散歩瞑想記 & ツレの物語

歩きながら自然とエネルギーを循環させる、散歩瞑想をしています
そして、ツレ、物語る

五月三十一日 ツレと薄闇を散歩する

2014年05月31日 23時52分47秒 | 日記
宵の散歩。
きょうはツレといっしょ。

おじいさんの夢の畑のそばの、ニセアカシアを見に行く。
あっという間に満開だ。いい匂い。
今年は時機を逸せずに見に来れた。

まだ金色の西の空に、細い月と木星がきれいだ。
田んぼの水に、まわりの山がみんな映っている。
月と星も映っている。

あの三角の山の写真を、ヤマケイオンラインに投稿したのが1月。
ぜんぜん載らないからボツにされたのだと思っていたけど、
今日のぞいたら掲載されていた。
うれしいのぉ。

散歩のあと、ツレよりメバルの焼き魚と、カンパチのカマをいただく。
初めてメバルを食す。美味なり。
でもどうか、あまり気を使わないで。
そういうの得意でしょ。
人が出はいりする家はいいものだしね。

五月三十日 秘密の沼

2014年05月30日 23時14分25秒 | 山、探検
チョウのいた斜面を越えて、高圧線まで登る。

沼は、地図では高圧線の近くにあるんだとツレが言う。
左は山の斜面。
右は笹藪。
迷わないうちに戻るか、さっき熊のフンもあったし。

右に旋回する。
ときどき木の枝を折ったり、折り取った枝を目立つところに刺したりした。
もしかってことがあるからね、目印目印。
わたしがそんなことをやっていると、ツレが「水が見える!」と言った。
どこどこ?
「下でキラキラ光ってる…」
ほんとだ。
斜面を下りると、沼とその周りに湿地が広がっていた。

トノサマガエル、アオイトトンボ、イモリ(またはサンショウウオ)がいた。
そして沼は鯉の楽園だった。
無数の小さな鯉がいた。
すごく大きい鯉が一匹、ゆったりと泳いでいた。




五月二十九日 ギフチョウ

2014年05月29日 11時02分17秒 | 山、探検
去年の五月、
カタクリの花畑に来る、セーターを着た蝶を探しに行った。
去年の日記「セーター着た蝶」

その時は見ることができなかったその蝶を、きのう見つけた。

きのうは、秘密の沼を探しに行ったのだ。
山の斜面の杉林を登っていくと、
急に林が途絶えて、日のあたる場所に出た。
道を見失って、倒木を踏み越え踏み越えだったので、少し休もうとツレが言った。

そうやって立ち止まった時、すぐそこにギフチョウがいた。
正確にはヒメギフチョウだ。
羽を閉じたり開いたりして、地面に近い葉っぱに停まっていた。

わたしは息を吸ったまま、はけないような気がした。
あまりうれしくて、なんだかぼうっとした。
うちの町にいたんだなぁ。

カタクリの花は終わっていたけど、葉っぱはいっぱいあって、カタクリの群落だとわかる。
この環境がずっとここにありますように。


※ギフチョウは絶滅危惧種

五月二十八日 カマたま+α

2014年05月28日 12時03分40秒 | 魚、生きもの
カマキリはまだ卵のままだ。
毎朝、縁側から顔を出して、様子を確認する。

みんなが言うように、わんさか一度に生まれるのなら、
面倒見てくれる親がいるわけじゃないのだから、じゅうぶんに餌のあるときに生まれないとな。
身を隠す草や葉っぱが、ワサワサ生えてきてから生まれないとな。

こいつらにはこいつらの、「あったりまえじゃん」があるのだろう。

生まれ出た途端に、もう一匹一匹の人生だ。
あとはひとりでやっていく。

きのう遭遇したアナグマも、
田んぼを飛んでいたサギも単独で生きていた。
群れる生きものと、孤の生きものがいて、
さびしいとかさびしくないとか、そういうのとは別に、そういう風に生きている。
生まれたように生きる、ということを、受け入れられるか、ということを、この頃よく考える。



