「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

ひどい下痢からギックリ腰に

2006年12月30日 | 素晴らしい指圧効果

  Mさん(28歳男性)は、日本一の大工を目指す、頑張り屋のすがすがしい青年です。初めて来院したときは、待合室のソファーに坐っていることもできず、その上で身をよじり、じっと待っていられないほど腰を悪くしていました。
  このときの施術は2時間近くを要しましたが、幸い思いのほか、身体がよく弛(ゆる)んで楽になりました。以来、指圧に対して絶大な信頼を寄せてくれるようになり、何かと相談を受けることも多くなったのです。

  先週末、2カ月ぶりに来院したときも疲れていると言うのですが、前とは違って体調はいいようです。本人も「疲れていても、以前には考えられないほど身体がよく動くんです」と言うのです。この日も納得のいく状態で帰ってもらいましたから、Mさんもすっきり新年を迎えられるもの、と安心しきっていました。

   いよいよ今年もあと1日で仕事納め、と思って1人1人の患者さんに対応していた28日夕方、Mさんからの突然の電話です。
 「屋根の上でギックリ腰になってしまいました。1人で歩くこともできない状態です。どうしたらいいでしょう」

  愕然としてしまいました。先週、あんなにいい状態で帰したはずなのに。 とりあえず絶対安静にし、腰を暖めてまた電話をください、と伝えました。電話でのやり取りが3回あり、結果、仕事納めの29日に残業になりました。
  圧してみて、「こういうこともあるのか」と驚きました。身体が、ひどい下痢をした状態になっていたのです。いつもの仕事から来る腰痛ではありません。聞くと、その下痢は、先週施術した翌日から始まったというのです。施術した日は、夕方から忘年会があったそうで、そのときホタテの刺身を食べたのが気になっていたとか。

  身体全体の状態が改善している彼ですから、痛みの強さのわりには、てこずることもなく治療できましたが、問題点が2つあります。どうぞ皆さんもご注意ください。

  1つは、ひどい下痢をしたときは、まず絶食をすること。水分も取らず、様子を見てください。大人は簡単に脱水状態にはなりませんから、様子を見るだけの時間的ゆとりはあるはずです。お腹が働くことを拒否して、下痢で全部出しているわけですから、口からいっさい物を入れず、完全に休ませてあげて下さい。
 
時間が経つと、「大丈夫かな?」という感じが自分でわかりますから、そうしたら白湯を少し飲んでみてください。お腹がゴロゴロいわず、白湯がおさまるようなら、少しずつ食べてみてください。

  もう1つは、暖冬のときは特に魚介類の生ものは十分注意しましょう。ノロウイルスは貝類から感染することが多いのです。

   Mさんは、皆が大丈夫なときでもいつも自分だけ食あたりする、と言っていました。以前、牡蠣で死ぬ思いをしたこともあるというのです。そういう人こそ、暖冬のこの冬、貝類にはくれぐれもご注意を!!

   私の仕事納めは、今年も目一杯でした。いつも、急な患者さんが出たときへの対応は心がけています。皆でそろって、すがすがしい新年を迎えられることが喜びです。


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“温暖化”は地球の危機

2006年12月23日 | 雑感

  暖冬か? といわれながら、暮れも押し詰まってくると、それなりに寒い日が続きます。1月、2月とさらに寒さが厳しくなってくることでしょう。
  しかし、私の子供の頃を振り返ってみると、寒いといっても基準がまったく違ってきているようです。今、地球の温暖化現象がさかんに取り沙汰されていますが、私は体験的にも、寒さが大きく緩(ゆる)んできたのを感じています。

  子供の頃、冬になると東京でもかなり気温が下がりました。冬の朝、家の中で、台所に汲み置いた水が凍(こお)っていることもしばしばでした。
  私は今、埼玉県富士見市に住んでいます。20年前ここへ越して来たとき、冬になると何度も自宅の水道が凍り、水道管の保温工事をやってもらった記憶があります。ところが今はどうでしょう、家で水が凍ったのを見たことがありません。

  夫は幼少の頃、父が復員(ずいぶん古い言葉です)した後、しばらく北海道の釧路で生活していたことがあるそうです。その頃の話を聞くと、冬、小学校へ行っても、氷点下10度以下なら授業をやめたといいます。
  全員が教室の片隅にある小さいストーブの周りに集まり、先生を中心に雑談して、気温が上がるのを待っていたのです。無理に授業をやっても、手がかじかんで、手袋をはめても字が書けないのだそうです。零下20度を下回ったこともあるそうです。旭川近郊では、30度も珍しくなかったとか。

  自分が住んでいた釧路が今も気になるのか、テレビの天気予報のとき、画面に表示された日本地図上の最低気温の数字を見ては、「釧路も当時と比べると、冬の最低気温が5~6度上がったのではないか」などと話しています。

