ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

アダルト・チルドレン

2005-11-28 | こどものこと
姉は自分を アダルト・チルドレンだと言う。

そうかもしれない、と私は思う。

子供は 兄弟がいる場合、
自分より他のほうが
母親に愛されている、と思うのだと読んだ事がある。

私は確かに 姉より自分の方が
母に愛されていると感じて育った。


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母の野草園だった、坪庭。

今は 見る影もないが。

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私達姉妹は
主に母に育てられた。

父が介入してくる事もあったが、
子育ては 女の仕事、
それが 当り前の時代だった。

母は 容赦ない 肉体の暴力と言葉の暴力で
今で言う‘虐待’に近いことをしながら
私達を育てた。

体の弱かった私は
その暴力の影響は最小限で済み、
姉はその分 最大限に被害を蒙ってきた。

「お前は橋の下から拾ってきたんだよ。」

昔の大人は 良くそう言って 
子供をからかったものだ。

姉には 冗談ですまなかった。

子供ながら真剣に悩んだ、と言う話だった。



子育てに関しては
いつか この窓でお話したい、とずっと思ってきた。

告白、と呼ぶべきかもしれない。

いや、それほどの事では ないかもしれない。

私は 子供が小さかった時、
ずっと ヒステリーだった。



娘が2歳半の時に 息子が生まれたが
息子を妊娠して間もなく
それは 始まった。

あのイライラを なんと表現すればいいだろう。

とにかく娘がイラつかせてくれる。

腹の底からこみあげてくる 怒り、イライラ、
抑えようがない。



私は 自分という人間をなくしていた。

引っ越して アカンボがいて 外出もできなくて。

友人・知人も いないのと同じだった。

勤務先も収入もなかった。

名前も無くなったように感じていた。



ただあるのは

古くてボロくて寒い我が家と

エントロピーの法則を体現する娘と

奇妙な方言を話し、よくよく気を使わないと
なんとうわさされるかわからないような隣人達と

忙しさと 周囲への気遣いのあまりに疲れきって
ちっとも優しくない亭主と

そして

交通事故の後遺症と持病の腰痛で
自分の体ひとつ 思うままにできない私だった。



先日は娘の出現に驚かされたが
それなら今
ここで書いてしまおうと思う。

娘は ほとんどこの窓を見ていと言うし
これからも見ないと言うし
それは 本当だと思えるから
書いてしまおう。

今なら 平静に書ける、と思える。

7 コメント

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アダルトチルドレン (エミコ)
2005-11-28 20:34:02
夫も自分をそう呼びます。

書棚に関連本がたくさんあって、結婚当初に読みました。



『“It(それ)”と呼ばれた子』でも感じたのですが、娘さんは自覚したとたんに克服に向かったのですね。適書に出会えたんだ~。

私にも苦しい時期に出会いがありました。当時、わたしは母親に2つの感情をもっていました。強いあこがれと反発です。

森瑶子さんのエッセイ(自分の上に(大人になっても精神的に)君臨する母親との関係に苦しむけれど、出産・育児という時間をくぐりぬけるうちに考え方に変化が…。)のおかげで多感な時期を無難に通り過ぎました。



ただ、母親の立場となると具体的にイメージできませんが。

「今なら平静に書ける」を読んで、ジョルジュさんもまた母親との関係を連鎖を見つめ直しているのかなぁと思いました。



本との出会い (ジョルジュ)
2005-11-28 22:27:11
それは運命的な出会いだったのかもしれませんね。

人それぞれに 何かがきっかけで 大人のステージに上がっていけるのだとしたら

私にとってそれは何だったろう?

