sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

ミサイル防衛システム

2010-09-29 | 

構想されているミサイル防衛の仕組みにはいくつかの異なる種類があり、
それぞれ異なる意味合いをもつ。比較的小さい(「戦域」)ミサイル防衛
システムはすでに存在する。

パトリオット 長距離地対空ミサイル。ミサイル防衛では終末航程に
対し、20~30kmの範囲を防衛する。

 

北大西洋条約機構(「NATO」)の中距離拡大防空システム、地対空
中距離防空システムなどである。弾道ミサイル防衛システムはミサイル
攻撃を探知し、ミサイルないし、場合によっては再突入体(弾道)を追尾
し、弾道を囮(おとり)を識別し、ミサイルや弾道を迎撃し破壊するという
設計になっている。

 中距離拡大防空システム

日本の陸上自衛隊では03式地対空誘導弾が配備されているが、巡航
ミサイル(低空目標)や空対地ミサイル(高速目標)への対処能力の向上
のため「03式中距離地対空誘導弾(地対空ミサイルシステム)」の開発が
決定している。開発期間は2010年度(平成22年)から2016年度(平
成28年度)。

ミサイル防衛システムに詳しくふれるほどの知識は持ち合わせていませ
んが、素朴な疑問は残ります。ミサイルを迎撃しても、それに核が搭載
されていたとしたら、放射性物質が空中で飛散し、人だけでなく生物も
住めない荒野になるということです。

余談になりますが、パトリシオットは湾岸戦争で使用され米軍はほぼ100
の命中率としていますが、1992年の米議会では命中率は10%ほどとい
う会計検査院の指摘もあったようです。

ミサイル防衛システムはその指向性において完全に防衛的であるとはいえな
い―といわれます。なぜなら、ミサイル防衛システムにおいて使用されるレーダ
ーや監視システム、さらには迎撃体も、攻撃用軍事目的に使用することが
可能だからです。

また、今日、国々が深刻な世界的テロリズムの脅威にさらさられているときに
ミサイル防衛に巨額な資源を支出することは金の無駄遣いであるとの批判
も出されています。


ミサイル防衛

2010-09-29 | 
そうした動きとは、北朝鮮による日本上空のミサイル飛行実験もそうで
ある。2009年総選挙のマニフェスト(政権公約)で自民党は「日米同
盟を強化する」と明記し、「核の傘」を含む米国の圧倒的な軍事力を
後ろ盾にパワーで脅威をねじ伏せる姿勢を示した。

弾道ミサイル防衛では、北朝鮮から米国へ向かうミサイル迎撃や連帯
する米国艦艇の防衛について「必要な安全保障上の手当てを行う」と
した。さらに麻生首相(当時)は「敵基地攻撃能力」にも言及した。

ミサイル防衛の「盾」を推進する者たちは、とくに大量破壊兵器の搭載
能力を持つミサイルの脅威を強調する。しかしながら、ミサイル防衛シ
ステムを構築することは、ミサイル、ミサイル防衛そして宇宙空間を巻き
込んだ「攻撃対防衛」の不安定な悪循環を引き起こすという危険性を
内在させている。

たとえば、ある地域においてある国がミサイル防衛システムを開発すること
は、その地域における競争相手国がミサイル保有を増加させたり、防衛網
を打破するためのミサイル能力の改良を図ったりすることを導きかねない。

大量破壊兵器の運搬手段

2010-09-14 | 

核兵器を作るためには2つのものが必須である。それは核分裂性物質
と核爆発装置を設計し製造する技術的知識である。このうち、相当規模
の核分裂性物質を生産することの方がより難しく、兵器の設計は容易と
はいえないが、それほど難しくないと一般ではいわれている。初歩的な
爆発装置を設計するための必要な情報は一般に公開されている。

大量破壊をもたらす能力をもった装置は、そのような装置を使用者が
標的に対して効果的に運搬することができるようになったときに初めて
「兵器」となる。初期の核兵器は長距離の重爆撃機によって運搬された。

核兵器は小型化・軽量化されるにつれて、戦闘機、ミサイル、さらには
無人飛行機も含めより幅広い飛行体によって運搬可能になった。

アメリカの核戦力についてみると、ミニットマン三型と原子力ミサイル
潜水艦、それに戦略爆撃機からなっている。ミニットマン三型は誘導
技術が改良され、爆発力が増大したので戦力としては、冷戦時代のもの
と比べると正確に目標を捉える能力を持つようになっている。