  地球温暖化の現象は、世界中で起きているようです。今月13日の毎日新聞には、「北極の氷『34年後消滅』 温室効果ガス排出続けば」との見出しで、米国立大気研究センターとワシントン大学などの合同チームの研究結果を報道していました。
  ついこの間、何10年か後には、南極の氷山が消滅する、との発表を聞いたばかりでしたので、深刻さがひしひし伝わってきました。

  地球規模で気温が上昇すれば、それによって海水が膨張し、加えて南極の氷河などが溶けることにより海面が上がり、沿岸域の低地では国土が消失することを意味します。
  過去100年間に地球全体の平均気温は0.3度~0.6度上昇したそうですが、これだけ気温が上がっただけで、海面は10~35センチも上昇したというのです。今の上昇は、とうていこれらの比ではありません。
  たとえば南太平洋のバヌアツ共和国など、国土の多くが水没寸前で、世界の他の国への移民を要請していますが、受け入れる所があっても、ごくわずかな人数に過ぎません。
  7~8年前に家族と旅行したフィジーで、元旦の初日の出を見るために船で渡ったサンドバンク(砂洲)。シャンパンを開け新しい年を祝った場所でしたが、今は海面下に没しているの
でしょうか。

  温暖化の被害は、異常気象の多発、生態系への影響、熱帯性感染症(マラリヤ、コレラなど)の増加、穀物生産の低下など計り知れません。 後の世代のために、住みよい地球を残さなければいけない!! 最近私が強く感じることです。
     ―――――――――――――――――――――― 

  『ご連絡』
  私はかなり忙しい生活を送っています。そんななかで、連日のブログ投稿が何日ぐらい可能か、試してみたいと思いました。本日まで13日間続けましたが、時間も文才もない私にとっては、これは思った以上に大変な仕事でした。毎日というのは、どうやら無理なようです。

  暮れも押し詰まり、さらに忙しさが増してきました。これからは、再び以前のように、ゆっくりとしたペースに戻して続けていきたいと思います。よろしくお願いします。たまにはアクセスしてくださいね!!


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「世界禁煙デー」 を目指しませんか

2006年12月22日 | 雑感
  夫婦で禁煙

  20歳で結婚したとき、私の喫煙は1日数本でしたが、やがて30本ほどに増えていました。その頃、夫は100本以上吸っていたと思います。
 「何とかタバコを止めたい」。それが私の希望でしたが、なかなか止めることができません。ところが今から17、8年前だったと思います、私は風邪をこじらせて肺炎にかかってしまいました。ゼーゼー苦しい呼吸をしながら考えたのが、「この機会を逃したら、タバコを止めることができない」ということでした。
  夫に宣言して、それから私はいっさいタバコを手にすることを止めました。彼も気遣ってくれてか、私の前では極力タバコを控えていたようです。

   私の肺炎が治って1週間ほどしたとき、今度は夫が言うのです。
 「オレもタバコを止めようかな」
 「止めたら」
  私の返事でした。本当に止められるとは思っていませんでした。ところが夫はそれを機に、パッと止めてしまったのです。
  友人が「100本も吸っていたのによく止めたね」と感心すると、「うんと吸ってたから飽きちゃったんだよ」などと言っていました。それ以前は、「オレはいったん吸い始めたのを、途中で止めるほど意志が弱くない」と威張っていましたから、彼一流の「テレ」なのでしょうか。
 
  やめてしばらくの間、私はタバコを吸っている人の傍へいくと、その香りが嬉しくて仕方がありませんでした。夫は禁煙に失敗した夢を、何度となく見たようです。でも、今になると「禁煙して本当によかった」というのが、2人の共通した気持です。

   副流煙の被害

  私が子供の頃、成人男性のほとんど(90%以上?)がタバコを吸っていました。夫から聞いた話ですが、昔なにかの映画で、主演俳優がタバコを1本抜いて鼻の下にあてがい、匂いをかぐ仕草のシーンがあったそうですが、それが“カッコ”いい、と真似した男性が多かったといいます。
  木枯らし紋次郎のドラマがはやった頃、町の食堂で食べ終わったサラリーマンのほとんどが、爪楊枝を加えて出てきた光景に似ていたのかもわかりません。

  1970年代、専売公社(日本たばこ産業の前身)は女性に対しても、「タバコは動くアクセサリー」と、喫煙を勧めるテレビ・コマーシャルを繰り返し流してきました。税収を増やす、という意図があったのでしょうが、今にして思えばなんとも罪深いことをしたものです。

  タバコが身体に悪いことは言うまでもありませんが、これが喫煙者本人だけの問題なら目をつぶります。しかし副流煙の被害は思っている以上に大きいのです。
  喫煙者が直接吸っている主流煙に対し、たばこの先から立ち上る煙を副流煙といいますが、これは酸性の主流煙に対し強いアルカリ性で、実は有害物質量が主流煙よりも多いといいます。(健康用語辞典より)