とにかく 子育ては 大きな試練でしたし

大人にならせていただきました(笑)。



エミコさんにも 早くコウノトリさんが来る事を願っていますが

何より体調がある程度良くて 体力がある程度ついていないと。

産むことより 育てる事の方が 何倍もたいへんなので。



「今なら平静に云々」は

私と母との関係とか 関係の連鎖とかとは あまり関係がなくて(笑)、

あのころの惨めな自分を思い出すと 冷静ではいられなくなる日々が つい最近まで続いていたからです。

あまりいい母親でない証拠に

私は今でも あの頃の娘ではなく 私自身が可哀想なのです。
書くこと (エミコ)
2005-11-29 15:08:28
そうでしたか。

読後の興奮にひきずられて、ピントはずれのコメントしちゃいました



「自分という人間をなくしていた」などには強い孤独が出ていて激しい表現だと思いました。





気持ちがハレルなんてことは簡単じゃなさそうですが、書いてみてどうですか。

コウノトリ (エミコ)
2005-11-29 15:23:31
願ってくれますかありがたい=

プレママとしては、苦労と喜びが背中合わせなんだろうと考えているのですが、苦労のほうが多いのかしら。

ドキドキ



自分を中心においても何もわるくなく、子育てに悩む人が「いい母親じゃない」なんてこともないはずですわ~
書いてみて、ですか? (ジョルジュ)
2005-11-29 15:45:23
やり遂げた爽快感は少しはありますね。

達成感、かな?

二日連続で3つも記事を連続でUPすれば、ねえ(笑)。

過去のことが ほんとうに過去のことになりますね。

ああ、終わった事なんだなあ、と。

そんなふうに思える時期だから こうして書くことができたのでしょうね。

カウンセラーの所へ行った時に

カウンセラーは 本来の相談内容ではない、当地へ越してきたころの 私の苦労話まで聞いてくれましたが

話していて、私、泣きました。

まだ 過去になりきっていなかったんです。

乳がんとわかる前のことでした。



苦労は、ですねえ。

わかっちゃいないね(無理ないですが)。

苦労の方が多いかも、私の場合は多かった、だけど、

苦労が、喜びに変わるのですよ!

そして この喜びは 何物にも変えがたいのです。

それは、もう。

こうしていても 涙が出てくるくらい、そりゃあ、もう、喜び、幸せ、百万倍、なのですよ。



だから、子供をもつことをためらう人には

大変かもしれないけど、ぜひ、この喜びを味わってもらいたい、と思うのです。

その大変さを補うべきサポート体制も もっと発達していいと思います。

子供は要らない、と思う人もいて当然とも思いますし

授からない人には 言葉もないので 授かる事を祈るしかないですが。



ここでひとつ。

乳がんの治療では 5年ほど女性ホルモンの分泌を止めることが多いのです。

この治療の最中は 妊娠しない。あるいは、妊娠しないように気をつけるしかない。

治療後に 無事に出産をする人もいるらしいのですがなにせ5年かかります、

5年かかるけど その後は もとに戻ります。

大切なのは 早期発見です。みなさん、検診を受けましょう。

ピンクリボン月間にパソ子が眠っていて これを言えなかった(笑)。
覚えておきたい (エミコ)
2005-11-30 17:15:11
苦労が、喜びに変わる

なんと!

そうだったんですか。

誰もが苦労と喜びについて語ってくれたけど、なかなかしっくりこなかったんです。



それから、書く事についても、過去が過去になるというのに納得です。



達成感は私も感じてみたいなーと思っています。

言えばスッキリすることというのは、たしかにあるのですが、何かの不安だとか心の重荷といったものは、意図して書いてもちっとも減らないんです



そういえば、新しい日記も連続していますね

パワーにあやかりたや~。

夫からもらった風邪が出始めている頃です。食う寝るにつとめます~
わかったような顔をして(あ、見えないよね) (ジョルジュ)
2005-11-30 20:08:13
いつもエラソーに(しかも長々と)書いてますが

でも 思ってることを正直に書いてます。

過去を過去のものとして 後ろの方に放り投げるには

その力を貯めておかなきゃいけないし

過去の呪縛が解ける頃、というタイミングも大事かも知れない、と思ってます。



風邪?うつされましたか? 食って寝てニンニクパワーで ひどくなる前に治してね!

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