五月二十七日 笹の葉とり

2014年05月27日 22時48分36秒 | 山、探検
山へ笹の葉を採りに行った。
ツレが料理に使う葉っぱだ。

ツレはかっこいいハサミと、ベルトに付けられる皮のサックを二組用意していた。
いっちょまえにマタギ気分。(オーバー)
でも笹の葉は若葉を出したばかりでまだ小さかった。
いま必要な分だけ採って、あとはワラビを採ったりして遊んだ。

行ったことのない山道を登っていく。
桜の山の裏側にはうつくしい溜池があった。
露出した岩の山に、藤の花がいっぱいに咲いていた。
岩から垂れ下がった紫色の花が、逆光をあびて光っている。

桐の花も盛りだ。
同じ紫の花だけど、こちらは藤とは逆に、天に向いて咲く。

沢の近くの土の中から、カエルの鳴き声が聞こえる。
ヒキガエルかな。
ふだんは聞かない、森や山のカエルの声だ。

山の花をすこしいただいて帰る。
タニウツギをふた枝、椿とツツジを一枝ずつ。

それからアナグマに会った。
こっちをまっすぐにじっと見つめていた。

五月二十五日 お墓に飾る花

2014年05月25日 21時36分33秒 | 日記
お墓参りに行った。
雪が消えてから初めてだ。
持っていく花は、庭になにかあるだろうと思ったら、たいして咲いていなかった。
さっぱり手入れをしてないからな。
山吹がすこし咲いていた。
あとは、ない。
それで、母は、たんぽぽを摘んだ。(笑)
ゆえに、お墓には、山吹とたんぽぽが飾られた。
まあ、飾ってみればふつうにきれいだ。
かわいいといってもいい。
・・・というわけ。

五月二十四日 ビオトープ 2

2014年05月24日 22時55分10秒 | 魚、生きもの
ツレはビンに、長い棒きれを挿している。
もし中にヤゴかなんかがいて、水の上にあがって羽化する時のために。

こういう想像力がいいと思う。
子どもの頃、ちゃんと外で遊んで貯めこんだ財産だ。

「カワニナがたくさんいるから、ホタルの幼虫を見つけて入れてみたい。」
ここらにはホタルもいるから、きっと幼虫もいるだろう。
ホタルは成虫だけでなく、幼虫もさなぎも卵も光るのだそうだ。


と書いてから数日たった。
魚が3匹死んだ。
原因は不明。
川に流した。

ドジョウが大きくなった気がする。
「カワニナを食べている。」
「ドジョウを入れたのは失敗だったかもしれない。」
限られたビンの中だから、つり合いが難しい。
「この小さなビオトープがうまく回るようになったら、大きな入れ物に移す。」
ツレにはいつも計画がある。

身近な生き物でも知らないことがいっぱいだ。
あのU字溝の川に、こんなにいろんな生き物が生きていたとは。
すぐ側の、ふだん見えていないところで、いろんなことが起きている。

五月二十三日 夢の畑

2014年05月23日 22時27分07秒 | 日記

BGMを指定してみるか、たまには。


河岸段丘の、崖の途中が、一部、棚みたいになっていて、
そこに小さな畑がある。

わたしは時々、その横の野道を散歩する。
畑に下りていくために、5段ばかり階段がついている。
木で土止めをしただけの、かんたんな段だ。
そして、曲がった木の枝を使った手すりが付いている。

一度もその畑の人に出会ったことはないのだけど、
マメなおじいさんのような気がしている。

おじいさんは木も植えている。
野道に沿って、ニセアカシア、松みたいな匂いのする針葉樹、泰山木みたいなマグノリアの木、栗。
それから写真に写っているような、変わった形の木。

きょうここを通ったら、甘い匂いがした。
夕闇を透かしてよく見たら、マグノリアの大きな白い花が咲き始めていた。
もうすぐニセアカシアも咲く。
松もいい匂いがする。
栗は、ちょっとムッとする匂いだけど。
おじいさんは匂いのする木がすきなんだな。

などと考えながら畑を見下ろすと、畑は草が生えて畝のあとも薄れていた。
まるでずっと耕されてないみたいじゃないか。
そういえば去年はどうだっけ?

