エッセイブログ~すべらない話し~

 私のまわりでおこる様々な出来事。恋あり、笑あり、涙あり、人生ブログ。

キングボンビー。

2006年10月07日 | エッセイ (2006)
 空港の保安検査で、荷物検査をして、二週間がたったかな。
 毎日たくさんの荷物を検査するのも嫌になった。人が多いのもウンザリだ。同じ人は二度と通らないが、ゴキブリみたいにウジャウジャと人がいる。
 まったく空港はゴキブリホイホイのようだ。
 飛行機はかっこよく飛んでいく姿が好きなんだけど、最近では見るのも嫌になっていた。
 
 毎日毎日、死んでいる。

 12時間束縛され、ひどい時は、11時間労働だ。朝の5時に行って夜の10時に終わる時もある。
 
 本当死のうかした。
 
 最近風邪気味で調子も悪い。
 女の先輩から「何で分からんと?」「さっき教えたやろ?」等とギョロとした目で言われたら精神的にも辛い。
 モモ鉄のキングボンビーに似ているなと思った。ピンクの電話の太っている方にも少し似ている。
 
 仕事でネームプレイトを胸にはめているのだけど、キングボンビーのプレイトを見たら、18歳くらいの時の写真のようで、純粋で可愛らしい写真だった。
 
 私は何か勘違いをしていた。
 
 ここの仕事をして、時間が経って濁っていったのだ。きっと、女の先輩から言われ続け、ののしられ、お客さんからも怒られ、その中で生き抜いたからこそ、こういう姿になってしまったのだ。
 そう考えたら、本当キングボンビーだ。
 キングボンビーも最初は赤ちゃんで可愛らしいが、変身してキングボンビーになってしまう。人格まで変えるとは恐ろしい会社だと思った。

 人間最初から悪い人なんていない。
 生きていると、どこかで、ひねくれていくものかもしれない。自分の姿は周りの人で結成されていくものだなと思った。悪い人の側にはやはり悪い人がいるのだ。
 
 私も疲れて人の気持ちを考える余裕がなくなり、冗談すらも口に出来ない状態だ。疲れるっていけないなと思った。
 希望があればいいのだが、精神的に追い込まれているので、見る夢もない。
 だけど、仕事が終わってからの寮までの歩いて帰る時間が、素晴らしく心地よい。ポッカリと空に穴が空いている月に向かって、ゴーという音と共に飛行機が目の前を飛んでいくのだ。

 そんな姿を見ていると涙が出てくる。
 地元を思い出してなのか。疲れなのか。寂しいからなのか。精神的に落ち込んでいるからなのか。希望がないからなのか。彼女がいないからなのか。何も分からないが、これから先どうなっていくのだろうか。
 
 今地元の友達に合うと絶対泣いてしまうだろうと思った。