絵画との出会いから

絵を始めた動機、作品の思い出、絵の仲間との出会い、支えてくれた家族との思いなどを、絵画作品とともに記録するブログです。

神奈川近代美術館(鎌倉)の最後の展覧会観覧記

2016-02-21 09:23:42 | 日記
今年1月末、日本で初めて公立近代美術館として1954年にオープンした鎌倉の神奈川近代美術館(通称:かまきん)が閉館し、展示機能を葉山館に移すことになった。閉館までに是非最後の展覧会を観ようということで1月24日(日曜日)に毎月集まっている、同じ出身企業の アート好きのOB仲間たち(アートサロン)と見学してきた。ひと月前の話であるが、記念にブログに残しておきたいので投稿することにしました。
この仲間の中に銀座「柳画廊」の副社長の野呂洋子さんが、自分のブログに大変すてきな感想文を載せているので、その一部を転載させていただくことにします。
 「日本で最初の近代美術館ということで、多くの人から愛されてきた 美術館です。当日は入場券を購入するにも長蛇の列で20分ほど並び、午後2時からの水沢勉館長による館長トークも中庭で、たくさんの人の中で拝聴してまいりました。多くのことを感じた1日であると同時に、その後もカマキンと呼ばれる 鎌倉近代美術館の閉館を惜しむ声を、この1週間でも多方面から伺うことになりました。ひと口に美術ファンという言葉では、つくせないものが私たちの業界にはあると思っています。改めて、私の所属する居場所は ‘ここなのだ’と思わせるものがカマキンにはありました戦後まもなく、まだサンフランシスコ条約も結ばれていないアメリカ占領下の中での美術館のオープン。記念すべき第1回目の展覧会は「セザンヌ、ルノワール展」です。当時の日本の状況と、今の近代絵画の潮流を考えると、 ものすごい事です。その後、イサムノグチ展なども開催し、日本の美術史を語るうえで重要な展覧会をいくつも開催しています。 さらに、当日の水沢館長のスピーチも素敵でした。何よりも感動したのは  水沢館長の並々ならぬ芸術に対する愛情を感じることができたのと、坂倉準三氏の設計した建物に対する愛情と、建物が残ることへの感謝の気持ちです。そして美術館に対する熱い思いが今も若々しく多くの人に伝わったことでした。」  銀座柳画廊HP: http://www.yanagi.com/
      
      [見学した仲間達と美術館の中庭で]

         
私が今回参加した理由の中には、「かまきん」が所蔵している 松本竣介、佐伯祐三、古賀春江の絵画の実物を観たいという希望があったが、尊敬している好きな画家の森芳雄の絵に会えたことや、日本近代絵画の重鎮である前田寛治の初期の絵に会えたことに感動した。また詩人で彫刻家の高村光太郎の自筆の風景画も発見した。
当美術館については、NHKの日曜アートサロンでも取り上げていたし、野呂さんの記事にもあるように、イサムノグチの彫刻にまつわるエピソードや坂倉準三氏の歴史的な近代美術館建築の設計に至るエピソードをイケメンの水沢館長からの講演で聞き、一旦取り壊しされることになっていた建物が残ることになった話を伺い感激しました。
  鎌倉近代美術館URL: http://www.moma.prer.kanagawa.jp/

 松本竣介(色は実物と違います)  古賀春江(色は実物と違います)

 


帰途、鶴岡八幡宮敷地内にある「鎌倉宝物館」により、歴史的な多くの国宝級の仏像と同時開催中であった「氏家浮世絵コレクション」で、このコレクションでしか見れない歌川豊広、葛飾北斎、鈴木春信の肉筆美人画を見る機会が持てて幸せな一日でした。
           
   氏家浮世絵コレクション展 (画集表紙)