おじいさんは歳をとって、もう畑に出れなくなったんだ。
眠りながら、おじいさんは畑に行く。
土を耕して種をまく。
燕が飛んでいる。
おじいさんの夢の畑だ。





五月二十二日 夜が暗いと

2014年05月22日 23時55分28秒 | 日記
夜、散歩する。
雲があるなぁ、暗い夜。
風はない。

星は一個も見えないが、見えてるような気のする空。
西の空が明るいのは、町の灯りか。
田んぼの水に空が映るよ。
山も映るよ。
街灯のない、暗い道を歩いたよ。
田んぼが少し、光っていたよ。

テッペンカケタカ
遠くでホトトギスが鳴く。
ガーコギーコ グググゲッ
知らないカエルも鳴く。
遠慮気味に、まだ少し寒いから。

夜が暗いと、
つまり、夜空が暗い晩は、
静かだな。
光には音があるのかな。
こんな晩は、
みんな息を殺しているのかも知れない。

五月二十一日 カマたま

2014年05月21日 16時23分27秒 | 魚、生きもの
我は、生あるものを内に持つ者なり。
あ奴らの蠢きが感じられるであろう?



 
やがて我が体内より、無数の生命が生まれいずるのだ。
ああ、長きにわたるこの焦燥…



 
あ奴らはこの体を引き裂き、食い破って外界に躍り出るであろう。
その時こそ、長き冬を耐え抜いてきた我が労苦は報われるのだ。



 
時は来た。
出でよ!
我が僕たち…
グゥーワァー



ツレの贈り物、カマキリの卵でした。

五月二十日 ツレ単独行

2014年05月21日 00時05分14秒 | 山、探検
ツレは山へ探検に。
わたしは母をつれて通院に。

地図にある、未踏の山道を行くツレ。
きょうはひとりだ。
残雪が消えたばかりの山道は、沢状態。
本来は車が入れる道なのだが、倒木だらけで早々に車を降りて歩く。

山菜がもっさりある気配。
しかしそれには目もくれず、ひたすら前に進む。
(が、そうでもないことが後に判明。)

いつの間にか道は消え、途方に暮れた。
俺はどっちへ行けばいいんだ…
その時、
なにか黄色い物体がやってくるのに気づいた。
それはどんどんこちらへ近づいて来る。
あれはいったい何なんだ。
それはついに、ほとんど足元までやって来て、やっとツレに気づいた。

アナグマだった。
丸々していたそうだ。
ツレは「ガイドとおぼしきアナグマ」と言っている。

わたしも会いたかったなぁ。


その後、川でメダカ探索中にタガメを発見。
メダカとタガメ。
う~ん、おしい。
いやタガメ発見はすごいことだけどサ。

わたしも見たかったなぁ。

聞き書きだから、想像で補っときました


わたしが通院から帰ると、玄関先にわらびとタラの芽とカマキリの卵が置いてあった。
ごんぎつねを思い出した。
ごん、ありがとうよ。

五月十九日 ビオトープ

2014年05月19日 21時27分34秒 | 魚、生きもの
ツレがまたおもしろいことを始めた。

すぐ近くの小川に魚らしきものを発見。
小川といっても、コンクリートの大きめのU字溝だ。
ペットボトルで仕掛けを作り、沈めて置いてみた。
捕れた! 5匹。
こんなところにも、ちゃんと魚が生きてるんだね。
ちょっと感動する。