原子力ミサイル潜水艦は、合わせて18隻のうち12隻が太平洋に展開する
ことになっている。西太平洋で行動している原子力ミサイル潜水艦は
北京を標的にするなら15分で攻撃できる体制をとっているーといわれる。

ミサイルは、地上発射、海上発射、空中発射の巡航ミサイルから地上および
海上発射の弾道ミサイルまで幅広い種類とさまざまな技術を持つ。

弾道ミサイルー発射後ロケット・エンジンによって推進され、投げられた
石のように弾道経路にそって標的に達するミサイル。

巡航ミサイルー航行中をジェット・エンジンにより推進される操縦可能
なミサイルで、通常は低高度を航行して達する。

無人飛行機(UAV)-パイロットのいない航空機。

宇宙発射体(SLV)-搭載物を平和目的で宇宙に配置するために発射される
ロケットだが、大量破壊兵器を運搬することに使用することも可能。


軍事外交を展開

2010-09-12 | 
中国は18発の大陸間弾道弾を持ったことによって抑止戦略の上では
アメリカと肩を並べた。日本の専門家は中国がアメリカに対して抑止力
を持ったと考えている。

米国とソ連はまるで鏡に映すように、同じ兵器を同じ規模で開発を続け
た。その結果、双方が攻撃を始めれば完全な相打ちになり、両方とも
破壊されて死にたえてしまうことになる。そこで抑止が発生した。

中国は米国を攻撃する大陸間弾道弾を持ったことで、抑止力戦略を発動
できると思っているのだろうか。米国が中国を攻撃できなければ、中国は
自国に有利な政策をつづけることができる。さらに軍事力を増強し、その
力を背景に米国に対抗しようとするだろう。

中国の防衛政策はあくまで防衛に徹するものだとし、地域の平和と安定の
ために次の5項目を提案している。

〇多国間の安全保障対話と協力メカニズムを統合・強化する。

〇二国間同盟の拡大には反対し、安全保障協力の理念を一層促進する。

〇構成で合理的な相互関係構築の原則をつくる。

〇実践的な国際安全保障協力を強化する。

軍事外交を積極的に展開する。

北朝鮮と中国

2010-09-11 | 
中国が核兵器の開発を始めたのは1950年からだった。その最大の理由は
朝鮮戦争で米国が核兵器を使うことを恐れたからである。トルーマン米大統領
は、第2次世界大戦で、何のためらいもなく日本に核兵器を使った。このため、
朝鮮戦争で米国と正面から戦った中国の毛沢東は、核兵器の開発に力を入れ
た。その前例に見習って金正日は、核兵器をつくりつづけているのである。

余談になるが、先ごろ、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が訪中し、
父である金日成(キムイルソン)主席が1920年代に通い共産主義思想と出合っ
たとされる吉林省吉林市毓文中学を訪問したと伝えている。金書記は、5月にも
訪中したばかり、核問題や後継者問題と中国と話す必要ができたのか、あるいは
経済支援の取り付けかなのか。詳細は不明ーとされる。

さらに余談、1950年代の朝鮮戦争に中国が義勇兵を派遣して以来、中朝関係は
「鮮血で凝り固められた友誼(ゆうぎ)」と称されてきた。北朝鮮が他国から攻撃
を受けた場合、中国に軍事支援を義務づける中朝友好相互協力援助条約も今なお
存在している。

抑止戦略

2010-09-11 | 
核兵器の使用は人類の絶滅につながる。端緒は局地的な戦争でも
まかり間違えば核の飛び交う世界戦争になりかえない。だが、核を
持つとどの国でもすぐに破棄するつもりはない。核のある世界が危険
を伴うとわかっていても、核を持つ国すべてが核廃棄に踏み切るまで
には、通常戦力、ミサイル防衛なども含めた軍事管理などの数々の
ハードルがある。

米国が核戦力を開発し、それに対抗してソビエトが水爆をつくり、世界
各地に核兵器を配備した。相手が強力な力を持てば同様に対抗しない
と抑えこまれるという考え方だ。(こうした考え方は常軌を逸している。
一発の核爆弾でも破滅的な被害をもたらす)

中国や北朝鮮が核兵器の開発をはじめたのも、核兵器を一発でも持て
ば米国に対抗できると考えたからであった。北朝鮮の金日成(キムイル
ソン)は核兵器をつくり、大陸間弾道をミサイルを開発してサンフランシス
コやロスアンゼルスを攻撃できるようになれば、米国は北朝鮮を核攻撃
しないと考えた。息子の金正日(キムジョンイル)もまたこの考えを引き継
いだが、もともとこの考え方は中国の毛沢東が考えたものであった。

