新ken2のギターの呟き!

長崎ギター四重奏団メンバーken2のブログ。

新人演奏会

2018年06月17日 | ken2diary
現勤務校より3校前の時代の教え子だったピアニストが、
県の「新人演奏会」オーディションに合格し(ピアノはとても狭き門!)、出演するとのお便りを頂き、先日、駆けつけました。
彼女は、当時から毎日のように昼休みにピアノに触れる努力家で、人柄もとても温かく、本番の演奏もその持ち味と日頃の研鑽を感じさせる感動的な演奏でした。
パフォーマンスと奏でる音色やフレーズの表現が一致していて、とてもハイレベルな演奏に感服しました。
ご出演、本当におめでとうございます。涙が出そうでした。

私の時代は、「県新人発表演奏会」という名称でした。
違いは「発表」というワードがあるかないかということなのですが、この「発表」というワードが無くなったのは、
出演者の中で「グランプリ」「準グランプリ」を決定するという要素が加わったためだと思われます。
確かに「発表」の時代にもメジャーな交響楽団との共演者を決めるための選考はありましたが、
あくまでもそれはオプションであり、
出演者は1000人近くの観衆に向けて、日頃の努力の成果や故郷・家族・関係者への感謝を込めて演奏していたように思います。

ここからは素人の偏った私見ですのでご容赦いただきたいのですが、
今回、会場に入ってみると、当時よりもお客様の数は少なく、
演奏前に10名を超える審査員の紹介から演奏会がスタートし、私はたいへん驚きました。
今回出演された方の中には「まったく審査を意識しない」という方もおられたでしょう。
にしても、私は、新人演奏会がコンクール色を強めているという印象を持ちました。
狭き門を突破し、故郷に凱旋し、晴れの舞台で演奏をお披露目という「発表演奏会」の様相は、
審査員に評価を受けるという要素が加わったことで、
演奏者はどうか分かりませんが、
聴いている側としたら、私は「競争」の要素を少なくとも何割かは感じるコンサートとなってしまったように思います。

演奏者は、演奏を表現する際に、オーディションならともかく、
お披露目の舞台で審査員が目の前で審査しているというバイアスをどのくらい感じたのか、私には気になるところです。