昨日書いた第11号では日本一高所の野天風呂を紹介しましたが日本一つながりということで本日は、露天も内湯もひっくるめ日本一高所にある温泉をについてご紹介します。
その温泉は立山の室堂にある標高2410mの「みくりが池温泉」です。私が行く動機になったものは、やはり日本一高所の温泉に入りたいこと、そしてここが本州ではその年一番始めに雪見ができるんではないかと思ったからです。そんなことを考えて11月のとある休日に“そり”持参で室堂を目指しました。ちなみに行く前にプロジェクトXの「厳冬黒四ダムに挑む断崖絶壁の輸送作戦」を見れば気持ちも高揚し小旅行のプロローグとしては最高です。レンタルビデオ屋にあります。
室堂へのアプローチは長野県側からと富山県側からの2通りありますが私たちは、長野県側から入山することにします。静岡→R52→中央道→豊科IC→R147→大町アルペンライン→扇沢駅。ここまで車で約5時間。長い道のりですが、室堂はまだまだ先です。扇沢駅→（トロリーバス移動）→黒部ダム→（徒歩移動）→黒部湖→（ケーブルカー移動）→黒部平→（ロープウェイ移動）→大観峰→（トロリーバス移動）→室堂。
扇沢から始発のバスにのりましたが室堂に到着したのは11時半頃、待ち時間も含め2時間位かかります。自宅からはトータル7時間ほど、かなり長い道のりです。ちなみに乗客のほとんどはスキーやスノボを担いだ人たちです。
まずは室堂駅に隣接するホテルで腹ごしらえ、普通のカレーに次いで2番目に安いかつカレーを食べましたが1700円位したと思います。かなり高いですが背に腹は変えられず、高級？カレーを賞味します。ホテルは山の中のものとは思えないハイソな雰囲気で完全冬山装備の私たちは完全場違いです。どうやら入る場所を間違えたようです。さっきまで沢山いた山ヤさんはどこへ行ったんでしょう？
高級カリーを食べ終え、外へ出ると一面の銀世界！雪こそ降ってはいないもののガスがひどく織田裕二くんも真っ青のホワイトアウトです！
室堂のターミナルからみくりが池温泉までは徒歩10分程ですが、なんせホワイトアウト。山はおろか数十メートル先も見えません。とりあえず重装備の人たちがぞろぞろ歩く方向へ一緒についていくとガスもとれて、みくりが池とみくりが池温泉のロッジも見えてきました。山の天気は変わりやすいもので、ガスが切れたと思ったらいきなり青空が広がり雲の切れ間から立山の山並みが顔をだします。山魂はとてつもなくデカく板を担ぎ登っていく人たちが雪面にごま粒のように映ります。
みくりが池温泉は、間もなく迎える冬期閉鎖に備え窓の外に板をとりつけたり越冬作業に忙しそうです。従業員の方に入浴料を払い。いざ日本一の温泉へ。運良く先客はおらずゆっくりと硫黄泉を堪能します。温泉はすこしグレーががった色で同じ硫黄泉とはいえ11号の本沢温泉とは違い濃厚な感じがします。浴そうのすぐ横にはガス抜きも兼ねているのか円柱状のパイプが外からの冷気を運んでくれそこに頭をつけながら浸かっていると本当に気持ちがいいです。
この温泉は通常の温泉のように温泉自体が湧き出たものではなくすぐ麓の地獄谷から吹き出す温泉成分を含む高温の水蒸気に水を加え、温泉として利用しています。たしか箱根の大涌谷温泉もこの原理と同じ造成温泉だったと思います。温泉の管理維持には相当の苦労があると思われますが関係者の方々に感謝です。
今回は日帰りで訪れましたが、従業員の方も感じがよく温泉も最高でとても気に入りました。秘湯の会ということもあり次回訪問するときは是非宿泊で来たいと思います。
みくりが池を後にしてとことん広い雪面でそりを滑らせ遊びます。いい歳した男女2人がそりを滑らせはしゃぎまわる姿は周りの人にはどう映ったでしょう？ところが！アクシデント発生です！2ケツでそりを滑らせていると段差でジャンプ。着地した瞬間にバリっと嫌な音がします。妻が小学生の頃より愛用？していた真っ赤なそりが真っぷたつ！とまではいきませんでしたが折れる寸前虫の息です。ここでそり遊びは終了。。おとなしく帰途につきました。
っていうか20年近く前のソリをとってある妻の実家に敬服です。真っ赤なソリもここ室堂の地でソリとしての使命を全うしたわけです本望だったに違いありません。ちなみに今では妻の兄が小学校の頃、使っていたソリを使ってます。なんとも物持ちのいい家族です。
※「前人未湯だれもいけない温泉」大原利雄 著 によると長野県の焼岳火口直下に野湯があるようです。みくりが池温泉と比べ標高の高さは微妙なとこですが、素人はまずいけない場所なのでそこはナシとします。
みくりが池温泉
http://www.mikuri.com/
富山県中新川郡立山町室堂平
076-465-4595
入浴料800円