  朝日新聞(2003年3月31日)によると、国立がんセンターは「年に1万9000人が受動喫煙死、うち肺がんが1000~2000人」と発表しています。副流煙、すなわち受動喫煙の影響を受ける周囲の人達の迷惑は、いったいどうなるのでしょう。

  差別される喫煙者

  またそれとは別に、私が禁煙し始めた当時はまだそれほどではありませんでしたが、現在、タバコを吸う人は、自分で世間を狭くしている、と思えてなりません。

  今、食事に行くとファミリーレストランでさえ、禁煙と喫煙の部屋が分けられています。つい先日、近くの店へ行ったところ、以前と禁煙、喫煙の部屋が入れ替っているのです。
  入口を入って左が禁煙、右が喫煙の部屋でしたが、逆に案内されました。ウエイトレス(性差別用語だから本当はフロアスタッフというんでしょうか)に聞いてみると、最近は禁煙のお客さんが多くなったので、大きい部屋と小さい部屋を替えたらしいのです。

   オーストラリアの生命保険会社では、タバコを吸わない人の掛け金を安くしているそうですが、その率は、45歳で実に51パーセント。日本でも検討を始めていると聞きました。

   飛行機も、私が外国へ行き始めた頃は、まだ禁煙席と喫煙席を選べるようになっていました。そのうち、航空会社によっては全席禁煙にし、トイレの前などに喫煙場所を設けました。
  今はどの航空会社も、機内でいっさいタバコを吸えません。トイレで隠れて吸ったため、火災報知ブザーが鳴り、おおごとになった例もあります。

  ついこの間、私の患者さんがタイへ遊びに行きました。ところが台北(台湾)で乗り換える、というのです。「直行便がいくらでもあるのに?」私は理由を聞いて納得がいきました。タバコをタイ到着まで我慢できないから、途中で降りて吸うのだ、というのです。喫煙とは何と不便なものでしょう……。

   2004年現在の喫煙率は、男性43.3パーセント、女性12.0パーセントだそうです。しかし20歳台の女性は4人に1人が喫煙するという統計があります。

  タバコこそ「百害あって一利なし」ではないでしょうか。WHO(世界保健機関)が制定した「世界禁煙デー」が5月31日です。
  喫煙者の皆さん! 新年からその日を目どに、禁煙に取り組んでみてはいかがですか?

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腹部の治療は、じかに触れて

2006年12月21日 | 素晴らしい指圧効果

  Nさん(女性)は座骨神経痛にかかり、やっとどうにか歩ける状態で来院されました。
  はじめにひどい下痢をしたそうで、「今流行(はやり)のノロウイルスか?」とビックリして内科を受診したそうです。幸いそうではなかったの、で安心して指圧を受けにみえたのです。

  一般的には、座骨神経痛の原因は腰にあると言われていますが、Nさんの発症部位は、腰といってもかなり下のほうで仙骨部にありました。仙骨部からの発症ということは、一番おおもとの腹部では、かなり下腹部になります。
  そんなことを考えながら治療しました。自分なりに納得のゆくところまで腹部を弛(ゆる)めたつもりだったので、「明日まだ痛かったら電話を下さい」と言って帰しました。

  私は“よく弛んだので100パーセント大丈夫”だ、と自信を持っていたのです。翌朝一番でNさんからの電話がありました。なんと症状がまったく改善されず、痛みもぜんぜん楽になっていないというのです。

   信じられません! 
  そんなことがある訳がないと思いました。何とかしなければなりません、その日は残業になりました。
  圧(お)してみると表面的にはずいぶん弛んでいるので、なぜこれで「全く改善せず」なのか? 注意深く圧していくうちに原因が判明しました。

  Nさんは若い女性です。とても清楚(せいそ)で、おとなしそうな、淑(しと)やかな女性です。それでつい、直接、手で腹部を触るのが躊躇(ためら)われ、Tシャツの上から圧して治療したのが失敗でした。
  今日は再治療ですから、後へは引けません。どうしても治さなくては、治療師としてのプライドがかかっています。

 「失礼します」
  私はTシャツの下に手を入れ、直(じか)に腹部を指圧しました。なるほど! ありました! 右下腹部の奥のほうに 前日圧せてなかった硬さが小さく残っていました。手応えで、しっかりと“これ”とわかるものです。

  よし! OK! 今度こそ大丈夫!

