ノー天気画家の本音生活 

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日本国債を5年10年でなく、50年を視野に考えたら

2013-09-20 01:55:02 | 犬たち

日本の「国債」が1000兆円を超えたということで、これを日本の財政危機という声が上がる一方で、より高度な経済成長のための有効な戦略という声もあります。

この問題を考える上で、まず国債の発行を是認する経済学者や政治家からの意見をまとめてみました。

国債を「日本の借金」と、マスコミは国民の抱える借金のように報じていますが、それを正確にいえば「日本政府の借金」であり、国民の借金ではありません。
それどころか、日本政府の1000兆円もの借金の貸し手側の大部分は、日本国民であることです。
具体的には債務者の5%ほどが海外からの投資で、残りは日本国内で調達し、その多くは銀行や生保などの金融機関で、それは国民の預けたお金を運用するわけですから、結果として国の借金の貸し手は日本国民となるわけです。
ギリシャの財政破たんは、債権者の多くは外国からの投資であったために、破たんが促進されたとも言われていますが、その逆となるわけです。

銀行業とは金貸し業のことですから、お金を貸して商売が成り立っているのですが、最近では貸し手が少なく、お金がダブついているのです。
そのためリスクのない国債の購入は、願ってもない金貸しのチャンスであり、国債の発行は銀行に活力を与えている側面もあるのです。
そのように日本国債の金利が極めて低い(1%以下ですが、ギリシャは信用不安のため18%)のが何よりの証拠で、日本国債の圧倒的信頼性の高さが金利にあらわれているのです。

そしてもうひとつ重要なポイントがあります。
日本国債は「円建て」であることであり、それは政府のコントロール下にあるということを意味します。
たとえばいざとなったら、日本政府と日本銀行は大量の「円」を発行し、国債を買い戻すことにより、借金を減額するという奥の手があるのです。
そうなればその額により深刻なインフレにはなるのですが・・・。

ということで、日本経済の活性化と福祉などの充実には、国債の発行は必要不可欠であり、東日本大震災の緊急支援にも有効に働きました。

                    ●●

それに対して、私の意見は以下の通りです。

上記の主旨の背景にあるのは、強い日本経済と日本の国力が大量の国債発行の前提となっていることです。しかし・・・

大量の国債発行でも5年や10年では、日本経済はびくともしないでしょう。
しかし、50年の長期な視野に置くと、大きな問題が生じてきます。
それは少子化が加速し日本が急速に縮小化しつつあり、その時になって国債の重さが大きな足かせとなってくる恐れがあることです。

歴史を紐解くと栄枯盛衰は時代の流れの常であり、長期的視点で見れば、強い日本と安定している日本経済がいつまでも続くかその保証がない、というより高い確率で凋落の道を歩む恐れがあることです。
たとえば人口問題ひとつをとっても、内閣府が予測する日本の50年後の人口は8600万人で現在の70%まで減少し、それだけ国力が弱体化するのです。
そして国が縮小するからといって、借金まで縮小はしないわけで、借金とは元気な時はおとなしくしていても、苦しくなると途端に牙をむいて襲いかかるものなのです。

私も高齢者と言われる今、同輩は文化や技術をいかに後世に伝承するかを論じますが、私はそんな伝承よりも、「負の遺産」をいかに伝承しないかのほうがよほど重要なのではないかと思っています。
戦後の焼け野原から出発した私たちにとっては、今の社会は考えられないほど素晴らしい豊かさを謳歌していますが、実はそれは多大な借金でつくられた繁栄だったのです。
もしも50年先に日本が財務破たんの危機に瀕した時、その苦境に苦しめらる人たちは、50年前(つまり今のことです) の無責任な国債の乱発での豊かさの謳歌を恨むに違いありません。

だからこの繁栄の時代だからこそ、後世のために借金を減らすのは無理しても、せめてこれ以上の借金を増やさない、そんな自覚こそ必要なのではないでしょうか。


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