収拾に展望が開けず、透明性に疑問だらけの原発事故から早3ヶ月に
なろうとしている。都合の悪いことは隠したがる東京電力、
本当のことはいわない政府広報、言わねばならないことを
報道しないマスコミなどなど・・・・。
先がみえない中、不安はおさまらない。
事態収束の見通しが立たない以上、今の状況は長期化すると
思うのが一般的だ。そう考えると陰気な敗北感に襲われる。
大雨の降る梅雨を前にまた、なにか起こりそうな気配がある。
放射能で汚染された原発の汚染水が当面の課題だろうか。
もちろん、これだけはない。炉心冷却へ向けての具体的な
解決法が東電初め政府にある訳ではない。
手探りの状態は現在も変わらずつづいている。
東電の脆弱な危機管理は事故直後から指摘されていたし、
事故以前の隠蔽体質も問題視されていた。
時間が経ってはじめてその時に妥当と思われた決定や行動に
誤りが明らかになる場合はあるだろう。しかし、データーの公表の
遅れだけでなく、「実はこうでした・・・」という訂正が多い。
いまさら、具体例をあげるまでもないが、原子炉内の燃料溶融や
メルトダウンの可能性を事後直後から専門家は指摘していた。
東電だけではない、原子力安全・保安院もメルトダウンを認めたのは
事後から2ヶ月過ぎていた。
津波よる電源喪失も津波でなく地震が原因という可能性も浮上してきた。
格納容器の損傷を防ぐために行われたベント(排気)で建屋外に排出した
はずの水素ガスが別の排気管を通じて逆流したことから水素爆発が
起きた疑いも認め、「設計に欠陥があった」ともしている。とはいえ、
なにも東電だけのことではない。国の原子力行政の欠陥を
改めなければならない。(おことわりしておきたいのです。後になって
別の事実がわかるかもしれない、現時点の考察です)。