  翌朝一番で、「おかげさまで」と嬉しい報告があり、治療に遠慮があってはいけない、とつくづく反省しました。

  そういえば、浪越徳治郎先生の腹部治療は、どんなときも直にしていらっしゃいました。私も直で受けてきました。
  それにしても、人間の身体はすごい! と思いました。一分の妥協もないのです。圧し残したわずかな硬さにちゃんと反応して、痛みは改善せずにありました。

  身体は妥協してくれないのだから、治療も妥協せずにやらなければいけない、と改めて自分の心に刻み付けたものです。


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「自然治癒力」にもっと注目を

2006年12月20日 | 雑感

  世界中で日本人がいちばん免疫力が弱い、と言われているのをご存知でしょうか。
  かなり前になりますが、大騒ぎになった「バリ・コレラ」。いかにも“バリ(インドネシア)に行くとコレラにかかりますよ”と言っているようで、当時、日本からの観光客が激減したそうです。ヌサドゥアのホテルや、日本人観光客相手の店は閑古鳥が鳴いていたといいますし、日本人相手の小さな旅行会社が倒産したという話も耳にしました。

  しかしこのバリ・コレラ、不思議なことに現地の住人で罹(かか)った人は誰もいませんし、欧米人も大丈夫の様子。日本人専門(?)の病気だったのです。
  私がバリに行ったのもちょうどその頃、心配でもあったので、現地ではレストランの水は一切飲まず、ミネラルウオーターで過ごした記憶があります。生野菜も、なま水で洗ってあると思うからいっさい食べない。歯磨きもミネラルウオーター、徹底していました。
  当時、医師や学者がいろいろな説を発表しましたが、いずれも“その人の意見”に過ぎず、“絶対”ではありません。しかしほぼ結論付けられたのは、日本人の極端な免疫力の弱さが原因、ということだったと記憶しています。

  なぜなのでしょう。日本人が世界で最も清潔好きな民族であることから、わずかな雑菌で影響を受けるのが最大原因でしょうが、それとともに、すぐ薬に頼るのも一因になっているのではないでしょうか。

  ベトナムに行って現地の友人と一緒に生活した、日本の青年の手記を読んだことがあります。彼はすぐにひどい下痢が始まったそうですが、友人は下痢止めの薬など持っていません。七転八倒しながら数日を過ごして、回復した後は、彼らと同じものを飲み食いしても、2度と下痢をしなくなったというのです。
  若いからこんなに短時日で適応できたのでしょう。年長者ならもっと大変な思いをしたでしょうが、いずれにしても、身体の免疫力が発揮された、ということなのでしょう。

  欧米、たとえばアメリカでは日本のように公的医療保険制度が発達していませんので、簡単な盲腸の手術でも日本円に換算して百数十万円~2百数十万円かかります。(ボストン1,690,000円  ニューヨーク2,439,000円 2000年AIU調べ)
  しかも日本で盲腸の手術をすると約1週間の入院、という常識とは大きく異なり、アメリカではほとんどの場合1日、フランス(パリ)でも2日です。費用の負担が過大なため、無理をしても退院してしまうのです。
  一般的に欧米では
、日本ほど簡単に病院には行けないのが実態です。

  人間にはもともと強い自然治癒力が具(そな)わり、本来の寿命が尽きるまでそれなりに身体を守ってくれます。ところが昨今の西洋医学の発達に伴い、わずかな異常を感じるとすぐに医薬に頼る。これがその人に具わる治癒力を、弱める原因になっていると考えられます。
  重病のときに医学に頼るな、などというのではありません。しかしちょっと風邪を引いた、下痢をした、それだけですぐ薬に頼る人がいかに多いことでしょう。いつも薬に頼っていると、本来持っている、自分を守る力が働かなくなってしまうのです。人間が持っている機能は、使わなければどんどん退化します。

  戦後、急激に西洋医学が発達して、一国挙げてそれに頼ってきましたが、今度は、人が本来持っている“自然治癒力”を、真剣に考えるときが来たのではないでしょうか。
 


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再発していた鼠径ヘルニア

2006年12月19日 | 素晴らしい指圧効果

  女児の蓄膿症を施術

  小学校5年生の女児・Kちゃんは、小学校に入学してすぐの耳鼻科検診で、蓄膿症がひどいと医師から手術を勧められていたそうです。Kちゃんのお祖父様から、可愛い孫、しかも女の子の顔に手術のメスが入るのはかわいそうなので、どうかして指圧で治せないものか、と私に相談がありました。
  私は、治療の仕上げにお母さんを圧(お)させくだい、との条件で引受けることにしました。それは、「子どもの指圧治療の仕上げは、母親を圧すこと」との、鈴木林三先生の常の指導に従ったものです。

  治療効果は順調で、慢性化して何度も再発を繰り返していた中耳炎も同時に治り、お祖父様はじめご家族の皆さんに喜んでいただいたのですが、約束であったお母さんの治療は、なかなか実現せずに時が過ぎていきました。
  指圧がすっかり大好きになったKちゃんは、その後も、お父さんが月に1~2回のペースで受けにくる時に、一緒に来て受けていました。子どもは指圧を受けることで、とても素直になります。それはこの家族の皆さんも、おわかりになったようです。

