといってもなしのつぶて。
高速増殖炉の実証炉は2030年までに完成する予定になっていたのが、もっと早めろという声が強いので2025年に前倒ししました、でも新エネルギーの量をもっと増やせというのはいろいろと解決しなければならない問題が多いのでそんなもの増やせません、という計画だそうだ。高速増殖炉の実証炉は鉛筆なめて導入年月が変えられるのに、バイオマスの目標値を変えるのはそれよりももっと難しいのだそうだ。
余剰プルトニウムがあるからプルサーマルというならば、再処理を 止めれば良いではないか。再処理とはどういうことかという説明を 国民にわかりやすくすることもせずに、国民に負担させるのはおかしいではないか、などといろいろ言っても、資源がない日本は原子力の平和利用を推進しなければならないのだの一本槍。 だから、原子力の平和利用には文句をつけていないって。
プルサーマルがなんでウラン燃料のリサイクルなのか、プルサーマルで一割 しか節約できないのに、いったいいくら国民に負担させるのかと聞いているのだから、それに答えて欲しいのに、エネルギーの安定供給が大事だという答しか返ってこない。
挙げ句の果てに、自分の主張と違うから反対するのはおかしいなどと言われ。

じゃあ、問いにきちんと答えて見せろ!!
よくわかっていて意図的に論点を外しているか、よくわかっていなくて、ウランとプルトニウムの違いに気がついていないか、どちらかではないかという人ばかりで議論しても前に進まない。
本当に、エネルギー問題を真剣に議論しようというならば、なぜ、 国民にわかりやすく本当のことを話さないのか。 巨大な後ろめたさが隠されている。
【抜粋ここまで】


もう一つ、ストップ浜岡原発@ブログ2009年9月30日より、河野議員が、玄海原発のプルサーマルについて毎日新聞のインタビューに答えた記事を転載する。毎日新聞のリンク先はすでに削除されている。
ここで、河野議員が述べているような、原発を段階的に廃炉にして再生可能エネルギーを増やすという政策は、まさに脱原発を決めたドイツが進めているものだ。現政権は中道右派だが、連邦環境大臣は「2050年までに再生可能エネルギー100%を目指す!」と断言している。実際、ドイツの再生可能エネルギー分野での企業の誕生と雇用の創出にはめざましいものがある。
これに関連した情報は、もう一つのブログにも書いた。

【以下転載】
自民党・河野太郎氏「原発は耐用年数を迎えたときに廃炉にし、再生可能エネルギーを増やすべき」
玄海原発:プルサーマルを語る/2 自民党衆院議員・河野太郎氏 /佐賀 ◇「莫大な投資、効率悪い」--河野太郎氏(46)


--なぜ、プルサーマルを含めた核燃料サイクルに批判的な立場を。
核燃料サイクルはもともと高速増殖炉が中心だった。「30年後にできる」と30年前に言ったのにできず、今や「2050年(ごろから商業ベースで導入)」とするが、この年数も根拠がない。高速増殖炉は投入した以上のプルトニウムを生み出して発電するから、意味があった。

--九州電力はプルサーマルの理由に資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容、余剰プルトニウム削減を挙げる。
ウラン燃料の1割節約に莫大(ばくだい)な金を投資することは、効率が悪い。廃棄物は再処理工場も解体して処理しなければならない。余剰プルトニウムは再処理工場を動かすから出てくる。

--電力各社がプルサーマルをするのはなぜだと思うか。
原発の(使用済み燃料の)貯蔵プールがいっぱいになると、原子炉を止めなくてはならない。電力会社としては大きな損害となるので、使用済み燃料を青森県の六ケ所再処理工場に移したい。ただし、青森県は再処理工場を動かさないと受け入れない。だが(工場を)動かすとプルトニウムが出る。余分なプルトニウムは持てないので、プルサーマルをやるしかない。加えて経産省と各電力会社は持ちつ持たれつの関係で、原子力は経産省の“利権”ともいえ、天下りも、投入される国費も莫大だ。

--経産省は総発電量に占める原発の割合を25・6%(07年度)から約10年後に40%程度とする目標を掲げている。
原発から出る廃棄物を最終処分できないのに原発を増やすという政策はおかしい。今ある原発は耐用年数を迎えたときに一つずつ廃炉にし、それをカバーできるように再生可能エネルギーを増やすべきだ。高速増殖炉ができないのに再処理をやる必要はなく、それらにかける何十兆円という金を、再生可能エネルギーの研究開発に充てたらいい。輸出できないプルトニウム利用技術より、再生可能エネルギーの方が、日本経済にとってもはるかにメリットが大きい。

--原子力政策を自治体レベルで検討し、国に提言することについてどう考えるか。
原発を抱え、プルサーマルをやるのは東京ではなく地方の「地域」だ。だからこそ、本当にその政策が正しいのか、地域でも明確にすることが大切だ。【転載ここまで】


【その他の情報】

河野議員のHPにある動画での解説がわかりやすい。

日本のエネルギー政策の致命的な問題(動画で解説)「今の日本の原子力政策は誤っています!」

河野太郎の公式サイト「太郎の主張・政策」六ヶ所村の再処理工場の稼動に反対する1
六ヶ所村の再処理工場の稼動に反対する2

河野太郎の公式サイト「核燃料サイクル」

2 コメント

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核廃棄物について (古川 典保)
2010-10-21 15:51:41
 プルサーマルについてのわかりやすい説明有難う御座いました。
 過去のバックエンド事業費に18兆円を費やしております。河野先生の言われるようにしなければ原発はゆきづまってしまうと思われます。
 核廃棄物について、現在地層処分の研究が世界的に用地の確保が困難な現状にあります。
そこで超深海溝への保管について研究をまとめております。
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核廃棄の深海溝への貯蔵・保管について (古川典保)
2011-02-11 23:22:07
 原子力発電は核廃棄物の問題なしには進めてゆく事が困難になってきております。「高レベル核廃棄物をコンクリート等でカプセル化し、海洋プレートが沈み込む8000m程度の深海溝に貯蔵・保管」すれば、毎年2mm~6mmづづ沈み付加体に取り込まれ、ここで安全に放射性物質としての生涯を終えることになります。これが高レベル核廃棄物の最終処理として最適と考えております。
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