あなたにお手紙を書くのははじめてです。
別に、弟子にしてくれとか、愛の告白とかではないので、
ご安心ください。
今日は、あなたにお願いがあってペンを取りました。
ねぇねぇ、イケコぉ
フランクたんの「ルドルフ」やろうよぉ。
タカコさんがルドルフで、マリーがマリーなの。
絶対似合うって。
フランクたんも満足してくれるって。
なんだったら、二人芝居でもいいよ。
あとはコーラス入れて。
まずはガラコンからでもいいからさぁ。
ウィーンキャスト呼んだりしてもいいからさぁ。
観たいの。
聞きたいの。
もっとガッツリ。
もっとしっかり。
ねぇねぇ、イケコぉ
いーじゃん。
ってかさ、やるべきだってば、イケコ。
君が窓口になって、ウィーンと交渉してよぉ。
観たいんだよぉ。
娼窟で自堕落に酒とオンナに溺れるタカコさんとか、
タカコさんを探して娼窟に乗り込むマリーとか、
すげー観たいじゃん。
歌も、あれ、マジでアテガキじゃん？
ってくらい、タカコさんの声にも、マリーの声にもどんぴしゃだったし、
やらないなんて舞台の神様への反逆罪で訴えられちゃうよ。
ねぇねぇ、イケコぉ
もし決まったら、ワタクシ、私財を投げ打って通い倒すわよ。
本気で通う。
タカハナなら、チケットの売上とか心配しなくていいし、
絶対赤字になんかならないってわかってるんだからさぁ、
来年の今ごろでどう？
ギリギリすぎて大変だろうけど。
ねぇねぇ、イケコぉ
いや、本気で頼みます。