  やがて、妹のSちゃんも花粉症の治療に来るようになり、私たちは、姉妹の心身ともに健やかな成長を喜んで見守っていました。
  Sちゃんの治療効果も順調で喜んでいただいたのですが、まだお母さんの治療ができずに気になっていました。お母さんは、家事と育児と仕事に追われ、忙しさのため時間的なゆとりが持てない様子でした。

  ところが今度は、2カ月ほど前からKちゃんのお腹に異常が出始めました。ちょうどその頃から、お母さんの激痩せが始まったのです。どこにも異常も違和感もないということなのですが、ひどく痩せてくるので皆が心配、「早く指圧を」ということで、いつものお父さんの予約日に、お母さんが代わって受けることになりました。
  一緒に来院したKちゃんは、「今日はお母さんだよ」と嬉しそうにしていました。

  鼠径管から腸が

  初めての指圧に少し緊張気味のお母さんでした。圧し進むうちに慣れてきましたが、圧したのがお腹に響いて、あまりグルグル鳴るのでテレた様子でした。でもこんなにグルグル鳴るのは、お腹がそうとう疲れているはずだと思いながら圧していると、なんと左の鼠径(そけい)管から腸がわずかに顔を出しかけていたのです。
  本人に、手で触って確認してもらいました。彼女はかなり驚いた様子で、「実は右鼠径ヘルニアを5歳のときに手術しているんです」と話し始めました。過去に鼠径ヘルニアを患ったが、手術でその病気は治っているものと思っていたらしいのです。

  「鼠径」とは、太ももの付け根のじん帯部分のことで、「ヘルニア」とは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。鼠径ヘルニアとは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。一般に「脱腸」とも呼ばれている病気がそれです。
タイヤの弱くなった部分から内部のチューブが突き出ているのに似ています。
   これは、なんらかの事情で腸が身体の中で居心地がわるくなり、出てきてしまった状態ですので、居心地をよく改善してあげれば自然に治ります。反対に居心地が悪いまま鼠径管を手術でふさいでしまったら、悪い条件が揃えばまた出てくるのです。

   5歳時の手術からはずいぶん時が経っていますが、根本が治っていなかったのでしょう。3人の子供を産み育て、仕事もしながら頑張ってきたようですが、末っ子が来春就学するのでちょっと一段落、たまっていた疲れが一気に出たせいではないでしょうか。
  Kちゃんのお腹の異常はだんだん目立つようになり、本人も「なんかこの頃お腹ポッコリ」といって気にしています。下腹が硬く大きく張っていて、どう圧しても弛(ゆる)まないのです。
 「もしかして」と鈴木先生に指導をいただいたところ、Kちゃんのお腹は、やはりお母さんの体調を表現しているもののようです。

 「母子一緒に治療したほうがいいですか?」
 「いや、お母さんだけ圧せばKちゃんも治る。Kちゃんはお母さんの体調を本能的に身体で感じ取って、身体で表現しているのでしょう」

  Kちゃんが1年生のときに、やっておくべきだったお母さんの治療でした。4年もたってしまいましたが、Kちゃんはこの間ずっと待っていたのかもしれません。

   新年から本格施術を

  気ぜわしい年の瀬です、やりたい仕事は山積しています。暮れの内に話だけはして、本格施術は新年からにしようと思います。しかし鼠径ヘルニアの治療をした翌日、Sちゃんを連れて来院したお母さんの顔を見て、私はびっくりしました。茶色だった顔色がきれいになって、変なシワもなくなり、気になっていたどことなく老けた感じが、元通り以上にきれいになっていたのです。

  Kちゃんのお腹も、どう圧してもまったく弛む気配がなかったのに、お母さんを施術した日は変化を見せていました。鈴木先生から“子供はお母さんをよくしようと働く”と教えてもらっています。この親子の治療効果がどのようになっていくか、来年報告できるように頑張ってみたいと思っています。ご期待ください。


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「指圧師の不健康」にならないで

2006年12月18日 | 雑感
  14日のブログ上で、ノロウイルスが猛威を振るっていることをお伝えし、「感染に注意、健康で新しい年を」と題した拙文を掲載しました。しかし、その後も爆発的な流行を続けているようなので、今一度、様子をお知らせしたいと思います。

  16日の毎日新聞には、「ノロウイルス流行衰えず 45都道府県で警報 消毒は塩素系の漂白剤を」と報道し、18日付の日刊ゲンダイでは、「感染者数が1000万人を突破する最大の流行になる恐れが出てきた」と、驚くべき発表をしています。