「警戒・抑止」か「関与」か

2010-09-09 | 
米大統領オバマ氏自身「すべての問題について意見が一致するという幻想は
もたない」と語っている。2008年3月、南シナ海海上で米国の調査船に対し、
中国政府艦船が進行を妨害するという事件が起きた。AP通信などの報道に
よると調査船は潜水艦の探知に必要なスクリュー音や水質データーの収集を
していたようだ。

米政府は強く抗議したが、中国側は「許可なく排他的経済水域内で活動した
と突っぱね、両者の間に緊張が走った。01年にも同じ南シナ海上で米軍の
偵察機と中国の戦闘機が接触墜落事故を起こしている。

アメリカのスパイ衛星スペースレーダーは中国の2万6千マイル上空からミサ
イル基地をはじめとするあらゆる軍事施設の通信を集音マイクで傍受し、巨大
なレンズが中国全土を監視し、情報を集めている。

中国が軍事力を急速に増強しているからである。アメリカは中国が増強の目的
についても、内容ついてもまったく明らかにしなことに強い警戒心をもっている。

米国の対中政策は「関与」と「警戒・抑止」の幅の間で揺れている。米国の国際
政策はきわめて変わりやすくなってきた。不安定で揺れ動くものになってしまった。

アジア太平洋地域における主な兵力の状況は、中国(兵力160万人・海兵隊1万
人、艦隊132万トン、890隻、作戦機1980機)。

日本(兵力13万8千人、艦隊43,5万トン、148隻、作戦機430機)。在日米軍(兵
力1万8千人、作戦機140機)、米第7艦隊(33,4万トン、20隻、作戦機20機、艦
船機60機)。台湾(兵力20万人、海兵隊1万5千人、艦隊20,7万トン、330隻、作
戦機530機)。

米国の対中政策

2010-09-09 | 
オバマ米大統領は「米国と中国の関係が21世紀を形作っていく」と米中戦略経済
対話で語り、米中2カ国で世界を主導するいわゆる「G2」の考え方を示している。

昨年11月、オバマ米大統領ははじめて中国を訪問、胡錦涛国家主席と会談した。
両首脳は二国間の問題にとどまらず、経済や安全保障、核、気候変動など世界的
な幅広い問題での強調を誓い合ったーという。

会談で米国は、強大で繁栄し世界的にさらに大きな役割を果たす中国を歓迎する
と表明した。中国は米国を平和と安定、繁栄のために努力するアジア太平洋国家
として歓迎すると応じた。

しかし、米大統領のオバマ氏が強調する「米国のアジア回帰」にはこの地域で影響
力と存在力を増す中国への牽制の意図も当然含まれる。中国の軍事力増強や透明
性の欠如に対する懸念もあるが、「警戒・抑止」よりも「関与」に軸足をおいて関係構築
にあたろうとする姿勢が読み取れる。背景には経済回復、北朝鮮核問題という2課題
解決には中国の協力が不可欠との事情がある。

米中両国の協調は、まだできることからはじめているという手探りの段階だ。北朝鮮
イランの核問題については協力を深めることでは一致したが、中国からの具体的な
提案はなかった。エネルギー確保のためにイランに圧力をかけにくいなど、中国側の
事情があるようだ。

中国の台頭

2010-09-09 | 
イラク駐留米軍戦闘部隊が撤退した。現在、ピーク時の3分1まで減り、
来年末までに完全撤退する予定だ。イラク戦争から7年、人権抑圧を口
実にした介入、国連決議のない武力行使と同じだ。

90年代は民主主義拡大の時代だった。米欧を中心とした、西側先進諸
国は民主主義、人権の価値を世界に広げていった。そこには「民主主義
国家で構成される世界秩序」への希求があった。

(この間の経過は省かせていただきます)。しかし、イラク国内の混乱は
理念的・介入的な米欧の人権外交に転機となった。2005年、再任直後
のブッシュ米大統領(当時)は、欧州首脳に「民主主義はマラソンに似て
いて一度に実現すると期待したり求めたりしてはならない」と述べ、性急
な民主主義拡大を自戒した。

これと交錯するように台頭してきたのが中国の国家モデルということだ。
民主主義的な権利は抑え、権威主義体制を維持しつつ、資源を経済に
集中し経済発展、国富強化を図る、しかも内政不干渉で、経済支援を
米欧のように民主化とからめない、体制を維持し、国内の混乱をさけな
がら経済発展を実現したい、途上国、権威主義の国にとって魅力を放っ
ている。