一身二生 「65年の人生と、これからの20年の人生をべつの形で生きてみたい。」

「一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるが如し」

白バラの祈り

2017年02月25日 | 社会
ミュンヘンに散った正義の「白バラ」

か写真左から、ハンス・ショル、ゾフィー・ショル、クリストフ・プロープスト

1943年2月22日、午後5時。ミュンヘンでミュンヘン大学の学生3人が断頭台で処刑された。彼らの名前は、ゾフィー・ショル(21)、ハンス・ショル(24)、クリストフ・プロープスト(23)──。

ときのナチス政権に反旗を翻し、戦争を終結させようと剣ではなくペンで抵抗運動を行った、勇気ある若者たち。ただ純粋に人間の権利と自由を求め、“自分たちは間違っていない、間違っているのはあなたたちだ”との信念を持ち続けた強靭な精神。謄写版で刷ったビラをできるだけ広く行き渡らせることが、「白バラ抵抗運動」として知られる彼らの主な活動であった。

逮捕からわずか4日後、理不尽な裁判によって死刑判決を受け、その日のうちに斬首されてから今年で65年。時代に翻弄されながらも、正義を貫いた彼らの勇気ある姿を紹介しよう。

「白バラ(Die Weiße Rose)」とは?
ミュンヘン大学の学生たちによる反ナチス抵抗運動。1942年から43年にかけて6枚のビラ(Flugblätter)をガリ版で作成し、郵送や配布によって、人間の権利と自由を我らの手に取り戻そう、戦争を終結させようと国民に呼び掛けた。
第二次世界大戦で東部前線に行った際、ポーランドやソ連で多くの虐殺を実際に目の当たりにした経験から、ハンス・ショルとアレクサンダー・シュモレルが「白バラ」運動を立ち上げたのは42年6月のこと。最初の4枚のビラは、6月末から7月中旬にかけて主にドイツ南部やオーストリアで配布され、5枚目はスターリングラードが陥落した直後の翌年1月に作成された。そして2月18日、6枚目のビラ配布中にハンスと妹のゾフィーが逮捕され、7枚目が出ることはなかった。