  厚生労働省は15日までに、青森、沖縄を除く45都道府県に警報を発したのです。
  日刊ゲンダイによると、国立感染症研究所が発表した11月27日から12月3日まで1週間の定点調査結果(3000カ所)では、患者報告数が1医療機関あたり21.8人、合計で6万5638人。本年度累計患者数は92万6444人で、この4週間後には100万を突破するという。実際の患者数は定点調査の10倍だといいますから、1000万人が感染したことになる計算だそうです。

  次に毎日新聞の記事を引用します。
 「感染予防のために、厚労省などは、高齢者や子どもなど抵抗力の弱い人に、貝類などの食品を十分加熱して食べることを勧める。さらに患者からの2次感染を防ぐには、食事前などに石鹸を使い、流水で十分に手を洗うことが大切だ。
  また、ノロウイルスは中性洗剤では死滅しない。患者の吐しゃ物などを処理する際は、単にふき取るだけではなく、汚染された物を必ず塩素系の漂白剤で消毒する必要があるという」

  石鹸には直接ウイルスを死滅させる力はありませんが、手を洗うときは石鹸を使い、流水でウイルスを洗い流す方法がいいということです。肘(ひじ)まで30秒以上洗い流すべきだ、という医療機関も多いようです。常にそこまでやるのは難しいと思いますが、少なくとも手のひらだけではなく、手首までしっかり洗うべきでしょう。 貝類は、高齢者や子どもだけではなく、原則、加熱して食べるのが安心です。
  殺菌には塩素系漂白剤がいいらしい、と前にもブログに書きました。まな板や食器の清浄には確かに有効でしょう、洗濯のときにも入れたほうがいいという意見もあります(下着など、白い物でしょう)。しかし洗濯機に入れるとなると、原液がかなり薄まるはずですから、私は効果に疑問を持っています。日光にあてたほうが、よっぽど効果があるのではないでしょうか。

 「医者の不養生(ふようじょう)」「坊主の不信心(ぶ しんじん)」という言葉があります。人には勧めながら自分はやらない、立場を考えない者のいいかげんさを揶揄(やゆ)した、すなわちからかった言葉です。

  このブログを見て下さるのは、基本指圧研究会の会員が多いと思いますが、指圧師は人の健康を支える立場です。それこそ「指圧師の不健康」と揶揄されないように、自らも健康には十分注意したいものです。

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行きたい、だが行けない中国

2006年12月17日 | 私の趣味

  私が本当はぜひ行きたいのに、なかなか行く決心がつかない国があります。それが中国です。

  中国へ行きたい理由

  中国へ行きたい理由は、主として3つあります。

  1つは昔から目にしてきた南画に描かれている風景 ― 山紫水明を、この目で確認したいということです。自分がこれまで見た絵画に、中国の人たちが想い描いた桃源郷(とうげんきょう)を重ね合わせているのかもわかりません。

  2つめは、北京にある故宮(こきゅう)博物院の建物をぜひ見たいのです。これは、例のラストエンペラー・愛親覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)の居城だった紫禁城です。部屋数「7000室」ということですが、どの程度か想像がつくでしょうか? 溥儀の退出とともに、清朝の美術品などを公開展示、現在、故宮博物院となっています。

  中国共産党に追われた蒋介石が台湾に逃れるとき、ここから重要美術品等の9割を運んでしまったといいます。軍艦3隻に積載したといいますから、想像を絶する規模でした。
  それらは今、台北(台湾)に新しく建設した故宮博物院にあります。3カ月ごとに展示品を入れ変えても、見終わるまでに150年かかるほど膨大な量だ、と聞いたことがあります。倉庫にはまだ梱包を解いていない重要美術品、宝物(ほうもつ)が、ぎっしり詰まって眠っているというのです。

  台北の故宮へは行ったことがあります。展示してあるのは、目を見張る素晴らしいものばかりです。現在、エルミタージュ美術館(サンクトペテルブルク)、大英博物館(ロンドン)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)と並んで、世界の4大美術館に数えられているほどです。(故宮をはずし、プラド美術館<マドリッド>を入れる分け方もあるようです)
  しかし台北の故宮博物院は、急ごしらえのせいかまことにお粗末な建物。写真やテレビで見る、本来の北京の素晴らしい建物を、ぜひこの目で見たいと思っているのです。

  それと、万里の長城も1度は行ってみたいところです。総延長約6000キロの世界最大の城壁で、衛星写真でもはっきりと見ることができる、中国が誇る世界遺産です。


  どうして行かないのか?