種はまだ不明。
飼うために、川底から土やら何やらををさらってくる。
砂や、わけのわからないモノごと、大きなガラス瓶に入れた。

落ち着いてくると、魚の他にもいろんな生きものがいることに気付く。
川底をさらった時、いっしょにやって来たやつら。

カワニナ。
大きなのから、砂粒みたいに小さいカワニナまで、たくさんビンの側面にくっついている。

何だかわからない生きもの(トビケラ?)
初めは動かなかったが、次第に動くようになって来たそうだ。割に大きい。

イトミミズ?
ヒル、あるいはプラナリア?
時間がたって落ち着いたら、ほかにも名前のわからない生きものがあちこちで動き出した。


それから二日ばかり経って見に行くと、ドジョウが新しく入っていた。
また仕掛けを入れて獲ったのだ。
大きいのが一匹と、2センチぐらいの小さいのが二匹、あともう一匹いるらしい。
大きなドジョウとガラス越しに見つめ合っていたら、ドジョウが顔をそらした。
もう一度向き合ってみる。
やっぱり顔をそむけた。
ふむ、ドジョウにはわたしが見えているらしい。
正面から見ると、顔がとてもかわいいな。

水草も新しく入った。
日に当てたら、水草から酸素のアワがぷくぷく出てきたそうだ。
酸素補充オッケー。

(大きなトビケラ?は死んで、みんなが突っついていたそうだ。)

五月十八日 山越え

2014年05月18日 10時28分31秒 | 山、探検
どうしてその分かれ道に出たのか、わたしはよく覚えていない。
右の道も左の道も、車が一台やっとこ通れるぐらいの幅の山道で、行先はどちらも鳥海町だった。

こんなところに鳥海町に出られる道があるんだね。
周りは深い山並みだ。
「とても通る勇気はないよ。」
だよね。
ツレは車をUターンさせた。
そしても一度Uターンさせた。
「でもな~行ってみたい。」(キュリオシティ キルドザキャットだな♪)

どっちに行くか。
右の道はアスファルト、左はコンクリート。
ツレは左を選んだ。

少し進むと未舗装になった。
幅はギリギリでくねくね山道。
そのうち畑があって家があった。
人もいる。
ホッとしていいものか、ザワっとしたらいいものか、迷う。
いまどき、家の前の道が舗装されていない人なんているのか。
この人たちは、フツウの人か!?
ちらっとこちらを見た。


分かれ道。
ツレは左に進んだ。
「上りより下りだろ。」

また分かれ道。
ツレは右を選んだ。
「電線が通ってる。」
コワイときは少しでも文明に近い方を選ぶもんだな。

しばらく行くと急に、車が通る現代社会に戻った。


あとで地図を見てみると、山道は行き止まりだらけで、よく抜けてこられたと思う。
ドキドキで、こわくて、すごくおもしろかったよ

五月十七日 地図

2014年05月17日 11時54分15秒 | 日記
この湿地は、ツレが地図で見つけた。(そうだよね?)

ツレはよく地図を見る。
いろんな地図記号を見つけてそこに行ってみる。
とてもおもしろい。
身近にこんなところがあったのかと思う。

  これが湿地。

  これは滝。

  これは細い道。

 これはダム。

だれかが調べて載せてるんだよね。
地図ってちゃんと読めば、すごい情報が載ってるんだな。


そしてこのあと、一度も通ったことのない思いがけない道へと入り込んで行った。
進むか戻るか、ツレはだいぶ躊躇したけど、進んじゃったのだったぁ。

五月十六日 わたしに似た花

2014年05月16日 15時26分40秒 | 日記
この花はザゼンソウ。
湿地に咲いていた。

赤い花(苞)と明るい緑の葉っぱがひとつずつ、必ず組になって咲いていた。
無防備に祈っている人を、葉っぱの番兵がそばで守ってるみたいだな。

昔、襟裳岬のユースホステルでヘルパーさんに「ザゼンソウに似てるね。」って言われた。
わたしが胡坐をかいて、ずっと海見てたからかな。
花としては美しいほうじゃないよね。
でも、植物に似てるのってうれしかったな。
あのひとどうしてるかな。


これはヒメオドリコ草。
そこらに生えてる雑草。

オイとメイが、「オバちゃんに似た花。」と言う。
どこが似てるの?って聞いたら、「なんとなく~。」だって。
花としては美しいほうじゃないよね(笑)
でも、とてもうれしかったな。

どっちの花も、目にするたびに似てるって言われたことを思い出す。
どっちも印象的な名前だし。
どっちも野に咲く野草だから。