60~90年代名作漫画(昭和漫画主体・ごくタマに新しい漫画)の紹介と感想。懐古・郷愁。自史。映画・小説・ポピュラー音楽。
Kenの漫画読み日記。
●漫画・・ 「空手バカ一代」 ...(1)
本屋で、雑誌の立ち読みをしてたんですけど、スポーツコーナーの格闘技誌をパラパラやってたら、今年のプライドグランプリ無差別級の優勝者は、悲願のミルコ・クロコップでした。決勝戦は何と、プロレスラー、ジョシュ・バーネット。元々プロレスラーのジョシュ・バーネットが準決勝で、あの柔術マジシャン、ホドリゴ・ノゲイラを破って勝ち上がったものらしい。一方、ミルコの準決勝は因縁のヴァンダレイ・シウバとの対決。二、三年前の初対決では、ドローでも、形勢的にはシウバにだいぶ分があった。今回の再戦では、ミルコが得意の左ハイを放ってKO、完全雪辱を晴らしたものらしい。そして、ガチンコ勝負も強いプロレスラー、ジョシュをギブアップで破ったらしく、ミルコはついに念願のPRIDEのチャンピオンとなった。ところで、元々チャンプの氷の皇帝、ヒョードルはどうしたんだろう?ヒョードルはPRIDEヘビー級チャンピオンであり、ミルコは今回、無差別級チャンピオンになったのかな?はっきりしませんけど。1回戦勝ち上がった日本人格闘家、藤田和之と吉田秀彦は2回戦敗退だったみたいね。プライドグランプリの1回戦は見れたが、フジテレビがPRIDEサイドと放送契約を打ち切ったから、2回戦以降が見れなかった。僕はスカパーなんて契約してないから、見れなくて残念でした。
PRIDE問題をあおったのは、講談社の週刊現代だ。週刊現代が告発キャンペーンの如く、何回にも渡って(10回)、PRIDEの暴力団関係疑惑を断続的にシリーズ報道した。PRIDEのバックには暴力団が居て、フジテレビのドル箱スポーツ番組のPRIDEには毎回、有名企業の莫大なスポンサー料が着き、それが暴力団の資金源となっているという事で、フジテレビの番組プロデューサーやPRIDEを主催するイベント興行会社D.S.Eの社長などを実名で挙げていた。真偽の程は何処までかは知らぬが、これを受けて、フジテレビが中継(録画)放送撤退を決めたのだろう、という事になっている。う~ん、暴力団の資金源になっているとまでいわれれば、これは社会問題だが、無料の地上波で中継であれ録画であれ、放送が見れなくなったというのは残念です。週刊誌サイドは、PRIDEは暴力団に支配されていたとまでに言い切っているし、フジテレビ側は今年6月5日の放送中止発表以降、事情の説明で、DSE内で不適切な事実があり、契約違反と判明した事による判断と話し、今後、PRIDEに関係する組織が新しくなったら、放送再開は考える、ということらしい。
さて、そのPRIDEで活躍していた日本人人気格闘家、桜庭和志選手のニュースですが、少し前のスポーツ新聞の一面にデカデカと、桜庭和志緊急入院!と載っていてびっくりしたが、練習中に度重なる嘔吐をした挙句、倒れたとかで、病院に運び込まれたが、命には別状は無く、脳にも異常は見られないという事である。ファンはほっとした事と思う。格闘技界のヒーローであり、茶目っ気のあるファンサービスで人気者の桜庭和志選手だが、何でも高田道場を脱会してフリーとなり、PRIDEからTBS放送権のHIRO’Sへ移籍したのだとか聞いたけど、移籍第1戦の8月5日HIRO’Sの試合では、勝敗的には勝ちこそすれ、ひどい内容の試合だった。こういっては悪いけど、見るからに桜庭勝利のデキレースだった。桜庭劣勢のまま、もう失神の手前のようなふらふら状態で、相手選手は手をゆるめて、攻撃をかなり控えていた。もう最初から仕組まれていたとしか思えぬように、完璧不利な状況での、逆転、桜庭が一本勝ちした。何だか、あの、亀田世界戦のTBSだからな~、と思わず納得してしまうような‥。PRIDEのセメント味に比べると、HIRO’Sは試合内容がユルくて、ちょっと胡散臭い印象を受ける。今回の体調不良の入院で、10月9日予定のHIRO’S第2戦の欠場は濃厚らしい。
で、格闘技関連の情報で続けますけど、このたび、7月に、格闘技ジャーナリスト、小島一志氏が、5年の歳月を掛けて、500点の資料と300人の証言を得て徹底検証、塚本佳子氏と共著で、全620ページのぶ厚いハードカバー、ノンフィクション本を上梓されました。値段もけっこうイイです、税込み2,415円。その名も「大山倍達正伝」。小島一志さんという人は、以前、「最強格闘技論」という著書を、僕は楽しく読ませてもらったことがあります、元、空手専門雑誌の編集長をしていた、格闘技ジャーナリストです。「最強格闘技論」はなかなか読み応えのある本でした。塚本佳子さんという方は、僕は初めて耳にする名前ですが、何でも、「新極真空手」という雑誌の、元編集長をされていた方らしいです。「最強格闘技論」の初版発行が91年です。僕が読んだのは多分、93年頃でしょうね。著者、小島一志さんは、実際に極真空手を学び、他流の実戦空手やボクシングも学んだ、実際的な格闘技研究家でもあります。著書「最強格闘技論」の中の、合気道、ムエタイからプロレスまで、あらゆる格闘技を分析、解説する評論は鋭く、真実を突いています。十年以上前に読んでいるんですが、面白くて、するする読書が進んだ覚えがあります。新著は、僕はまだ読んでないのですが、このたびの、著者が精魂込めた、ぶ厚い大著、格闘技関連ノンフィクション本、「大山倍達正伝」も読んでみたいです。近頃の僕は読書が苦手になって来ていて、620ページのノンフィクションを読破するのは‥、とちょっと気後れぎみにもなりますが、何しろ、あの世界のゴッドハンド、伝説の武道家、大山倍達の真実が書き込まれているのですから。
極真空手の創始者、大山倍達総裁といいますと、空手の弟子でもあった一時代の劇画原作の独占的寵児だった梶原一騎氏がストーリーを書いて、大人気を博した少年向け漫画「空手バカ一代」が超有名です。ゴッドハンド、大山倍達伝説はここから始まった。大山倍達伝説を作り上げた漫画といってもいいと思います。もう両人とも故人で、漫画の中の武術格闘家ヒーロー大山倍達は94年に享年70歳で亡くなられ、劇画原作の雄、梶原一騎は87年に51歳の若さで亡くなっています。漫画の方は、週刊少年マガジン誌上に、1971年から77年まで、作画をつのだじろう氏、影丸穣也氏と二代に渡って描き継がれ、人気を博して、当時の、多くの格闘好きの少年達に影響を与えました。「空手バカ一代」の漫画に影響されて空手道を始めた少年達は、70年代、80年代に想像以上に数多く居ます。先に挙げました、ノンフィクション、「大山倍達正伝」はこの「空手バカ一代」が作り上げた伝説に異を唱える内容となっております。
今回のお題、「空手バカ一代」の記事は続きます。一度で書ききれないから、以降「2」へ続く。