  中国は距離も近いし費用も安くすみます。どうして行くのを躊躇(ためら)うのか? ひとことで言うと、中国には病気が多すぎることと、健康に対する意識が全くないからです。
  これは決して私の考え過ぎではありません。台湾の評論家、黄文雄(こうぶんゆう)氏が、図らずも述べています。

 「中世ヨーロッパの人口の3分の1を死亡させたペスト(黒死病)も、中国雲南省で発生した疫病がもと」

 「『スペイン風邪』と言われるインフルエンザも、もとをたどれば中国南方発の疫病である。これによって、世界人口の6分の1が感染、2000万~4000万人が死亡した」

 「1950年代に流行したアジア風邪も、もとは中国だった。1900年にアメリカを襲ったペストも、もとは中国広東省発」

  台湾の衛生署(厚生労働省)は、中国への旅行者に注意すべき病気リストを提示しました。そこには、ペスト、マラリア、コレラ、肝炎、チフスを初め、数十種類の疫病が列記してあるそうです。(以上は、「中国が死んでも日本に勝てない7つの理由」 <黄文雄著 青春出版社> からの引用)

  黄氏は次のようにも指摘しています。

 「2002年、日本で中国の痩せ薬による被害が問題になったのは記憶に新しい。―略
― 中国では危険なやせ薬どころか、まったくのニセ薬までもが堂々とまかり通っており、―略― アメリカの『ワシントンポスト』(2002年8月30日付)によれば、2001年に中国でニセ薬の服用によって出た死者は19万2000人にものぼったという」(「中国人の卑劣 日本人の拙劣」 黄文雄著 徳間書店)

  いつかは行きたい国

  中国へ旅行したある人は、湖畔のレストランで食事をしたとき、スープのどぶ臭い匂いが気になっていたそうですが、その夜からたちまちひどい下痢に悩まされました。
  漢詩にたびたび登場する長江(揚子江)も、今や汚物の垂れ流しの場だそうです。中国旅行の後、私の治療院へ来る人は、例外なく体調を崩しています。

  しかし、2008年の北京オリンピックを契機に、あるいは大きく変わるかもしれません、全世界が中国に注目し、中国に来るわけですから。当局は今さかんに「歩きながら痰(たん)を吐いてはいけない」など、マナーの啓蒙を始めているようです。
  韓国も、ソウルオリンピックを開催したおり、街中の食堂の看板から、「犬を食べさせる」という表現をはずすように、と通達した経緯があります。韓国に
は犬を食する文化がありますが、世界の納得は得られないと思ったからでしょう。

  北京オリンピックを契機に、もしいい方向に大きく変わるのなら、そのとき私がぜひ行ってみたい国が中国なのです。


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画期的な “手のひらパソコン”

2006年12月16日 | 雑感

  私のポケット電話は、ケイタイではなくPHS(ピッチ)です。これは埼玉県富士見市の自宅が、ケイタイの感度がものすごく悪く(よっぽど田舎なのでしょうか)、PHSなら感度抜群のせいなのです。
  夫もPHSです。ケイタイと2台持っていたこともありましたが、感度が悪いので、結局ケイタイは解約しました。ただし、温泉などに行ったとき、山の中や田舎道
ではPHSが全く通じないので、かなり不便をかこっているようです。ケイタイなら通じるところが多いでしょうが……。

  しかし、いい点もあります。まず電話代が安い。それから、私はここ10数年、週2~3回、江戸川橋指圧センター(鈴木林三先生の治療所)へ通って治療を受けていますが、地下鉄のホームや電車内でも、PHSの電波なら届きます。
  もちろん電車内で通話はしませんが、家族から急用があればメールが届きますし、自分でもメールを入力しておけば、電車のスピードが落ちたとき、あるいは駅に止まったときなどに発信できるのです。恐らくケイタイでは、地下に電波が届かないのではないでしょうか。
  なかには、ケイタイとPHSの違いがわからない方もいらっしゃるかもわかりませんが、ここではとりあえずその説明は省きます。

  私はかなり多忙ですので、ブログを打ち込む時間がほとんどありません。そこで考えたのが、電車の中でPHSに原稿を入力し、メールで自宅の、あるいは私の治療所のパソコンに送っておく方法です。
  その記事を、後でブログの投稿欄に移すのです。文章が活字になっているわけですから、後の作業は早いものです。もっと効率的な方法があるのかもわかりませんが、今の私にとっては、知恵の限界です。

  ところが一昨日、江戸川橋へ指圧を受けに行ったのですが、ブログの入力で大失敗をやらかしてしまいました。
 『長谷川先生の講座、1月21日に』 と題した文章を昨日投稿しましたが、川越~江戸川橋往復の間にその原稿を入力しようとしたのです。江戸川橋についたとき、それまで打ったものを送信しておけばよかったのに、“帰りに続きをやればいい”とそのままにして、また帰りの電車で続きをやっていました。

