古本屋に「手ぶくろを買いに」の童話の本が売ってあったので、子供の頃読んだ事があるが、改めて今読むとなんて素敵な絵本なんだろうと思った。
真冬で雪が積もった寒い日、子キツネの手が霜焼けになり、母キツネが人間が売っている手袋を買いに行かせる。
母キツネは、昔人間に捕まった事があって、そこでひどいことをされたというイメージがある。
子供一人で、手袋を買いに行かせるのは心配だが、片方の手だけ、人間の手にして、必ず人間の方の手を見せるのよという。
子キツネは、間違って、自分の獣の手を人間に見せる。
ハラハラとするが、手袋屋のおやじさんは、「おやおや。こんな霜焼けの手じゃ寒かろう。」と言って人間と同じように接して、手袋を売ってあげる。
母キツネにその事を言うと、「本当に人間っていいものかしら。」と言って物語は終わる。
昔読んでいたけど、こんなに泣ける絵本だとは思わなかった。
手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)
この絵本を読んでいたら、姉が大阪の西成区で財布を落とした事を思い出した。
皆さんも知っての通り、大阪の西成区あいりん地区は、ホームレスのたまり場である。
毎日のように警察官から追われてる誰かがいる。
お菓子一つで追いかけている警察官を見たことがあると言っていた。
そんな地区で、財布を落としたのだ。免許証やクレジットカード等大事なものがたくさん入っていた。
姉もあきらめて、交番に落し物をしたと届けに行った。
次の日に、交番に財布が届けられていて、姉は感激していた。
手土産を持って、財布を拾ってくれた人を尋ねに行ったら、路地裏のホームレスのたまり場のような所に住んでいたらしい。
姉は多少着飾って行ったとは思うが、「あんたみたいな人が来る所じゃないから、すぐ帰った方がいい。」と40代であろうその人が、手土産を受け取らずに言ったらしい。
姉が通るとジロジロと見られたと言った。
仕事を失い、住む家もない人達が何故財布を交番に届けるっていう事が信じられなかった。
人の物を盗むっていう事をしないというプライドがあるからなのだろうか。
姉のそんな話しを思い出して、「人間って、時々いいものかもしれない。」と思ってしまうのです。
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