  和光市駅につく頃でした。急行に乗り換えるので少し気が焦(あせ)っていたのでしょうか、タッチの感覚が違うのではっとして見たところ、ON・OFFスイッチを押していたのです。いつの間にか、キーを見ないで(ブラインド・タッチ?)打つようになっていました。
  それまでのすべてがPHSの画面から消えていた。――大、大、大ショック!! しばらくは立ち直れませんでした。途中で送信していないから、最初からの全部がなくなっていたのです。
  気を取り直して新たに打ち始めましたが、川越までの時間ではわずかなものです。その日、自宅に帰ってから悪戦苦闘のすえ入力、昨日、無事、長谷川先生の講座に関する原稿を、ブログに投稿することができた次第です。

  ところで、最近、画期的なものを目にしました。PHS最大手のウィルコムが“手のひらパソコン”ともいえる機種を発売したのです。しかもPHSの電話機能もついています。
  基本ソフト(OS)には、マイクロソフト社の「ウィンドウズ」を採用、「ワード」や「エクセル」なども標準搭載し、パソコンと同じフル・キーボードが開閉式で装備されているのです。外出先でファイルを作成して送信したり、地図画像やPDFファイルも受信可能ということです。

  手のひらサイズでありながら、2~3年前のパソコンと比較しても遜色なさそうな“優れ物”です。重いノートパソコンなんか、普段はとうてい持ち運びできませんが、これならケイタイよりちょっと大きいだけです。
  もし使い勝手がいいようなら私も利用したい、そうすれば電車の中で直接ブログを作成できるでしょう。夫の友人が持っていたのを見せてもらいましたが、まだ発売したばかりなので、今ちょっと様子を見ているところです。

  効率よくブログを作成できる方法を、ない知恵を絞って考えています。今後もどうぞアクセスをお願いします。


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長谷川先生の講座、1月21日に

2006年12月15日 | 指圧の活動
  私たちが学んでいる指圧の技術は、浪越徳治郎という “天才の技” であるため、上達への道は極めて厳しいものがあります。そこで、色々な角度から上達の糸口を見つけようと、ここ数年、私は指圧以外の分野からの勉強も続けています。すると、そんな中で思わぬ進展を感じることがあるのです。
  そこで、今回、その一環としての効果を期待し、基本指圧研究会では 「よりよい動きへのコツをつかむために」 と題した講座を開講しようということになりました。
  講師をお願いしたのは長谷川智(はせがわさとし)先生。私が指圧を違う角度から見つめたいと思って時々講座に参加したり、個人レッスンを受けたりしている先生です。

  先生は1957年新潟県生まれ。筑波大学大学院体育科学研究科修士課程コーチ学修了、現在、心身技術研究所副所長、桐朋学園大学講師を務めていらっしゃいます。
  また、武術家・甲野善紀先生が提唱される、「武術的身体運用」 いわゆる 「ナンバ的な動き」 を練習に取り入れて、進学校である桐朋学園高校バスケットボール部を一躍強豪校に成長させ、2000年にインターハイと全国選抜大会のダブル出場を果たして話題になりました。
 
  今 「ナンバ」 という言葉がずいぶん広まってきました。「ねじらない」「うねらない」「踏ん張らない」 という、昔の日本人が日常生活でしていた動きを、「ナンバ的動き」 というそうです。長谷川先生のグループでは、これを音楽の演奏の動きに取り入れることに挑戦していると聞いています。
  古来、日本人は着物(和服)を着て生活していた影響からか、日常のすべての動作に、このナンバ的な動きがあったといわれます。一例ですが、ナンバ的な動きだと、着物の着崩れがしないのです。動きの効率性や合理性から考えて、さまざまな場面で指圧にこれを応用できたら、と私は考えています。

  私たちが目指す指圧は、「無駄な力が抜けた状態になって圧(お)す」 のがポイントだからです。自分の身体のどこに無駄な力が入っているのかがわからなくては、「力が抜けた状態」 にはなれません。ナンバ的な動きの特徴として、筋肉に頼らない動きをするところが、私たちの目標に通じる部分だと思います。
  筋肉は身体を支えてくれるだけで十分なのです。ただ、どうすれば筋肉に無駄な力が入らず、支えるだけになれるかが問題なのです。そのヒントは 「コツをつかむ」 という言葉にあると思います。この場合の 「コツ」、広辞苑によると 「ほねのように物事のしんとなっているもの」 だそうです。
 「よりよい動きができるためのコツをつかむ」 という言葉は、「自分の骨の動きがわかるように、身体に動きを覚えさせる」 ということだと思います。この講習内容からどれだけのヒントをつかむことができるか楽しみです。学ぶ心さえあればきっと上達へつなげられるでしょう。

  心身技術研究所は、個々人の自然な「気付き」を誘発する触媒として様々な活動を行っているそうです。個人に内在する力を引き出し人材の育成に寄与することを目指しているのです。同研究所のURLは以下の通りです。 
  http://www.nanba-walk.net/content/blogsection/4/65/

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